これが本ポスターの色見本。JPGだから圧縮されていて小さいけれど。
基本的にはチラシの表面とそう大きな違いはない。
メインビジュアルは、統一されていた方がキャッチーで、記憶に残る。
だから、同じ写真を使用している。
8人の女に、セブンガールズのタイトル。
それぞれのキャラクターが透けて見えるような写真。
ちなみに、この画像は色見本で、塗り足し部分までだから、本来印刷されない屋根の部分まで写っている。
トンボと呼ばれる、基準線が書かれていて、そこでカットしてポスターサイズになる。
ポスターとチラシの大きな違いは二つ。
当たり前だけれど、まず大きさ。チラシとは違う大きさがある。貼られるものだから目線の位置も違う。
そして、やはりこれも当たり前だけれど、片面印刷だという事。貼る以上、裏面に何を印刷しても意味がない。
とは言え、基本的に映画のポスターはビジュアルメインで、情報量は少ないのがどうやら普通だ。
映画館のそばに貼ってあって、上映日や上映館は、別枠で貼っていたりする。
それと、昔からなぜか決まっているらしいことで、映画のポスターは非売品なのだそうだ。
基本的に売るものではなくて、あくまでも、宣伝用のもの。
だからこそコレクターが集めたわけだし、上映期間が終わってから、ようやくコレクターショップに並んだりする。
最近は、前売り券の特典だったり、物販物の特典になることもあるようだけれど、基本は非買なのだそうだ。
明確な理由まではわからないけれど。
だから、例えば「仁義なき戦い」の初号ポスターなんて持っていたら、今や高値で取引される。
ポスター販売を最初から計画していたとしたら、デザイナーにはどのぐらいロイヤリティが入るのだろう?
考えてみれば、映画ポスターは美術品と認識している人も大勢いるわけで、デザイナーコレクションでもあるのだ。
その辺も実は関係しているのかもしれない。
昔、時計仕掛けのオレンジのポスターが欲しくてしょうがなかったことがある。
デザインがなんというか、好きだった。
あのポスターのタイトルロゴも、確かこの位置だったと思う。
映画館のそばに、コレクターショップがあって、よく新宿のさくらや裏の店に行って探してた。
伝統的な邦画のポスターは縦書きのタイトルを右側に、赤でというのが多い。
横書きだったら上部だ。
K’sシネマになる前の昭和館は、いつもヤクザ映画をやっていて。
あそこで初めて高倉健さんの唐獅子牡丹のポスターを観た時は、かっこいいなぁと見惚れた記憶がある。
印刷物は、基本的に高解像度じゃないと、綺麗に出力されないと言われるけれど。
ポスターの場合は、二分の一ぐらいの解像度でも問題ないと言われる。
大きく引き伸ばしているから、近くで観るものじゃないからだ。
その代わり、その大きさに則したデザインが優先される。
例えばキャッチコピーは、大きすぎるぐらいの文字でちょうどいい。
遠くから見て読めるぐらいじゃないと、ポスターの場合はあまり意味がないからだ。
選挙ポスターを思い出せば、その文字の大きさをすぐに理解できると思う。
視点の問題もある。
通常ポスターが貼られる位置は、目線よりも少し上だったりする。
町内会の掲示板のような高さに貼る場合もなくはないのだけれど、一番多いのは少し高い位置だ。
非売品だから持っていかれちゃうことなんかもあるのかもしれない。
だから、タイトルは、下部の方が良いんじゃないかというのが最近のトレンドでもある。
ポスターの仕上げは、だから、すごく縮小してモニターで確認するようにしている。
小さく表示された状態で、タイトルとビジュアルとキャッチが認識できるかどうか。
今回のメインビジュアルのとても良い所は、小さく表示すると、女性が数人写っていることがすぐにわかることだ。
近くに行って、それが誰なのか、どんな女性なのか確認したくなる。
もちろん、街の中の風景に溶け込んで、貼られてからじゃないと実際のことはわからないのだけれど。
女たちの衣装がカラフルだからこそ。
色の配分をシンプルに出来る。
それもとても良かったなぁと思う。
試写会でポスターを貼って。
皆、ポスターをじぃっと見ていたけれど。
それは、セブンガールズを知っている人の見方だ。
現実的に言えば、セブンガールズを知らない人が、パッ!と見て、印象に残る。
それも、近くからじゃなくて、少し離れたところから。
そういう効果がないと意味がないという事だ。
まぁ、自分もどうしても近くで色々確認してしまうのだけれど。
それにしても・・・
映画のポスターがある。
ということが、まず嬉しい。
舞台でもポスターを創ったけれど、それとはやっぱり違う。
どこかが違う。
試写会に来てくださった方が。
ポスターやチラシを、好きだと言ってくださった。
自分も好きだった映画のチラシやポスターがあって。
それを思い出すと、なんというか、かつての自分の持っていた憧れに、触れてくる。
映画館はもちろん。
都内各所に貼ってもらう予定だ。
上映館も上映期間も記載されていないのだから宣伝というのとは少しずれてしまうかもしれない。
気になってくれる人が、一人でも増えたらなぁという希望に近い。
もしも、見かけたら、皆様、教えてくださいませ。