2018年03月26日

通し稽古

郵便物の受け取りもあるから早めに稽古場に。
スタッフさんが来る準備をしておく。
床を仮想舞台にして、椅子を用意して、台本の準備。セットのモデルの準備。

それぞれが自主稽古を始める。
衣装に着替える役者もいる。
班によっては、全体でのセリフ合わせも。動きの確認も。
自分の班はもうジタバタしない。
先週までで、充分に準備してあるから、あとは心の問題。

各班の通し稽古が順番に始まる。
ストップウォッチで尺を出しながら、きちんと観る。
通しで観れる機会は、他の班はどちらも初めて。
通して観てはじめて見えるものや、わかることが出てくる。
全体の中で、弱い部分、強い部分も見えてくる。
なるほど。

自分の班は最後。
人の班の稽古を観ていると緊張感が増えて行ったのだけれど。
ある時点で、それも抜けていった。
まぁ、なるようになるし、準備はしてある。
ややこしい、細かい演出も、稽古でしか獲得できなかったものも、ある。
それをいつもより良く見せようと思ったって、それは難しい。
いつもの稽古通りにやる。
ここまでくれば、まぁ、それだけだな・・・という感覚。

配った台本を見ながら、時々台本から目を離して芝居を観るスタッフさん。
自分の班の後半で、音楽のトオルさんも照明の河上さんも、台本から目を離しているのを観る。
じぃっと、芝居や表情を観ている。
それだけで、充分な満足。
魅力的な役者の表情が出ているシーンだったから、より嬉しい。

通しが終わって、軽くミーティング。
音楽について、照明について。
基本的にはお任せだけれど、まるで何もないわけでもない。
基本的には、こんな感じでというのだけお願いしてみる。
けれど、そのお願いの範囲を超えても、越えなくても良い。
すでに信頼しているスタッフワークなのだから。

そのまま5月公演のDMを製作。
手を動かしながらの、ミーティング。
久々に大勢集まると、まぁ、とても賑やかだ。
ミーティングで伝えるべきことは伝わっていたのか。
ちょっとわからないけれど、まぁ、仕方がない。
やけに急いでいるメンバーがいると思ったら、DM作業を早めに終わらせたくて仕方がない様子。
気付けば、ミーティングそっちのけで、掃除まで始めている。
スタッフさんが待っているから、酒席に行きたいのかと、笑ってしまう。

早めに切り上げて、飲み屋に。
作品について、スタッフさんに確認したいことを聞いておく。
もうこの辺は伝わらなくてもいいやと思っていたことも、ずばずばと見抜かれている。
ああ、こういう細かい部分まで伝わっているのか・・・と安心する。
もちろん、怖いのは怖い。
吉田トオルさんが、作品のテーマそのものを下敷きに、音楽の話を始める。
わあ、わあ、わあ。と心の中がざわつく。
テーマなんて伝えていないのに、もうそれが当たり前に出てくる。
そう、この感覚は、そういえばショートフィルムの「オクリビ」以来かもしれない。
自分で書いた作品に音を付けてもらうのなんて、それ以来なのだから。

演出で、こうなると嬉しいと言ってあったラスト。
その演出を聞いていたかのような、照明の河上さんの一言。
これも、嬉しかった。

まぁ、それで一安心とはならないのだけれど。
長く付き合っている、スタッフさんの洞察力。
完全なお客様の視点とはやっぱり違う。
お客様の感想は、きっと、また別のものになるのだから。
それでも、だいぶ、大きな力を頂いた。
まだ少し怖い部分はあるから、おごらないで済むと考えればいいか。

飲みの席に現れた飛び入りゲストとの話。
まるっきり、20周年そのものの馬鹿話だった。
それも盛り上がって、気付けばいつもよりも長く長く飲んでいた。

帰りの電車で、急速に眠くなって目を閉じた。
目を閉じた瞬間から、今日演じた役者の自分が出てきた。
自分の芝居をそういえばまともに振り返っていなかったと気付く。
寝ているのか起きているのかわからない半覚醒の中。
ゆっくりと、相手役の、あの目を思い出していた。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:36| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする