5月の公演は3本の中編オムニバス。
告知のページにも3本分のあらすじを掲載してある。
ここに「上演順は未定です」と記載してあるけれど、実は先週ほぼ決まった。
通しを観てくださったスタッフさんの助言があり、監督に伝えたところ、それでいいよと。
順番が決まれば、それはそれで、色々と考えなくてはいけないことがある。
企画公演は、いつものことだけれど、本公演よりも少しだけチケット代を安くしている。
その分、予算が少なくなるわけだから、そこでただ予算の少ない公演にするよりも工夫をする。
例えば去年の2月の企画公演ではセットを舞台裏のようにパネル裏にして、音響を無線と生ピアノにした。
予算組が少ないから工夫をして、それはそれで、余り観れない面白さを出そうとする。
今回も企画公演だから、例えば美術も工夫をしているし、他も色々だ。
実際、企画公演のそういう工夫が面白いという事で、そのまま本公演でもとなったこともある。
実は慣例のようになっているのだけれど、音響オペレーションを自分たちでやってきた。
最初の企画公演が、音楽を用意したのが劇団員だったというのもある。
その後は、音関連は、ありものを使って、あの時のあの曲!っていう演出をしたり。
あるいは、若手公演の再演だから、そのまま流用して、オペレーションだけ受け持ったりした。
今回は企画が固まるまで、音楽についてはちょっと未定だと話していた。
そのことは音楽の吉田トオルさんにも伝えてあって、どう工夫するかですよね・・・という話をしていた。
それでも工夫した形で曲を創るよと、トオルさんに言っていただいて、先日通しを観ていただいたわけだけれど。
観ていただいた後の話を聞く限り、きっかけの数などはいつもと変わらなそうだぞ・・・と気が付いた。
つまりはオペレーションが、いつもの企画公演よりも少し難しいかもしれない。
これは、オペレーションについて、そろそろちゃんと考えておかなくちゃいけないと、色々、確認をしていた。
なぜなら、おいらが音をやったとしても、自分の班の時は出番があるから出来ないことになる。
おいらがやるのであれば、音響台本を用意して、キッカケ表を作ってシミュレーションをすればいいけれど。
肝心の自分の班は任せるとなると、自分だけがわかるようなものでは心もとないことになりかねない。
実はおいらは、役者としての初舞台よりも、音響の仕事の方が早かった。
おいらが通っていた演劇の学校では、先輩の発表会の音響を後輩がやるのが慣例になっていて立候補したからだ。
その日から、毎日のように先輩の稽古に行き、その後、呑みに連れまわされる日々がやってきたのだけれど。
あれが、演劇にのめりこんでいく入口だったことは間違いない。
その後、卒業してからも師匠の劇団や、知り合いの劇団に頼まれて音響をしたこともある。
実は、師匠が最後に出した本の末尾には、「音響:小野寺隆一」なんて記録が残っちゃってたり。
ちゃんとお金をもらって音響をやって、色々な稽古場を見回っていた時期があったのだ。
あの頃は、プレイヤーがオープンリールだった。
磁気テープをカットして、樹脂テープと繋いで、頭出し位置に曲名を書いて。
舞台用の音ネタテープを創るのに、数日かかることもざらだった。
よくもまぁ、あんな作業をしていたもんだよなぁと思うほどだ。
その後、MDが登場した時は、衝撃を受けた。
CDはディスクの読み込み時間があるから、再生を押してから音がでるまでタイムラグがあった。
それで、結局、オープンリールの方が信用できたのだけれど・・・
(なんせ、磁気テープと磁気ヘッドの位置を目視で確認していたのだから)
MDは、ほぼほぼタイムラグがなく再生することが出来るアクセススピードを持っていた。
それが最近の音響ブースを観ると、MDもすっかり見ないようになった。
普通にPCやタブレットから音を出している音響さんもいるのだ。
実際、本公演でいつもお願いするKORNさんは、CD、サンプラー、PC、タブレットを駆使している。
レコーディングに使うような機材まで利用している。もう意味不明だ。
さて、それじゃあ、今回、プレイヤー問題をどうするかなと思って劇場の付帯設備票を確認した。
そして、劇場には、CDもMDも含めたプレイヤーがないことが分かった。
ミキサー、アンプ、EQ、各種ケーブル、スピーカーのみだった。
つまり、時代的に今は、プレイヤーは持ち込みが標準という事になる。
きっと倉庫の奥に、埃のかぶったオープンリールがあるのだろうけれど。
そのぐらい機材も軽くなったし、セッティングもしやすくなったという事だ。
自分ひとりだったら、CDラジカセやらMDウォークマンやら、PCやら、曲順編集して何とかする。
ミキサーのチャンネル数を考えれば、組み合わせることで何とかなる。
個人的にPCは、フリーズする可能性を考えると怖くて使いたくないけれど。
でも、自分の班でだけ誰かに頼むのであれば、なるべくシンプルなオペレーションが出来るようにしたい。
さすがにPCは、人に任せられないから、それ以外の方法で。
その上で、他の班も含めた、BGMとSEの両方を色々と考えてみたけれど。
とっても難しいオペレーションになりそうなことに気付いた。
いわゆる「ポン出し」と呼ばれるようなSEも何度か必要になりそうだし、曲の切り替えが激しい箇所もあった。
これは、自分が通してオペレーションをするとしても、ちゃんと組み立てておかないと間違える奴だ。
音響がない場合も含めて創っていたはずだと思っていたのだけれど。
作品に取り組み始めれば、やはり、少しでも良くしたいし、欲が出てくるから仕方がない。
タブレットに、ポン出しのアプリを入れて、ミキサーに繋げてにするか・・・。
もちろん、それはスマホでも出来るけれど、操作中にLINEが入ったりしたら面倒だし・・・。
もしくはかつては高価で憧れるだけだったけれど、メモリーカード対応になって値が落ち着いたサンプラーを導入するか。
或いは、それに準じた機材をどこかから借りてくるのかだ。
借りるにしても導入するにしても予算は限られているけれど・・・。
その上で、出来れば、通し稽古で、オペレーションの練習もしておきたい。
自分の班でやってくれる人も、練習できるように準備しておきたい。
まぁ、レンタル機材やで借りるとなると、練習日まで借りたら、勝った方が安くなってしまうけれど。
もちろん、限られた予算だからこそなのに、オペレーションを頼むよりも予算がかかるようじゃ意味がない。
何が一番になって、その後にも続く方法かちゃんと考えないといけない。
吉田トオルさんやKORNさんにも相談してみないとだ。
特にトオルさんは、オペレーションまで考えて、音楽を作っている可能性が高い。
何がベストか。
そう。
こうやって、工夫して、考えて。
むしろ、プラスに変えていく。
その繰り返しだった。
本公演ではもちろん、お願いするのだけれど。
こういう機会に、それまでやっていないことを体験することで、新しい何かをみつけられる。
そういう繰り返しが、「セブンガールズ」の製作を可能にしたのだ。
さてさて。
どうしたもんか。
順番が決まったのだから、まず、オペレーターを決めるのが先かもしれないけれど。