久々に画像加工の1日。
先日、見学した次回公演の劇場の写真を加工してみる。
とにかく、ビジュアルで理解できるものがないと、提案にもならない。
セブンガールズの最初のロケ候補地に美術スタッフさんと行った時に写真を撮影していた。
後日、美術イメージを持ってきてくださったときに、そのあまりにも素晴らしいイメージに驚いた。
これは、どうやって作ったんだろう・・・?と想像して、感動していた。
ロケ地で撮影した写真に、多くの、建具や家具の写真を合成して、彩色して、完成させていた筈だ。
どうやってイメージを作成したのかは聞かなかったけれど、その技術に舌を巻いた。
流石に、あのレベルまでPhotoshopを使いこなすことは出来ないけれど…。
でも、大体、どんなことをやっているのかは、想像できる範囲がある。
次回は企画公演だから、予算枠的にも自分たちで美術のあるレベルまではやらなくてはいけない。
・・・とは言え、監督がOKを出すには、図面やイメージ、模型などで説明が必要で。
そのイメージ画像を、ひょっとしたら作れるんじゃないかと思っていた。
以前の企画公演では、素舞台に床、黒幕での仕切りという、最低限のセットにしていた。
けれど、監督から、ちゃんと美術を組まないとダメじゃないか?という言葉があって。
やれる限度はあるものの、創られたものをきちんと考えるようにした。
建て込みの時間だって、そこまで多くとれるわけではない。
それでも、あのパンパン小屋を自分たちで組み上げた仲間が揃っている。
シンプルで、けれど何もしていないような感じではないものを、ちゃんと考えようとなった。
劇場見学の際に撮影した写真を土台にして、舞台を組んでいく。
それはまるで、仮想で大道具を仕込むことと同じ作業だった。
幕の画像を幕を張る場所に重ねていったり、床を貼ってみたり。
奥に設置するものから順番に重ねていくと、どんどんイメージ通りになっていく。
最後にいくつかの道具と、役者の画像を重ねた。
出来上がった画像は、ノイズを加えて、奥行きを感じるように、ピントを決めて周りのぼかしを自然に加えた。
こういう作業はしたことがなかったけど。
思ったよりも、実際に舞台で撮影した写真みたいになった。
素人でもここまで出来てしまうのだから、画像加工の世界はすごい進歩をしている。
どんな美術なのかイメージするには十分なレベルまで、一応、追い込むことが出来た。
カラーコレクションやタイトルなどを覗けば、セブンガールズはほぼほぼ加工をしていない。
今は、CGもあるし、動画でも、様々な加工技術がある。
自動的に検出して、女性の肌の色だけ綺麗にするようなことも出来る。
凄い時代になったものだなぁと思う。
こんな時代でも、平然と写真週刊誌が白黒写真で、激写!なんてやってるのが信じられない。
あんなものは、素人にだって簡単に合成して作れてしまう。
そうなると、何が本当で、何が嘘なのかもわからなくなる。
いつか、加工した写真を間違えて掲載してしまって、ネットの住民がそれを暴くなんて日が来そうだ。
海外のモデルの写真では、加工を暴くのがブームになっていて、よくニュースになっている。
笑っちゃうのは、女性モデルの足が3本あるような写真までみつかっていて。
とっても自然に足が3本あることに、ちょっと、驚いたりする。
頭の中のイメージを人に伝える。
その為に、表現がある。
写真、彫刻、絵、文章、図面、演劇、映画、音楽。
デジタルはその表現の幅を広げる道具だ。
ただの記録である舞台の写真が、まるでセットを組んだ舞台の写真のように生まれ変わる。
道具は、どんどん便利になって言ってる。
画像加工なんて・・・と思うかもしれないけれど。
やったことのある人は知っているはずだ。
これはこれで、とても、クリエイティブな作業だ。
ちゃんと習って、仕事としてやっている人は、もっとクリエイティブなんだろう。
そういう頭を使えたのは、なんとなくよかった。
きっと、稽古場で、クリエイティブな作業をすることにも繋がるような気がしている。
隅から隅まで創造的。
それこそ、舞台なのだ。