稽古日。舞台に向けての準備も着々と。
稽古前にとある写真の撮影。
この劇団の特徴の一つが悪ノリ。
とっても悪ノリした写真を撮影できた。
何かをやろうとすれば、全て、本気になってしまう。
いずれどこかで。
パンフ編集長より、全体のイメージが届く。
先週お願いして、今週届くスピード感。
素晴らしい内容。
・・・公開までに製作できるのかはさておき。
稽古に新しいメンバーが加わり、いつもよりも多い人数で呑む。
普段はそれほど話さない同士が話したりできる機会でもある。
意外に新鮮な組み合わせや、思ってもいなかった会話も。
稽古中、ロケ地の現在の写真が届いた。
近くに住む方が、今は更地になったロケ地の写真を送ってくださった。
あのトタンの壁も、蔦の絡まる壁も、何もなく、電柱だけが一本立っている。
そして、簡単な囲いで覆われていて、入り口のシャッターだけがかろうじて残っていた。
こうなることは知っていたし、こうなっていることも知っていたけれど。
その写真を観るだけで、あの日の思い出がまるで幻だったかのような錯覚を覚える。
セブンガールズという映画に、聖地巡礼はない。
すでに、その聖地はスクリーンの中にしか存在しないから。
そこに行っても、それがどこにあったかさえわからないだろう。
それにしてもなんというタイミングか。
20年以上放置された廃屋を撮影前ギリギリでお借りして、終わると同時に更地になるなんて。
まるで、セブンガールズを待っていてくれたかのようだ。
アルコールで揺れる脳。
あんなに暑かった熱帯夜は終わっている。
心地よい夕涼み。
いつか、夜の海を歩いた時の足の裏に伝わる砂浜の温度と同じぐらい。
ここはどこだろう?
いまはいつだろう?
夏休みがいつもあっという間に過ぎたように。
大人になっても、夏はあっという間に過ぎていく。
アブラゼミの声が日暮らしに変わる頃。
秋の足音を感じて、いつだって、夏の終わりに切なくなっていく。
今年の夏は、何をした?
けれど、秋が待っている。
セブンガールズを公開する秋はもう目の前だ。
たったの40日で、映画公開の日を迎える。
これからの日々は1日、1日がさらに重要になっていく。
監督だってナーバスになっていくだろう。
自分がなっているのだから。
とは言え、舞台本番も待ち構えている。
監督は台本を書き、自分は芝居をする。
それも同時進行で進めていかなくちゃいけない。
夜風は涼しくなったのに、体の火照りは取れない。