さて、今、腰を据えてしっかりと考えていかなくちゃいけない。
まず大事なことは名古屋に向けて、自分たちのできるプロモーションを考えていくこと。
東京、大阪での上映を経験して、自分たちに蓄積されたものだってある。
何が出来て、何が出来ないのか。何をするべきか。
そういうことをきちんと考えていかなくちゃいけない。
それともう一つあるとすれば、関東での再上映だ。
本気で全国での上映を目指すのであれば、関東の、出来れば都内近郊での再上映は必要不可欠になってくる。
ただ上映をしようと思えば出来ないわけじゃない。
つまり、上映会だ。
場所を借りて自分たちでチケットを手配して・・・。
それは、劇団運営をしてきたノウハウもあるから実はそこまで難しい事ではないかもしれない。
けれど、公開したばかりの今、それをやることはセブンガールズの未来にとっては余り良いことじゃないと思う。
自主上映会は、当然映画館の興行成績にも乗らないし、媒体にも上映予定が掲載されることはない。
そして、限られた日程しか恐らくは出来ない。
ファンサービスとしてイベント的にやるのであれば、もっともっとセブンガールズが育ってからだ。
今、それをやることは、通常の映画館での興行に影を落とすだけになってしまう。
かと言って、じゃあ、都心部ではない場所から・・・というのもかなり厳しい条件になる。
例えば有名人が出演しているとか、出身俳優がいるとか、ロケ地であるとかがあれば別だけれど。
出演している俳優が全て無名で、出身地でもなく、ロケ地でもない映画を、地方部で上映してもらうのはハードルが高すぎる。
動員をしないと、映画館だって経営が成り立たなくなる。
ここで撮影しましたよ!とか、この人が出てますよ!という看板もないまま簡単に上映してもらえるわけがない。
配給の仕組みの全てを知っているわけではないけれど、知る限り2つの方法があるはずだ。
一つは映画館主催で、チケット代の数割が興行主である映画館の売上になる方法。
もう一つが、上映権の購入で、この場合は配給側は売値以上は満員でも入らないし、映画館は売値以上にチケットを売らなくては赤字になる。
名画などで、時間が経って上映権が安くなってから地方で上映するというようなことは可能だとしても。
今すぐ、上映権を・・・というのは、かなり厳しいはずで。
だとすれば、やはり上映権じゃない方法しか選びようがないだろうと思う。
名画の上映権を格安で買うよりも利益率の高い動員を目指せなければ、中々難しいという事になる。
当然、例外はあるとしてもだ。
じゃあ、本当に日本全国を目指すのであれば、何が必要なんだ?と考える。
じっくりと、考えていく。
やはり、話題性と実績以外には、全国に行くことなんか夢のまた夢なのだ。
数年後、ほとぼりが冷めてからなら不可能じゃないかもしれないけれど。
今、全国を目指すとすれば、それ以外に方法はない。
もちろん例外として地方からの誘致というのもありえる。
その場合は、誘致団体が動員を保証出来るような規模が必要なはずだ。
だから、普通に考えれば、話題性と実績になる。
そして、その話題性と実績を創るのだとすれば、人口の多い都市部になってくる。
例えば興行成績という実績を積み上げるのであれば都市部になってくる。
話題性も、一人でも多くの人が話題にしたり、媒体に取り上げられたりが必要になる。
そういう意味ではより都心部の方が媒体の数が圧倒的に多い。
当然、夢は今まで通りみていくけれど、現実だってちゃんと見据えないと、結局なんにもならなくなる。
最近は、その実績にインターネットが加わっている。
例えばInstagramのフォロワーの数が数十万もある!とかであれば、それは実績になるはずだ。
Twitterに感想が1000件以上も上がっているとか、レビューサイトで高評価とか。
恐らくは、これまでにはなかったような実績というもの確実にある。
ミニシアターの中では高い興行成績、ネットでの評判、そして媒体での宣伝。
あとは、目に見えないなんというか、勢いのようなもの、匂い。
その4つが生まれやすい場所で、生まれるように頑張るのが結局は一番の近道になるはずだ。
実は個人的に、東北部で上映したいなぁという思いがある。
東北部だけじゃなくて、いくつかの地域で、ここでやりたいなぁというのがあるのだけれど。
その中でも東北部では、やらなくちゃいけないと思っている。
戦後復興の中、強く生きた娼婦たちの姿を、届けなくちゃいけない場所だという思いがある。
けれど、やっぱり東北部に持っていくには、まず東名阪の都市部なんじゃないだろうか。
真面目に考えれば考えるほど、それがまずやるべきことなんだという答えに辿り着く。
逆を言えば、この映画は上映したい!と思って問い合わせが入る状況にするのが一番早いという事だ。
嬉しいことに、上映を観てくださった方の中で、様々な映画館にアンコールや上映希望を出してくださっている方がいるそうだ。
そういう声がどれぐらい届くのかどうかもわからない。
それぞれどんなやり方でやってくださっているかも細かくはわからないのだけれど。
映画館によってはリクエストカードがあって、そこに書いてくださっている方もいるとか。
出演者たちや製作側が、配給会社の頭を飛び越えて営業してしまうわけにもいかない今、すごく嬉しい話だ。
きっと、そういう声が一つずつ集まっていくことだって実績になっていく。
そして、目に見えない勢いというものになっていく。
多分、ここからの上映計画や、進んでいく道については、もう一度打ち合わせなくちゃいけないのだと思う。
明確に目指す場所は一つだとしても、次に足を出す道を決めるぐらいの具体性だって必要なはずだから。
ただ一つ言えることがあるとすれば。
どれだけ周到に計画を練ったとしても。
どれだけ考えに考えて、進んだとしても。
作品に力がなければ、それは実現しない。
そしてやっぱり、なんとなく過ごしていては、実現しない。
自分たちでそこに辿り着くために、何かをつかみ取るような思いがなければ、何も起こらない。
おいらは。
この作品にはその力があると思っている。
そして、自分は、例えその壁がどれだけ高かろうが、手を伸ばし続ける。
そういう思いが途切れることだけは絶対にない。
だって、そうじゃなければ、この映画は完成しなかった。
一瞬でも思いが途切れて、ネガティブになっていたら、きっと公開すらできなかった。
信じて、どれだけ足が重くても、一歩前に進んだから今がある。
夢を見て、現実もみて、それがどんなに困難に思えた時も、乗り越えてきた。
それこそ、誰も吸いたがらない泥水だってすすってきたんだから。
映画が出来るまでに比べたら、大したこともねぇさ。
だって、あの頃は、監督しかいなかった。
監督と自分だけが、もくもくと映画製作に取り組んでいた。
信じることしか裏付けがなかった。
今は違う。
試写会を終えて、出演者たちが、仲間が立ち上がった。
皆で、何かしなくちゃって考えて動き始めた。
そして、今、公開後に、お客様たちが立ち上がってくれている。
こんなに勇気をもらえるのかよ!
最高じゃないか!
ぐいぐい背中を押してくれる。
だから、もっと考えるんだ。
何をするのが一番いいのか。
もっともっと。
何をすれば、皆が喜んでくれるのか。