ケイズシネマで打ち合わせをした時に。
日時指定の予約を提案してくださった。
プレイガイドや、前売のシステムを導入していない映画館。
当日券しかないのですかという問い合わせを頂いていたから、すごく嬉しかった。
各日程何枚までという上限を決めた。
当然、当日券もある程度の数を用意してある。
それは、ケイズシネマについているファンもいるし、当日、その日に何を観るか決める映画ファンもいるから。
前売券で全て売ってしまえば、そういう道を閉ざしてしまうことになる。
それでも、かなりの数を前売用に確保させていただいた。
その打ち合わせの席で、軽口を叩いた。
「ま、予約分は一週間で完売にしますよ!」
・・・と。
いや、予約の完売をすることは可能なんじゃないかと思っていた。
自分の周囲の感触、問い合わせの数、そして舞台に比べて映画館は知り合いを誘いやすい事。
そういう全てを考えれば、充分に完売はあると思っていた。
ただ、完売する時期については、はっきりと予測なんか出来なかった。
軽口を叩いた自分は、即座に。
「・・・すみません。見栄を張りました。」
なんて、冗談ぽく口にして、打ち合わせの席で、皆で笑っていた。
でも、その時、心の中で一週間というのは一つの目標になっていた。
笑いながら、冗談みたいにしちゃったけど、口にしちゃったなぁと思っていた。
あ!本当に一週間で!って、あの時笑い話だったことを実現したくなっていた。
嬉しい驚きは、どんな場面にだって必要だから。
それが、まさか3日で売り切れてしまうなんて。
嬉しすぎてパニックになるところだった。
複数回来てくださる方、ご友人を誘ってくださっている方。
これまでの劇団を知らないまま、この映画に興味を持ってくださった方。
舞台から足が遠ざかっていたけれど・・・という方も。
そういういつもとは違う要素が、大きく大きく動いたとしか思えない。
そして驚いてしまうのは、予約分がなくなった今も、問い合わせがあることだ。
当日券についての問い合わせ、乗り遅れてしまったという報告。
いつもの舞台の予約ぐらいのつもりだった・・・という毎回来てくださるお客様。
当日券だって、充分な数があるから、ぜひ、来てください!とお伝えするしかないのだけれど。
ドキドキし続けていた。
これは奇跡の始まりなんじゃないか?
そんなことが頭を何度もよぎる。
速報ツイートが、落ち着いてから、タイムラインの上部に固定するツイートを創る。
WEB上のニュースも、当日券情報モードに切り替えていく。
ふと見ると、映画館のケイズシネマさんのアカウントが、固定ツイートをリツイートしてくれていた。
映画館の公式アカウントのフォロワーたちに、前売予約完売が知れ渡ったという事だ。
それも、すごいことだなぁと、武者震いをする。
このアカウントに、チケット状況がツイートされる。
あの「カメラを止めるな!」も、ここで完売ツイートを出し続けたのだ。
そう。
奇跡は始まったばかりだ。
予約分は完売したけれど、だから映画館が満員になるというわけじゃない。
やっぱり当日券も全て出て、「本日のお席はなくなりました」が出ないとなぁと思う。
その為にやれることをどんどんやっていくしかない。
より多くの人たちに、より広い範囲に。
予約開始直後のSOLDOUTなんていう奇跡が起きたんだから。
そのままこの奇跡をやめちゃうのはもったいないじゃないか。
不可能と言われた映画化をした。
だから、やってやれないことなんかないって思う。
もう大人だからさ。
夢が必ずかなうなんて思ってない。
努力が必ず報われるなんて、大嘘だって知ってる。
それでも、夢を持った人間にしか行けない場所がある。
努力を重ねないと、行けない場所がある。
別に、絶対に必ず報われる必要なんかない。
だって、努力が報われたんだから。
あああああ。
嬉しい。
考えただけで、涙がにじんでくる。
「セブンガールズ」という作品が、どんどん育っているような気分だ。