インターネットがこのまま進めばテレビを越えると言われていたけれど。
実は、自分としては、そんなにそれを信じていない。
そもそも、インターネットは、パソコン通信から始まったコミュニケーションツールで。
テレビというのは誰でも無料で観ることのできるメディアだからだ。
インターネットがメディアになることはないんじゃないかと、自分としては思っている。
もちろん、ネットの影響で、広告費が縮小したり、重要性が低くなることはあっても。
発信するだけのテレビというメディアは、それはそれで、大事なものなのだと思う。
紙媒体はかなり厳しくなっていると思うけれど。
パソコン通信から始まって、WEB、BBSや日記サービスがSNSになって。
結局、ネットはコミュニケーションツールとして原点回帰している。
Eコマースや、映像配信、ニュース配信等々、便利にはなっているけれど。
中心にあるものはやっぱりコミュニケーションツールとしての役割のままだ。
YoutubeでのPV配信を行っていて、ああ、これは・・・と思う所がある。
実は、映画のTrailerを色々と観て回って情報を集めたのだけれど。
どうやってセブンガールズという映画を世の人に知ってもらうかの一環での勉強だったのだけれど。
実は、邦画と洋画で、まるっきりやり方が違うという事を知った。
とにかく、ハリウッド映画のtrailerページは充実している。
4~50本もの動画を配信している映画だって、ザラにある。
それは、そもそもマーケットが違うし、恐らくPV製作チームがいるという予算の違いだよと言われそうだけれど。
それはそれで、また、ちょっと違うんだなぁという感触がある。
日本というマーケットは、まだ少しマスコミ神話が残っていて、そこを中心に考えているからじゃないだろうか。
というのも、セブンガールズのPVを2本公開しただけで、ああ、こういうことかという感覚があるからだ。
それは、要するにYoutubeでの宣伝なんてものは、実際にはそれほど大したことじゃないという事だ。
そう書いてしまうと、え?そうなの?ってなってしまうのかもしれないけれど。
Youtubeで映画のPVをしてますというのは、結局、ああそうなのね程度のことなのだと思う。
そんなことよりも大事なことがあって、それはYoutubeにアップロードした動画自体が、コミュニケーションツールになるということだ。
最初に特報版を公開して、次に道絵という役の紹介PVをアップロードしたわけだけれど。
例えば、その道絵のPVを共有して、誰かが「友達が映画に出ます!」なんて書き込みをする。
ようするに、口コミで広がっていく場合のツールになるということが本質なんじゃないかと思ったのだ。
実は特報版や、それこそ、公式HP自体も、リンクして口コミのツールにしてくださっている。
最初は友達が・・・から始まっても、友達の友達が知り、その友達が気になって・・・と広がっていく。
そういうコミュニケーションを更に潤滑にしていくもののかなり強力なツールの一つが動画だという事だ。
恐らくハリウッド映画の宣伝チームは、そういう本質をすごく計算して戦略的に動画配信をしている。
例えばスターウォーズという作品のPVは、ハリウッド本家のHPにものすごい数が更新されていて。
全世界で同時に映画情報公開されるんだけれど、その後もずっとマニア的動画を更新している。
それを日本人が、本家のページでこんなPVがいつの間にか更新されてるよ!なんて書き込みをしている。
次から次にすごい情報が出てきてるぞー!なんて、Twitterで文字が踊ったりする。
つまり、PVで宣伝じゃなくて、口コミが広がるためのツールとしてどんどん公開しているのだと思う。
それも、そうなることを全て予測したうえで。
対して、邦画のPVは2~3種類ということも少なくない。
情報公開時にPVを公開して、公開が近くなってからロングバージョンのPVを公開というのが一般的なロードマップ。
情報公開前にティザー広告を出す場合もあるし、役者からのコメントが出たりする場合もあるけれど。
そうなると、一度PVを観たら、そこで終わってしまいそうなものなのだけれど。
その後、プレスリリースで、色々な情報を小出しにしていく。
例えば出演者の発表を一度にはしないで、徐々に発表していく。
キスシーンであったり、原作と結末が違う!であったり、そういう情報も小出しにしていく。
