雨の日。
よく降るなぁ。
そんな言葉が自然に口をつく。
台風24号の予想進路が急に変わった。
公開期間中に本州を通るかもしれないという進路。
大自然のきまぐれに抗う術はない。
出来ることは祈ることだけ。
当日券に直接響くことも心配だけれど。
すでにご予約いただいた皆様の足にも影響が出そうで心配だ。
最近は精度が上がったけれど、予想進路は今も変化し続けている。
祈ろう。
前日の再々納品のチェック完了の連絡が入る。
その前に納品したデータも一応バックアップとして持っておきたいと記載されていた。
こんなことなら最初から預けておけば良かったかもしれないけれど。
そんなこともあるだろうと、ちゃんと持ち歩いていた。
前日に、鞄から出して、いや、もしかしたら・・・と思って再度入れておいて正解だった。
そのまま再び雨の新宿に向かう。
土日をはさんで4日連続での新宿。
駅からの道程も、もう目をつぶってだって歩ける。
いつものようにロビー受付に行き、納品と伝えると電話が鳴った。
電話が終わるまで、ご担当の呼び出しを待っていたのだけれど・・・。
その電話応対の内容が、なんとなくなんとなく、わかってきた。
電話を切ると同時に、納品だと伝えて、聞いてみた。
もしかして・・・今の電話、セブンガールズの問い合わせですか?
受付の感じの良い女性が、にっこりと笑って。
そうなんですよ。セブンガールズの問い合わせは多いんですよ。
なんて、教えてくれた。
公開前に問い合わせが多い?
なんだか瞬間的に背筋に電流が走って、泣きそうになった。
ご担当にデータ納品をする直前だから、あわてて我慢した。
我慢はしたけれど、電流は続いていて。
受取りに来てくださったご担当にデータを手渡しながら。
偶然、今、問い合わせがあったんですよ!と報告していた。
ご担当も、受付の方も、にこにこ笑ってくださって。
なんだろう。この感じ。うまく説明できないけれど。
興味を持ってくださっている方がいると実感する瞬間で。
もちろん自分も、映画館だって、こんなに嬉しいことはないわけで。
当日券の案内をされていたけれど、電話の向こうの方は当日来てくださるのかなあ。
なんだかドキドキしたままケイズシネマを後にした。
これで公開前にやれることは、ほぼほぼなくなった。
〆切のあるものがという意味で、もちろん、日々やることはたくさんあるのだけれど。
その後の舞台の準備でもやるべきことがあるわけで、何もないわけじゃないけれど。
公開準備は調整や連絡のような部分を残せば全て終えたとも言える。
雨の中、帰宅して食事を摂ると、安心したのかそのまま気絶したように眠ってしまった。
やれるだけやったはずだ。
もう、待ったなし、公開2日前になっていた。
でも何かが終わったわけじゃない。
準備は準備なのだから。
これから始まるのだ。
世界に受け入れられるのか、どうかもわからない。
世界はまだセブンガールズを知らないのだから。
一人でも多くの人に届けたい。
この作品を届けたい。
この作品に流れる空気を感じて欲しい。
これからだ。
これからなんだ。
あさってからです。