2018年08月21日

あの日新宿で夢を見た

なんだか今日は一日中忙しかった。
もちろん、厭じゃない。
事務作業が延々と続いている中、連絡が途絶えず。
同時に帳尻が合わなくなるようなイレギュラーな部分もあったり。
それが終われば、印刷物のチェックと、新しい音源のチェック。
その間にも、これはどうすればいい的連絡が相次ぐ。
同時にいくつ作業やってるんだーー!って叫びたくなるぐらいだったぞ。
ははは。

それもそのはず、タイミング的に色々重なっている。
今日からの対応と来週の準備と舞台の準備。
全部が今日に集中してきたような感じだった。

俳優の相島一之さんが、Twitterで「カメラを止めるな!」を観て考察していて。
その面白さの最大の理由は、
リハーサルの多さと出演者への当て書きそして出演者スタッフの一体化だと思う。それは「劇団」だったのだと思う。」
と呟いていた。
なんということだろう!
その劇団が映画を創ったことをきっと、相島一之さんは知らない。

そのあといくつか続くのだけれど。
「12人の優しい日本人」という映画も、1か月のリハーサルを重ねた稀有な作品だったと書いていた。
この作品は、自分は新宿のアルゴまで観に行った。
アルゴプロジェクトというまだ時代的には早すぎたミニシアターの走りのような企画があって。
とっても、面白い作品がたくさんあった。
その中で、三谷幸喜さんが初めて映画の脚本を書いたのがこの映画だった。
・・・というか、むしろ、元々三谷幸喜さんの舞台の台本で、岸田國士戯曲賞をとったんじゃなかったか。
アルゴといえば「渋滞」だとか「桜の園」だとか、あと長塚さんが教師役だったやつとか。
とにかく、面白い作品が多くて、その上舞台からの映画じゃ何度も観に行っていた自分が行かないわけがなかった。

相島一之さんは、舞台版からずっと出演している役者で当時は世間的には無名だった。
映画を観て、ああ、面白い役者がまだまだいるんだなぁ!と思わせてくれた作品だった。
舞台をやってる人の中では、もちろん、名が通っていた。
東京サンシャインボーイズは、面白い!と話題になっていたからだ。
そして、その舞台に立つ役者が、映画でも十二分に通用するんだぜ!と見せつけてくれて。
なんだか、舞台の世界にいた自分は溜飲が下がる思いだった。
そして、大きな大きな刺激を受けた。

最初のクリームソーダのくだりが、もう、おかしくておかしくて。

なんというか、自分の劇団の代表作を映画化した企画だったじゃないかと改めて気づく。
それを、自分は十代で目の当たりにしていたのだった。
自分の中から、劇団の代表作「セブンガールズ」を映画化しようという思いが出たのはその記憶もあったのかもしれない。
もちろん、監督は変わっていたし、キャストも全員が舞台と同じだったわけじゃないけれど。
それでも、梶原善さんとかも、そこで出演していて、すごいすごい!って興奮したのを思い出した。

セブンガールズは4度の再演をして。
映画撮影の前に、何か月もリハーサルを重ねて。
撮影中は、自分が撮影じゃない時は他のシーンを手伝うという。
まさに「劇団」のやり方で映画撮影をした。
偶然とはいえ、それに近い「カメラを止めるな!」がヒットして。
それを観た相島一之さんが「12人の優しい日本人」に言及して。
「セブンガールズ」の公開を控える自分がそれを読むというのが、なんだか必然のように感じた。
まるで、運命のように、色々繋がりすぎていて。
そう思ったら、サンシャインボーイズの「SHOW MUST GO ON」も繋がっている。

セブンガールズを映画化したことは絶対に間違いじゃなかった。
確信に変わるような思いだ。
また一つ勇気をもらった。
そういえば、あの頃の新宿のアルゴの映画館は、今のK'sシネマのすぐそばだ。
カメ止め!もそこで始まって、セブンガールズもそこで始まる。
リハーサルを重ねて「劇団」であった作品が、繋がっていくような錯覚。

いつか、相島一之さんにもセブンガールズを観て欲しい。
もちろん、中原俊監督にも、三谷幸喜さんにも、梶原善さんにも、豊川悦司さんにも。
もっともっとたくさんの人たちに。
そして「12人の優しい日本人」を思い出してくるようなことがあったとしたら。
それは、どれだけ嬉しい事だろう。わくわくすることだろう。
まだ十代の演劇青年だった自分が、あの小さな映画館でもらった勇気を別の形でプレゼント出来たら。

そして。
いつかの自分のような青年が足を運んでくれたらな。
そんなことを思ったりする。
ナマイキにスクリーンを睨みつけてさ。
面白いと悔しがってさ。

それは、連綿と続いていくものだからだ。
文化の遺伝だからだ。

ああ、自分はそんな映画館の中でドキドキした日を思い出したんだ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:44| Comment(0) | 映画公開への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする