2018年02月19日

場を見る

稽古日。
速めに行って前の班が本読み稽古をしている間に、稽古場にビニールテープを貼る。
俗に、「バミる。」という。
場を見るという語源だとか言うけれど、本当なんだろうか?
稽古場に、本番のステージの大きさがわかるように、貼っていく。
巻き尺を伸ばして、尺貫法で測って、なるべく正確に線を引く。
出はけ口には、マークを付けて、登場できる入口までわかりやすいようにしておく。

とは言え、床にテープを貼っただけだから、二次元でしかない。
実際には柱や壁や天井やパネルがあるし、床が平らかどうかだってわからない。
或いは、椅子や机やたんすなどの大道具が置いてある場合だってある。
舞台は実際には三次元なのだから、そこは創造力や仮の箱を置いて想像力で埋めるしかない。

今まで打ち合わせを重ねていた班もいよいよ稽古が始まった。
本読みから、解釈説明。
なんというか、ついに、3作品出揃った感がある。
なんとか、今週中には概要の発表まで行きそうな気配だ。

バミリをしていたから、自分の班では、頭のシーンから絵を決めておく。
仮で創っておいた動きで対応できる個所もあるから早い。
早いけれど、時間はどんどん過ぎていく。
集中しながら観ていたり、観ているようで頭の中で考えていたり。
ただ、確実に良くなっていっているという実感がある。
客観で感じる、良くなった感じと、演じている役者の主観の感覚にはズレがある。
違和感を失くしてしまえば劇的ではなくなるし、違和感だらけでは自然にならない。
感覚的なズレは、劇的と自然の闘いなのかもしれない。

最後の班、バミリはそのままにしておいたのだけれど、稽古の途中から活躍し始める。
組み立てていたミニチュアモデルまで持ち出して、動きを付けることをしだした。
実際に劇場の大きさを意識しながら、動くと、やっぱり役者は火が付く。
観ていて、何人か、確実にそれまでの稽古と動きが変わっていった。
舞台を想像しながら稽古をするから、創造的な刺激を受けながらの稽古になる。
本番を意識した稽古は、何よりも役者のテンションを上げていく。

稽古終わりに、情報を送信して、まとめる。
あと1つ2つ情報が集まれば詳細を発表できるだろう。

稽古の終わりに、ビニールテープをはがしていく。
バミりをはがすまでが稽古だ。
プリセットまでが稽古だ。
あっという間にただの床になる。

仮の印。
嘘のセット。
稽古は芝居は、それを本物にしていく。
だから、はがした瞬間、何かが足りないような感覚を覚える。
脳内で、すでにそこに壁を創っていた自分に気付く瞬間だ。

3班あるうちの別の班の人間が、バミリを覚えるようにしていた。
来週からは、どの班も、実寸での演出に入っていくだろう。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:19| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする