公開が近づくにつれて、様々な場所での情報掲載が増えていく。
演劇とは媒体の数が違う。
ファンの数の母数が違うのか、作品の数が違うのか。
考えてみれば、例えばファッション誌の中にも映画レビューページがある。
文芸誌の中にも、映画レビューのページがある。
まるで占いのコーナーのように、雑誌の定番なのかもしれない。
そのぐらい、映画は生活の中にすでに馴染んている。
自分の経験で言えば、映画でも観にいくかと、その日に決めて。
情報誌をペラペラめくって、今、なんかやってるかなぁ。なんてことが良くあった。
そういう楽しみ方も出来る映画という文化はとても豊潤だなぁと思う。
小劇場でもそういうことはあるけれど、そこまで気軽に足を運ぶ文化は定着していない。
思えば、流行もある。
本当の映画黄金期が去った後しか、自分は知らない。
映画が唯一の娯楽だった時代を過ぎてから、自分は映画館に足を運ぶようになった。
おいらが物心がついた頃は、ハリウッド映画全盛だった。
邦画よりも洋画の方が圧倒的に話題性もあったし、混雑していた。
それこそ、学校で、E.T観てないの!?なんて会話が普通にあった。
長くハリウッド全盛の時代があったけれど、今は、少し変わってきているように思う。
今は邦画も勢いを盛り返している。
若い女性向きの、少女漫画を原作としたキュンキュン系と呼ばれる映画が常に公開されているし。
他にも、少年漫画原作の映画が正月映画、春休み、夏休みと、必ず公開されている。
看板が一つの映画だけじゃなくて、たくさんのスターが出演する映画も公開されている
もちろん、アニメ映画も、次々に発表されている。
いわゆる単館系と呼ばれたり、ミニシアター系と呼ばれる映画も、時々話題になる。
2年前の邦画はものすごい盛り上がりだった。
あれがピークなのか、あれがスタートなのかはわからないけれど。
「シン・ゴジラ」が話題になって「君の名は」が、それを越えるなんてことが起きた。
そしてその後、「この世界の片隅に」が公開されて、なんと今も公開し続けている。
やっぱり夏休み映画というのは普通の時期よりもたくさんの人が足を運ぶ。
実は、本年度は、その勢いが継続しているような年だ。
「万引き家族」のヒットは凄かったし、今公開されている映画も話題作ばかりだ。
「銀魂2」や「SUNNY」「泣き虫しょったんの奇跡」のように、たくさんの俳優が出演する映画もある。
その中で、ミニシアター系の「カメラを止めるな!」が話題になったのも、もしかしたら流れとして必然なのかもしれない。
邦画への信頼度が増して、大きな規模の映画も順調に増えてきた中で。
こんな映画が待たれていたのかもしれない。
映画、邦画が、今、多くの人にとって身近なものになっている。
映画の場合、観た人同士でしか出来ない話というのがたくさんある。
会話の潤滑油になる。
だから、一度話題になると、あっという間に広がっていく。
その映画について、友人と話したいと思えば、当たり前のように勧めてくれる。
そういう流れというか。
映画という大きな文化の流れの中で「セブンガールズ」という作品は、ただ合流するだけになるのだろうか?
それとも、何か、流れの中で役割を担うような可能性もあるのだろうか。
そういう全体感というか、俯瞰での全体の流れなんかを考えていた。
正直、想定していない事ばかりなのだから、考えてもしょうがない。
こんなにあっという間に予約分が売り切れるなんて思っていなかったし。
今も、セブンガールズのことをSNSで意外な方が書いていたりする。
自分の知らない場所で、いつの間にか話題になったり、想定外の展開もある。
それでも、そんなことを考えるの?と思うかもしれない。
でも、それをずっとずっと考えている人たちだっている。
この映画の企画から今日までずっと関わり続けてきていて、そこはお任せするなんて言うことは出来ない。
想定も出来ないし、何が起きるかもわからないけれど。
それでも、きっと、大きな流れ、小さな流れ、時代そのもの。
そういうものをきちんと考えて、観察して、そういう中で、何かが思い浮かぶのだと思う。
例えば、今、映画館に顔出しパネルがあるのは、いわゆるInstagramを始めとしたSNSでの拡散を考えているわけで。
アイデアというのは、常に時代性と寄り添っているという事だ。
その上で、作品のカラーとどれだけ寄り添えるかなのだと思う。
誰もやったことのないアイデアを一つ思い浮かべている。
多分、駄目だろうなぁと思いつつ。
提案してみようと思う。
思いついたら、すぐに提案。
それを繰り返していくしかない。
例え、浅知恵でも、それが一歩になるのなら。