2018年08月31日

もう気にしてくださる方はいるのだろうか

業務試写が終わってその準備作業はなくなった。
印刷物はまだまだ残っているけれど。
それでも、猛スピードで進んでいる。
なあに、まだまだ行けるさ!

感覚的にどうしてもわかっていないことがある。
それは、いわゆるミニシアターが、普段、どんな形で集客していくのだろう?ということだ。
もちろん、やっていることはつぶさに観ている。
過去に公開していた作品や、現在公開している作品、これから公開する作品。
それぞれの作品がどうやって宣伝しているのか、どんな風に感想が集まっているのか。
そういうものは確認して、知識としては貯蓄している。
自分も、まだミニシアターなんて言葉がなかった時代に、色々な映画を観た経験もある。
それでも、なんというか、感覚的なものがどうしてもつかめない。

例えば、平日の昼間でも映画は当然のように日々公開されている。
小劇場でも、なくはないけれど、そんなに毎日は考えられない。
それは、間違いなく自分の想像している観客層とは別のお客様たちなのだと思う。
確かに自分も、ガラガラの映画館に行ったこともあって。
逆に、なんで、こんなにお客様が入っているんだろう?という映画も幾つもあった。
話題作とは、一般的な話題作とはまた別の話題作がある。
そういうものっていうのは、例えばどんな映画を観ても、結局、公開しないとわかってない雰囲気がある。
現代はSNSが発展しているから、過去の作品の公開日前後の履歴も観ることが出来る。

なんて言えばいいのかなぁ。
例えば、自分は何を買うか決めないで本屋に入ることがある。
本の表紙を見て、作家を観て、推薦文を観て、出会いを求めている。
あれは特に誰かに勧められてというわけじゃない。
飛び込みで、例えば平置きになっていなくても、出会う時は出会うというようなものだ。
どうも、映画にはあれに近い部分もあるようだ。
映画館のチラシを何枚か手にして、インスピレーションで観るものを決める。
そういう出会いが、映画の世界でも息づいている。
ミニシアター同士での横の繋がりもあるから、公開作品のチラシをお互いに置き合ってる。
結果的に大抵の映画のチラシを手にすることが出来る。
そしてきっと、その中から出会いを求める。

でも、そういうのって、結果的に、お!ちょっと話題になってるぞとか。
お!これはひょっとすると気にかけてくださる方が結構いるぞ!とか。
そういうことが事前にはわからないんだろうなぁって思う。
蓋を開けないと実際に、足を運んでくださる方がいるのかどうかも見えないんじゃないだろうか。
もちろん、ある一定層のお客様がいて、例えば名画系なら最低このぐらいはいつも来場があるとかのラインはあると思う。
例えば、昔のヤクザモノだと、このぐらいは入るなど、計算が立ってくると思う。
でも、そこからのプラスアルファは、どうやって予測したり、感覚的にとらえているのだろう?
ケイズシネマの支配人さんが打ち合わせで、予想は結局出来ないというような言葉を口にしていて。
ああ、そういうものなんだなぁと感じたのだけれど。

だけどさ。
そんな風にのんびりしたくないんだ。
いっぱい入ってくれるといいなぁ・・・っていうのが一番良くない。
それは多分、小劇場というフィールドにずっといた精神性からも来ていると思う。
舞台の再演は非常に難しいし、1~2週間という公演期間しかないから、必死でお客様を呼び集める。
チラシを置かせてもらって、折り込みに行って、配って、と、それを繰り返す。
でも、映画は少し違うように思う。
もちろん、必死に宣伝している映画もたくさんあるし、監督や役者がチラシを配っているケースもある。
それでも、少しだけ毛色が違うし、なんだったらチラシをまくだけで、すごい!なんて言われていたりしていた。
あまりにも自分たちがいつもやってることなのに、映画の世界ではそうでもなかった。
郷に入っては郷に従えとも言う。
もちろん、通常の映画の宣伝部と変わらないぐらいの宣伝はしたとしても、映画のやり方でいいのかもとも思う。
でも、そんな風にのんびりしてはいられない。

一週間の限定上映だけれど。
それが可能な限り伸びたら最高だなぁって思っている。
全国ロードショーになったらいいなぁって思っている。
・・・というか、当初から、一人でも多くの人にこの作品を届けると宣言している。
それには、自分の中で二つの方法しか残されていない。
一つは、なんらかの評判になること。
もう一つは、もうシンプルに一週間、たくさんの人たちが集まること。
或いは、その両方だ。

だから、のんびりと、徐々に評判が良くなって・・・というのは考えないようにしている。
そういう方法があるのは知っているし、そういう作品もたくさんあったけれど。
ミニシアターのファンの中には、当然、観たい映画の優先順位がある。
もし見逃しても、面白ければ、またどこかで上映されるんじゃないかという楽観もある。
そういう中で、優先順位が上がって、少しでも早く観たいと思ってもらえないようじゃいけないのだと思う。

当然、他のミニシアター系の作品よりも有利な部分だってある。
そもそも劇団というベースがあって、そのお客様が観たいと思ってくれる可能性がある。
クラウドファンディングで200人を超える支援が集まっているから、応援してくださる方がいる。
けれど、それだけではきっと、大入り満員にならないんじゃないかって思ってる。
例え、限定の前売券が完全に売り切れたのだとしても、当日券の枠があるのだから。
その枠に、どれだけ映画を好きな人や、興味を持ってくださる人が、足を運んでくださるかが最後の決め手になる。
だから、やれることは全部やって。
映画を好きな人が、気にかけてくれるようにチラシを手にしやすいようにして。
或いは、SNSで興味を持ってくださった人が、「興味」から「行く」に変わるようにして。
それをやれるだけやり続けていかないと、きっと、そういう目に見えるような結果にはならない。

だというのに。
本当に感覚的なものがない。
ああ、これはとても良い流れだぞ・・・とか、そういうセンサーがまったく働かない。
海のものとも山のものとも見当が付かない。
蓋を開けてみないとわからないという感覚がやっぱり残っている。

これはこれで、とても苦しい。

日々やれることを重ねていくけれど。
自分のセンサーのようなものが、何かを受信するまではきっと苦しい日が続く。

まず観ていただかないと。
何も起きないのだ。
この作品を観てもらわないと。

残念ながら、自分という俳優はその宣伝にならない。
自分が出るから観て欲しいとかいくら叫んでも、自分の知り合いにしか届かない。
小野寺が出てるから観に行こう!なんて、お客様がそんなにいると思えない。
少なくても、作品以上の宣伝力を持っていない自分だ。
まったく、無名俳優とかそういう言葉は好きじゃないけれど、そのまま無名俳優なのだ。

かっこつけちゃだめだ。
この映画は、そもそもそういう映画ではない。
かっこつけずに、そのまま、こんな映画創っちゃったぞと、言い続けるしかない。

何も起きないと思っていたら、その先は見えている。
何か起こすと思い続けることこそが、きっと答えになる。

だって、そういう力が「セブンガールズ」にはあるのだから。


posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:50| Comment(0) | 映画公開への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月30日

良い知らせばかり

業務試写を急遽決定していた。
突然すぎるしたったの一回だけ。
宣伝部もなく、そもそもが劇団で、試写を複数回出来る予算もなく。
それでも、やってみませんか?というプロデューサーの言葉で決定する。

その中で、自分たちで創った映画だから。
自分たちで呼びたい人がいたら、呼ぼうという話になった。
幾人かの名前が頭に思い浮かんで、連絡をさせていただいた。
一人一人。

丁寧にご返信を頂いて、試写には来れないまでも、観ていただけることになった方もいた。
簡単にここに名前なんか書けないけれど、ええ!?あの人に連絡したの!?という人ばかりだ。
その過程で、なんど、感動したことか。

実は一番最初に思い浮かんで、勢い余って直接連絡した方がいる。
Zeebraさん。
この映画の底に流れるマインドに近い人というプロデューサーの言葉から真っ先に連想した方だ。
自分がまだ十代だった頃、HIPHOPという音楽は、アンダーグラウンドの文化だった。
その頃から、ずっとずっと、ずーーーっと、その文化をメジャーシーンにと活動していて、今も続けている。
それに、後進の若手や、あるいは夢を持てない若者に、いくつものチャンスの場を創っている。
そういう活動を、ずっと続けていらっしゃる方なんて、他に知らない。
きっと、それ以外の道だって、いくつもあったはずなのに。
むしろ、後進にもう任せようというほどのベテランだというのに。

最初、仕事が入っていると返信が来ただけで、心が躍った。嬉しかった。
もちろん、無理に誘っているわけでもないし、むしろ来てくれるなんて思ってもいない。
ただ、すぐに返信してくれたそのことだけで、やっぱり思っていたような人だと感動した。
ところがだ。
その日のうちに、もう一度連絡が来て、スケジュールを調整したいと書かれていた。
衝撃を受けた。
結果的に、いらっしゃれないのだとしても、そこまで考えてくださることに。
それだけで十分だった。

業務試写に来てくださった様々な方がいらっしゃる。
音楽の吉田トオルさんがバンド参加している、JAKIGAN MEISTERメンバーまで。
ジャーナリストの中村淳彦さんも駆けつけてくださった。
他にもいらっしゃったけれど、SNSで鑑賞いただいたコメントが出ていない方は伏せておく。
皆様から、素晴らしい「セブンガールズ」へのTweetが・・・。
なんということだろう!!

