プログラムのサンプルが届いた。
オフィシャルパンフレット。
手に持つとしっかりしている。
開けば、どのページも全て思い入れが深いページ。
今日も様々な連絡が届いた。
一つ一つ、出来ることをやっていくだけだ。
何もないかなぁって思った時が、何かある。
そんなものだ。
このBLOGの「映画公開への道」もこのエントリーが最後になる。
本当に公開まで辿り着いたのだ。
今日までのことを人に話しても、なかなか信じないんじゃないだろうか。
そのぐらいたくさんの偶然と、たくさんの助けがあって公開を迎えるのだから。
公開を迎える瞬間までと。
上映が終わってからは。
世界が変わるのだ。
それまでと、これからは、まるで違う世界になる。
公開まで、たくさんのお力をお借りした。
配給会社、配給担当、プロデューサー、そして映画館。
全ての人に感謝だ。
ひょっとしたら、お任せして、いつの間にか公開になっちゃうのかもしれないなんて思っていたけれど。
上映が決まって、打ち合わせの席に同席して、準備や、納品まで。
自分は、その全てを見てきた。
公開することがどれだけ凄いことなのか、どれだけの思考が集まるのか。
簡単に説明なんか出来やしない。
今、思えば、プロデューサーと二人きりでの最初の打ち合わせが全てだったかもしれない。
あの日に話したこと、あの日に上がったこと、その全てを自分なりに消化できているだろうか。
皆も本当によく頑張った。
計画した新宿や下北沢の街への宣伝を頑張ってくれた。
たくさんのたくさんのお店にポスターを貼ってもらって。
たくさんのたくさんのチラシを配布してくれた。
用意しておいたポスターはついに今日0枚になった。
実際に足を運んで、汗を流して、頭を下げて、街を回ってくれた。
それだけじゃない。
SNSで自分企画を成熟させたメンバーがどれだけいるだろう?
企画がなくても、拡散し続けたメンバーもいるし、公式アカウントの運営をしてくれるメンバーもいる。
着実に、堅実に、少しずつセブンガールズという映画のタイトルが広がっていった。
それも、日々更新し続けて、日々楽しんでいたからこそだ。
宣伝をしようとすれば結局手詰まりになる。
企画を自分で立てて、工夫することは楽しみに繋がっていく。
カウントダウンだって、毎日の更新は本当に大変だったんじゃないかなぁ。
ちゃんとストーリーになってる人だっている。
こんなに出演者たちが皆で進んでいる作品なんか、ないよ。
ちょっと気を抜くと、満足してしまいそうになる。
もう今の時点で奇跡みたいなものなのだから。
達成感に包まれてしまいそうになる。
でも、そんなことを思う度に、打ち消している。
だって、不安だってあるんだから。
本当に届いているのかなんて誰にもわからない。
開幕したら、意外に当日券が伸びないかもしれない。
台風の進路だって気になる。
満員御礼になっても、どんな評判かだってわからない。
どんな風に世界に受け入れられるかなんかわからない。
例えばさ。映画のシナリオの教科書には、初歩の初歩でこんなことを書いてある。
「なるべくセリフで説明しないで、絵でわかるようにする」なんてことが。
圧倒的な映像というツールがあるのだから、言葉で説明してはいけないってことなんだろう。
でも、実はそんなのは初歩のルールでも何でもない、いわゆるフィロソフィーでしかない。
なるべく説明するセリフを書かないという哲学を、さも常識のように教えている。
舞台では絵を限定出来ないから、当然、言葉が重要になる。
わかりにくいままで伝わらないのであれば、わかりやすく言葉を入れていく。
でも、説明なんかにしない。
台本のセリフは説明を説明とわからないようにあらゆるテクニックを駆使する。
徹底的に口語体にこだわって、ギャグの中に入れたり、短いワードのリフレインをしたり。
そして、演者も説明的なことを説明に見せないためのテクニックを徹底的に探していく。
目指す方向は作品の成立だから同じなのに、使う技術が180度違う。
常識が違う。基準が違う。
映画でしか出来ないことをたくさん意識してやっているけれど。
人によっては、常識はずれの作品なのかもしれない。
まして、ミニシアターで上映される作品群の中では、異様なんじゃないだろうか?
こんなことを、ずぅっとずぅっと考え続けてしまう。
だからこそ。
多くの映画ファンにも足を運んで欲しいなぁと願う。
多くのミニシアターファンにも足を運んで欲しいなぁと願う。
不安はあるけれど。不安だけじゃない。
映像体験をして欲しい。
全日程満員札止めを目指そうと話している。
だって、この1週間を次の奇跡の始まりにしたいから。
それは、たくさん入場したというだけでは始まらない。
会場に来た皆様に全力で楽しんで頂けなければ、きっと奇跡は起きない。
映画だけじゃない。
会場に入った瞬間から、会場を出て家に着くまでのパッケージを。
一気に不安になったかと思えば。
一気に自信が湧いてくる。
大丈夫だ。この映画は奇跡を起こしてきた。
スクリーンからは、信じられないほどのパワーが届く。
不安をかき消すような、作品に対する信頼感がもりもりと湧いてくる。
その繰り返しだ。
もう、体がもたないぜ。
そんな日々が終わるのだ。
たくさんの人の思いを抱えて。
全ての不安も、全ての自信も。
あと、たったの1日で終わる。
この作品を愛してくださる人がたくさんいますように。
この映画を特別な一本にしてくださる方がたくさんいますように。
今日までしか出来ない願いを。
明日からは出来ない願いを。