朝起きて書き出してあったデータをチェックする。
想像を超えてサイズが大きい。
エンコード予測サイズも、長尺だと大きなずれが出てくる。
毎度のことながら、ため息。
再度、書き出し指定して、PCを立ち上げたまま家を出る。
帰宅すると書き出しが出来ていたので軽くチェックして、転送サイトにアップロード。
これも結局、時間がかかる。
今の時代のネットワークで時間がかかるのはやっぱり動画ぐらいだ。
4Kが浸透してきたけれど、結局、こういう部分がとっても難しいと思う。
サンプルを書き出せば、まだ軽くなるけれど、結局最終版ではフルデータが必要なわけで。
エンコードも、書き出しも、データ転送も、保存するHDDも、全てが重くなるはずだ。
足回りの悪さは不詰まりを起こす。
さて、あとは書面周りだなぁ。
劇団とは別で出演してくれている役者もいて。
先日の試写会で初めて映画を目にしてくれたのだけれど。
用事があって決起会には参加できなかった方がいる。
セブンガールズを観て、どう思ったかな、どうだったかな?と心配になっていた。
役者であれば、初見はどうしても自分の芝居を確認してしまったりもする。
どんな風にセブンガールズが映ったのか、気になっていた。
それが、チラシを送ってくれませんかと連絡が来た。
多分、試写会ではそれほどチラシを手に出来なかったんだなぁと思う。
枚数と送付先を確認して、送りますと伝えると・・・。
たくさん、声をかけたい!という返信があって。
なんというか、なんというか、幸せな気持ちになって。
ああ、映画を観て、試写を観て、宣伝したいと思ってくれたんだ!となんだか、グッと来た。
うちはあまりこれまで客演というのはない劇団だった。
内部で、ひたすら自分たちで高めていったというのがある。
そうなると、少し排他的なイメージがあるかもしれないけれど、実は全然そういう事はない。
例えば新人が来れば、阿吽の呼吸で誰かが声をかけたり輪に入りやすいようにする。
いつものスタッフさんの助手さんの新人さんでも、初めて参加した人にはむしろ自分たちから声をかける。
むしろ、あっという間に仲良くなってしまう。
セブンガールズの撮影期間の5日間、共に過ごした役者たちともたくさん話をした。
皆で笑いあって、飯を食って。
もちろん、スタッフワークまでは手伝わなくて良いですよ!としながらだけれど。
立ち回りの練習とか、男同士だけの面白さとかもたくさんあって。
そういうなんていうか、撮影時だけじゃなくて、撮影の合間の笑顔とかが急に記憶に蘇ってくる。
出演した映画を宣伝したいという気持ちになってくれたということが、どういうことか。
ふと、考えると、なんだか、涙が出そうになる。
役者として呼ばれたのにね。撮影の終わりの頃には、パネルを外すのを手伝ってくれたりね。
火を焚いていたら、それ、見てますよ!と、番をしてくれたこともあったりね。
撮影直前まで立ち回りの練習を一緒にしたりさ。
そうそう、あの夜のあのシーンの撮影の時は、面白かったなぁなんて思い出して。
そういうなんというか、あの場で出会った役者が、出演して良かった!って思ってもらえるかは大事なんだって思う。
試写会の後、撮影監督が決起会に来れなくて、メールのやり取りをしたのだけれど・・・。
初号試写の時は色味が確認できないからとあえてちゃんと観ないようにしていたからスクリーンではほぼ初見。
そんな中で頂いた言葉。
「この作品に携われて嬉しい」という一節。
大ベテランの、プロの現場で撮影を重ねた人からもらえた重い一言。
それを目にした時も、じわって、涙がにじみ出て。
あれは、なんだろう。
涙が流れるんじゃなくて、ゾクゾクとして、にじみ出てくるような感じは。
いつも一緒にいる仲間たちの涙だって、もちろん嬉しい。
その一言一言だって、当然、通じている。
何も言わなくたって、時には悪い口調で言い合っていたって、わかってる。
なんだったら、恥ずかしくて、褒め合う事なんかほとんど出来ない。
でも、だからこそ、ほんの一歩だけ外側にいた皆様から届く言葉が直接的で、一発で胸に来る。
ああ・・・まだ観れていない方も、初号ではない場所で客観的に観れていない方もいる・・・。
長くお世話になった古賀さんにさえ、まだ観れてもらっていないのだ。
あの予算で、あの撮影日数で、こんな映画が出来たことを、映画関係者ほど誰も信じない。
「これ、億の予算が必要なやつですよ・・・。」
最初の打ち合わせでシナリオを読んで出てきたその言葉は、最後まで、おいらのガソリンだった。
億の予算が必要な映画が、ここに完成していますよ!!
皆様の完璧なスタッフワークが、作品の持つ感動とは別に、大きな大きな感動の形になっているんですよ!
伝えたい。伝わって欲しい。
でもまだ公開していない。
完成したから、喜んでもらえたけれど。
全然、還元できていない。
関わあってくださった全ての皆様がハッピーになれるような。
そんな風になりたい。なる。
ならなくちゃいけないんだ。
それは全て「これから」なんだ。
郵送したチラシの到着確認のメールが来た。
「僕の映画のチラシ」
そんな風に思ってくれたら嬉しい。
ああ、ダメだダメだ。
どうも、涙もろい日々が続いている。
まだなんだぞ。これからなんだぞ。
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