Zeebraさんのコメントに、その場にいた全員が震えた。
そのコメントには「志」という言葉が書かれていた。
あの笑顔、あの握手。
勝手にシンパシーを感じて、勝手に誘っただけなのに。
スケジュール調整までして、駆け付けてくれて。
その上、Tweetまでしてくださった。
ちょっと信じられないほどの気分だった。

急遽の決定だったから、それほど多くの方が来たわけじゃなかったけれど。
全員が、やって良かったと口にした。
そして、その後の呑みの席で、更にもう一報、素晴らしい連絡が来た。
涙目になる出演者。

ああ、全てを書けないことのもどかしさ。
いつか、発表できるだろうか?

帰宅して、事務的作業の残りをしていると。
初日に続いて、二日目も、20周年記念セット用の限定数のチケットがSOLDOUTとなった。
発売わずか3日目で。
すごい!すごいことだ!!

さあ。
明けて、公開まで30日になった。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:32| Comment(0) | 映画公開への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月29日

イカレテルのがイカシテル

自由で民主主義な日本で生きていても。
不自由なカーストを感じながら戦っていたりする。
学校にいれば、いけてるいけてない。
会社に行けば、出来る奴出来ない奴。
近所で話せば、付き合い、付き合わない。
酒を飲んでも、さむいさむくない。
ああ、もう、どこかに逃げ出したくなるけれど。
何処に逃げたって追いかけてくる。
上だ、下だ、なめてる、なめられてる。
生きているだけでサバイバルなのか?
いつの間にか、戦いの中にいる。

気付けば、隣に君がいた。
たった一つの価値じゃ測れないから、君といるのが心地よい。
上も下も右も左も、なんだったら、ナナメもないさ。
隣さ。

そりゃあ、食べるものもなくて、貧しくて、夢も持てなくて、そんな時代もあった。そんな国もある。
だから、お前たちは幸せなんだと例えば言われたとしても、それとこれとは別だ。
食べるものもあるし、夢だって持てるけど、幸せと不幸せは、それだけはどうにもならない。
何かと比較したってしょうがない。

だから、はみだすのさ。
はみだせば、叩かれる。
出る杭は打たれるし、飛び出た釘は叩きなおさないとね。
そんなもんどうってことねぇさ。
叩かれても笑ってやれ。
くだらない戦いには飽き飽きなんだ。
そんなところで悩むぐらいなら、いちぬけさ。
部屋の中に閉じこもったアイツ。なぁ、そろそろ出てこないか?
その部屋にある宝物を見せてくれないか?

気付けば、あいつはイカレてるってさ。
おかしい奴だってさ。
いかれぽんちのおでましだい。

イカレた奴らが集まって。
イカレた映画を創ったのさ。
あの映画を観て、頑張ってる姿に感動した人も。
この映画を観たら、こいつらイカレテルって思うんじゃないかな?
こんなもん、この予算で、この期間で、創ろうって考える方がどうかしてる。
右手に電動ドリル、左手にシナリオ、頭の中はお花畑。
どこのどんなレールにも乗らないような映画作品。

今も戦ってる。
誰だって。
家族の中で、社会の中で、友達の間で、ちっちゃなプライドがキシんでる。
誰かの嫌味に、ふいにへたり込むときだってあるはずさ。
ぶつけようのない怒りやら、消化しきれないストレスを抱えているはずさ。
そんな時に出会うんだ。
最高にイカした何かに。

それは音楽かもしれない。
音楽にもならないただのシャウトかもしれない。
圧倒的な映像美かもしれない。
現代美術かもしれないし、写真かもしれない。
ぶっとんだ何かに突然出会うんだ。
最高にイカれてて、最高にイカした何かに出会うんだ。

こんな無茶苦茶な企画なのに、映画公開だってさ。
チケット予約も開始してるんだってさ。
まぢかよ!?しんじらんねぇわ!
でも、それも全て、何かを吐き出すためじゃないんだ。
自分はここにいるぞ!と存在証明したいわけでもないのさ。
たった一つ、あなたに観てもらいたいからなんだ。
今も戦ってるあなたこそが、出会ってくれると思っているからなんだ。

なあんだ、そういうことか!って思ってくれればいいんだ。
そして、全てを笑い飛ばしてやりたくなってくれたら、サイコーなんだ。

大通りのはじっこで、エキセントリックに騒ぐ手もあるけれど。
おいら、大通りのど真ん中を、歩けないはずの道を、旗立てて堂々と歩いてる。
後ろ指なんて覚悟の上さ。
変わったことをしてるんじゃない。
歩いちゃいけないんじゃないかって、共同幻想をぶち壊しに来たんだ。

映画という娯楽に真正面から取り組んだのさ。

イカレてるって今は言われても。
どこかの、あなたが、イカシテルって言ってくれたら本望だ。

その時、きっと、上も下も左も右もない。
あなたの隣に、セブンガールズがいるよ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 06:32| Comment(0) | 映画公開への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする