2018年03月07日

下北沢駅舎改修

街は生きている。
毎日同じ場所にいれば気付かないけれど、あらゆる場所で工事が続いている。
特に今、都内では、五輪に向けて、急ピッチで区画整理が進んでいる。
渋谷も大きく生まれ変わるし、競技場の建設も続いている。
ここ最近、小田急線のCMが流れているのだけれど。
実は、小田急線も大きく生まれ変わろうとしている。
特に大きく変わるのが、下北沢駅周辺だ。

「シモキタから世界へ」というキャッチコピーで「セブンガールズ」の映画化を目指した。
そのシモキタこと、下北沢が、どんどん風景を変えていっている。
まだ自分がバンドをしていた頃、通っていたスタジオに、区画整理反対集会のビラがあったぐらいだから・・・。
思えば、もうかれこれ、長い事続いている。
確かあの頃は、駅のそばを国道が走る計画だったような気がするけれど・・・。
今は、駅の改修工事が進んでいる。

小田急線が工事を始めて、去年末から今年にかけて大きな変化が続いた。
去年の10月に、新しい改札の南西口が開いた。
そしてつい先日の雛祭の日に、小田急線の複々線化が完成した。
東北沢から世田谷代田まで、地下鉄化をして、ついにその地下鉄のトンネルが増えたことになる。
かつて、地上にあった頃は、電車が追い越すために、東北沢で散々通過待ちしたものだけれど。
地下鉄化して、更に複々線化したことで、かなり全体のダイヤがスムーズになるはずだ。
来週末の17日に、小田急線は新ダイヤでの運行に切り替わることになる。

ここまで書くとなんの問題もなさそうなものだけれど、実は、それに付随して困ったことがある。
地下鉄化したことによって、各駅舎が建て替え工事に入っている。
今月の後半に、今、利用されている仮南口が、閉鎖になるのだ。
なぜ、これが問題かというと、この通称「南口」こそ、観劇の入口とも言える改札だからだ。
通常、演劇のチラシはチケット発売日の前には印刷をして配布される。
南口の封鎖される日程が発表されたときにはすでにチラシの印刷をしている団体も多いはずだ。
そして、そのチラシには、駅から劇場までの地図を掲載してある。
南口がなくなった後、その地図だと、混乱してしまう場合がある。
しかも、おいらたちの5月公演は、南口の目の前・・・駅前劇場の隣のOFFOFFシアター。
ほんの少しのボタンの掛け違いで、うちだって、そういう地図の載ったチラシを創ってた。

混乱するのは、南口がなくなると、駅前劇場に一番近い改札が「仮北口」になることだ。
チラシに南口と書いてあったら、さすがに北になんか行くわけがない。
その上、新しい改札の「南西口」に出てしまうと、まったくどうやったら劇場に行けるかわからないのだ。
南西口はメインストリートじゃないし、降りた瞬間、慣れない人はどこだかわからないはずだ。
それに、いくら駅前劇場という名前でも改札が変われば徒歩一分とはいかない。
仮北口からだって、最低2分はかかるだろう。
京王線を利用した場合、南西口までの駅内の移動だけで2分かかるだろう。
さんざん遠回りして、結局、どこに出ているのかわからないなんてことが起きかねない。
一番近い、仮北口に出たところで、細い通路を通らないと劇場に出ることが出来ない。
まったく、今までと景観が違うから、慣れていない人は大変な目に合うかもしれない。
なんとか、仮北口に出れば、4月から下北沢案内所が出来るらしいけれど・・・時間はかかる。

5月公演の準備をする中で、劇場さんにも変わると聞いていたから詳細に調べはしたけれど。
宣伝媒体の地図を1から作り直さなくちゃいけないし、これは大変だぞと思った。
それに、これはまだまだ仮の段階。
仮北口が、閉鎖になる可能性だって、ゼロじゃない。
完成すれば、今度は一番近い改札は「東口」になるっていうんだから、もう混乱してしまう。
いや、京王線の場合は一番近いのは「中央口」だ!なんて情報もあるか・・・。
小田急線と京王線の乗り換えは、完成すると改札を通ることになるのだ。
(その上、今、鉄板で囲われているあの線路のあった敷地が駅前広場になるだなんて!)
お客様に、DMやチケットの小さな地図でどれだけわかりやすく記載できるだろう・・・。

おいらが強烈に記憶している下北沢の駅舎は全然違った。
中央改札があって、なぜか、別会社の私鉄なのに、京王も小田急も両方入れる改札だった。
改札を右に行けば北口、左に出れば南口。南口駅前には、駅前劇場。
駅の中は込み入っていて、普通に階段を下りれば小田急のホームで、京王線のホームまでは長い通路を歩いた。
まぁ、汚い駅だったのは間違いがない。
待ち時間も酷かったし、小田急と京王の繋ぎも、階段だらけの効率が悪い繋がりだった。
よくバンドリハを朝までやって、呑んだ後に、反対側のホームを覗くと、相棒がベンチで寝ていたな。
もう、あの駅はどこにもない。
闇市から続いていたあの駅前のマーケットも姿を消しつつある。

気付いているといいなぁ。
特に4~5月に舞台を観に行くお客様たち。
南口はなくなるけれど、新北口を目指すのですよ!
南西口に出てしまうと、遠回りだし、迷うかもしれませんよ!
東口が出来るまでは、駅前劇場は駅前ではないですよ!

街は生きている。
どんどん風景を変える。
生活圏内ならあっという間に慣れるし、大きな変化に気付かないこともあるけれど。
観劇だって、ライブに行くのだって。
そういう特別な日に行くような場所の風景が変われば、戸惑うことになる。
便利になるけれど。
便利が全て良いわけではない。
変化は受け入れざるを得ないけれど。

村上春樹さんのデビュー作「風の歌を聴け」が、記憶の街をテーマにした作品だったことを思い出した。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:36| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする