寒の戻りか。
少しだけ肌寒い。
翌日は8度も気温が上昇するし、その次の日は雨。
気温の上下が激しい。
映像は少しだけ直しの依頼が合って、すぐに直して再納品。
あっという間の作業だ。
書き出しも、アップロードも、短い映像であれば実に早くなった。
早めに送れたらと、早歩きで歩いて帰宅してから、急いだ作業。
気付けば染井吉野はすっかり葉桜になろうとしている。
この時期に、どこにでもある銀杏を観て欲しい。
あのハカマと呼ばれるイチョウの形をした小さな葉が、若葉で出てきている。
あんなに小さいのに、やっぱりハカマの形。
秋には真っ黄色になって、路面を彩る銀杏なのに。
わりと、銀杏の若葉は、並木でも誰も見上げていないんだなぁと気付く。
春は、花が咲き乱れるから、緑は脇役なのかもしれない。
真新しい制服を着たまだ子供の顔をした集団と何度もすれ違う。
そうか、入学式か。
人間の若葉だ。
染井吉野が散って花見が終わり、新年度が始まって。
世界が動き出しているような感じだ。
少しだけ足を延ばして、山中に行ってみると驚くよ。
実は、山桜は、まだまだ散らない。
染井吉野と違って、しばらく咲いている。
山中だから木も大きくて、高い所から、ハラハラとはなびらが降ってくる。
中学生の頃、山桜のはなびらが散る良いポイントを知っていて。
そこは、竹やぶなのだけれど、竹林の中を花びらが降る光景は、今も目に焼き付いている。
あの場所は今もあるのかな?
春眠暁を覚えずを、地で過ごしていた学生の頃。
春は、昼であろうが、夜であろうが、急に眠気がやってくる。
今日も納品作業をした後、まるで気絶したように眠っていた。
おかげで、変な時間に起きたよ。
起きるようになったのかもしれない。
いつだったかは、起きる気配すらなかったはずだ。
早歩きだ。
いつも早歩きだ。
流れる季節の風景を楽しむ余裕もないようじゃ、つまらない。
それでも、早歩きをする。
早歩きをしてきた。
せっかちな自分を時々好きじゃないなぁと思うけれど。
早歩きは治らない。
山桜でありたいのに、染井吉野になってしまう。
足がむくむわけだよ。