そして、段階的に、出演者のインタビューなどを出していく。
そのたびごとに、エンタメ系のメディアで取り上げられて、マスコミを通じてそこで再度公開してるPVに訪問が増える。
つまり、宣伝のためのPVであるし、マスコミへの情報提供で話題が継続的に続くようにしている。
だとすれば、確かにPVの数が多いことはそれほど大きな意味を持たないのかもしれない。
メインとなるPVがあって、あとは情報をマスコミで拡散していくのだから。
もうまるっきり、宣伝のやり方そのものが違うような感覚だ。
(キスシーンがあるから映画に観に行くっていうのだけは、実はちょっと理解できない)
実際にYahoo!ニュースのトップに、ドラマや映画の記事が来ることも多い。
明らかにプロモーションの一環なのだけれど、意外に日本人は信じるし、それで動員も変わるのだと思う。
この人の演技はすごい・・・的な記事は、実は出演者たちは少し恥ずかしいんじゃないかなぁなんて思うけれど。
ニュースが拡散された方が、信頼性が高いという事だ。
フェイクニュースや、プロモーションニュースとの違いを、それほど意識しないところがある。
政治方面のネガティブキャンペーンすら、信頼してしまうようなところがある。
悪い言い方をすれば、ネタになるのはどっちか?という問題かもしれない。
セブンガールズがニュースサイトに掲載されることも別に不思議なことではないし。
Yahoo!のトップに出ることなんて夢のまた夢だとしても、どこかで記事になることはあると思う。
でも、それで、どれだけ多くの人がセブンガールズを知ってくれるのかは未知だ。
当然広がるだろうし、そのニュースさえ、ツールとしてコミュニケーションに使用されていくはずだ。
だから、テレビが消えることはない。
Twitterや匿名掲示板を中心として、SNS上では、何かのネタを探して、それについて呟き続けている。
リアルタイムに動画を無料で観ることが出来るテレビというのはネタとして最高のメディアだ。
天空の城ラピュタ放映時のバルスじゃないけれど。
コミュニケーションにおいて、何かを共有しながらというのは、一番重要なことだ。
セブンガールズという映画の公開まで、やれることは全部やりたい。
ただ、有名な俳優が出演していない映画であれば、記事になることは殆どないだろう。
これまでも単館系の映画のニュースは、そこまで大きく取り上げられてこなかった。
話題性・・・というのが、極端に少ない。
映画ファンに届く・・・ぐらいの記事にとどまることは想像に難くない。
だとすれば、仮に今の日本にはそれほどマッチしない方法と判断されているやり方だとしても。
それもやってみようよ。と、思っている。
まぁ、逆に実は、それを簡単にやれないんだけれど。
PVを何本も外注に出していたら、宣伝予算が足りなくなっちゃうし。
WEBやSNS管理を外注に出していたら、読めない予算まで出てきてしまうかもしれないし。
宣伝の予算について、プロデューサーと打ち合わせした席を思い出す。
チラシ、ポスター、HP、色々書かれていて、予算組をしましょうという時に。
これ、僕がやるので印刷代だけです。これ、予算いりませんと、潰していったことがあって。
気付いたら、上から下まで、予算組みをする部分がすごく少なくなっちゃったということがあった。
思わず、プロデューサーと二人で、噴き出して笑っちゃった瞬間。
多分、通常ならありえないことなのだけれど、それを知らない自分すら笑っちゃう予算組みだった。
オノデラさん。という文字が縦にずらっと並んでいたから、ビジュアル的にも面白かった。
そう。
実は、他の映画よりも、自由な翼を持っている。
予算がないけれど、予算度外視していい箇所がたくさんあるんだ。
本当の意味の一般層・・・単館映画館に通うような映画ファンや、小劇場ファンだけではなく。
バラエティ番組を見て笑ったり、Instagramに写真を掲載してみたり、そういう全ての人たち。
子育てに必死なお母さんや、毎日通勤電車に揺られているお父さん、そういう全ての人たち。
そういう人たちにも、この映画を知ってもらえたら・・と願ってやまない。
闇雲にではなく、そこに学びながら取り組みたいと思っている。
なんて言ったって、そもそも裸から始めたようなものなのだから。
失敗を恐れる必要がまるっきりないのだから。