完成披露試写会の朝。
トラブルのために、朝一番で、一人だけ映画館に行く。
映写室に電源が入り、再生チェックが始まった。
スクリーンに映るセブンガールズを確認した瞬間に、泣けてしまって仕方がなかった。
トラブルのために、朝一番で、一人だけ映画館に行く。
映写室に電源が入り、再生チェックが始まった。
スクリーンに映るセブンガールズを確認した瞬間に、泣けてしまって仕方がなかった。
ここに、皆が集まる。ご支援してくださった方々が集まる。
時間が空いたので、外に出る。
お茶をしていると、何人かから連絡が入る。
入り時間の前から、集まり始めていた。
お茶をしていると、何人かから連絡が入る。
入り時間の前から、集まり始めていた。
映画館に入って、いつもの劇場入りと変わらない準備が始まった。
舞台挨拶登壇するものはその準備を。
受付や撮影舞台、司会はその打ち合わせを。
きびきびとこなしていく。
そう、これが「セブンガールズ」
全員で、全体で、この試写会を成功させようと願っている。
ハリソン・フォードが試写会の受付なんかしない。
三船敏郎が試写会の舞台挨拶で司会なんかしない。
けれど、それをやるから、セブンガールズなのだ。
早めに来場してくださった方に、ロビーで待つように案内する。
暑い日だった。
受付を開始してから中に案内してもいいのだけれど、それじゃ酷だ。
中で涼んでください。
おいらは、皆様と一番近い距離に立てる受付をやらせてもらった。
暑かったなぁ。スーツ。
受付だけは、映画を最初から観ることが出来ない。
一番、映画を観てきたおいらは、全員に最初からスクリーンで観て欲しかった。
映画の本編が始まる前の冒頭10秒。
監督から「セブンガールズ映画化実行委員会」に、時間を頂いた。
シンプルなメッセージだけの10秒。
そこが流れている時、会場にいることなんか出来ない。
あのメッセージは、今日の全てで、おいらが観るものじゃない。
受付がひと段落してから、客席後方で立ち見をする。
笑っている観客席、すすり泣く観客席、その全てを最後列から目撃する。
いや、そんな冷静なものじゃない。
自分は、ずっと号泣しているのだから。
舞台挨拶が始まる。
サプライズのダンス、監督の登場、金子透の司会と、女たちのコンビネーション。
そのすぐそばで、写真撮影する俳優、ビデオカメラを回す俳優、マイクを手渡している俳優。
普段、舞台に立っているから、人前に立つのは実はその辺の役者よりよっぽど肝が据わっている。
とは言え、舞台挨拶なんてしたことがないんだからさ。
それがどういう感動をもって舞台に立つかなんて、誰も知らなかったんだから。
司会が最後に、口にする。
「これは僕たちの映画とは思っていません。皆様の映画です。」
嘘でもなんでもない。
映画「セブンガールズ」は、今日まで応援してくださった全ての人の映画。
受付で、ブログを読んでずっと待っていましたと声をかけてくださった皆様にとって。
この試写会は、一緒に歩んできてくださった自分の映画だったはずで。
いや、もう、劇団を昔から愛してくださる方もいたり、昔の仲間もいるし、スタッフさんもいて。
そういう全ての人の思いが詰まった映画が「セブンガールズ」なのです。
映写技師の方に、劇団観に行きたくなりましたと、声をかけられて。
ああ、毎日、様々な映画をスクリーンに投影しているプロから、こんな言葉が出る。
そういう作品なのだと、もう一度、震え始める。
舞台版を知らない方や、劇団を知らなかった方からも、お褒めの言葉が次々に届く。
「この映画は、面白い。」
その言葉は、今日から始まるプロモーションの大きな支えになった。
いや、出演者たちもそうだった。
自分の芝居の確認ではなく、客観的に映画として楽しんでしまったと、何人もが口にした。
役者だから、普通の人よりたくさんの映画を観てる。
その役者たちが、想定外に「凄い映画」だと、気付いた。
全てを片付けて。
まるで日本代表のように楽屋を綺麗にして、受付周りも整頓してから、映画館を後にする。
おいらたちは決起会を開いた。
公開に向けて。
一人でも多くの人に観ていただくために。
おおいに盛り上がった。
奇跡が始まる予感を誰もが手にした。