さあ、はじまるよ。
舞台の幕が開けようとしている。
映画の宣伝も始まろうとしている。
全てが、始まる。
新しい何かが始まる。
小劇場×映画
そんな宣伝文句、過去にもあったけれど。
本当のそれが始まるよ。
16日は、そのスタートの日だよ。
下北沢の楽屋すらない小さな劇場から、それが始まる。発信が始まる。
光り輝く舞台上の裏の、真っ暗な真っ暗な片隅で、役者たちは息をひそめている。
鮨詰めになった空間で、今か今かと待ち構えている。
あの光り輝く照明の下に飛び出す瞬間を待っている。
映画のチラシを、当日のパンフレットに折り込んだ。
初めての、映画「セブンガールズ」販促物。
ある役者はそれを観て、ため息を漏らし。
ある役者はそれを観て、泣きそうになった。
20年間、小さな劇場の暗がりかに、おいらたちは息をひそめていたのかもしれない。
そのチラシは、光り輝く照明の下に。
圧倒的な現実を前にした。
映画を創ることはここまで大変で、ここまで時間がかかると知った。
それを、今日ももう一度知ることになった。
舞台を一つ仕上げるには、どんな妄想も吹き飛ばす圧倒的な現実が待っている。
稽古場になかった段差、稽古場になかった劇場の壁、稽古場になかった暗さ、音の厚み。
いつだって、おいらたちは稽古を重ねて準備して、結局、現実に圧倒される。
「映画」も「舞台」も夢だ。
夢は、現実に打ち勝って、そこに具現されるものだ。
その戦いは、いつまでだって続く。
夢を見たまま、ふわふわなんかしてられないのさ。
現実に対峙して、どこかで、夢の中にいることに気付くのさ。
さあ遊ぼうぜ。
さあ戯れようぜ。
それがうたかただとしても。
それが例え滑稽だったとしても。
上等じゃないか。贅沢じゃないか。
踊れ、廻れ、楽しめ!
いいか。
映画や舞台がエンターテイメントなんじゃない。
人生がエンターテイメントなんだ。
いつだって、ショーマストゴーオンだ。
さあ、はじまるよ。
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