2018年01月27日

ハッシュ

アナログの世界から、次々にデジタル化していく時代をリアルタイムに生きてきて。
それは、とっても、意味があることだなぁと思っている。
デジタルの世界が、むしろ、アナログに近づくことを目指している面白さとか。
様々な過去のアーカイブが、デジタル化することで、保存されていくこととか。
そういうことを、目の当たりにしてきた。
そして、次の世代は、デジタルが当たり前の世代で。
そういう人たちに、何を表現していくのかということは、大きなテーマになっていくと予感している。
人間が肉体を駆使して表現する俳優は、まさにアナログの塊のような存在で。
きっと、この時代に生かされているのであれば、この時代に解っていくことがあるのだろうと思う。

ハッシュという言葉がある。
ハッシュポテトとかで使うあのハッシュだ。ハッシュドビーフとかね。
デジタルの世界では、実はとっても古い起源のある言葉だ。
いわゆる、細切れにするという意味だ。
時に、デジタルの世界では、データを細切れにすることで、整理をつけていく。
恐らくは、人間の脳内での記憶の管理でも、細切れというのはされていると思う。
大きすぎるサイズでは、検索にも時間がかかるし、細かく分断することで、要素ごとの管理も出来る。
データをハッシュにすることで、キーワードが出来上がっていく。
ハッシュ関数というのが、昔からOSなどには搭載されていて、アクセスを容易にしている。

今、一番有名なハッシュは?と聞かれたら、ハッシュタグじゃないだろうか?
Twitterや、Instagramでは、お馴染みのシャープ記号から始まるワードだ。
検索をする時は、単語でするわけだけれど。
それを管理するために、最初から、タグをつけておいて、ワードを指定しておくという事だ。
各SNSでは、ハッシュタグから直接のリンクを実装して、今では、そのハッシュタグのフォローまで出来るようになった。
Instagramで、「赤ちゃん」というタグをフォローすれば、赤ちゃん写真が自然と表示される。
自分の大好きなアニメがあれば、そのタイトルをフォローしておくことで最新の情報をみつけられる。
データの持ち方としては起源が古いものだけれど、それを使いやすくわかりやすくしている。
情報の拡散も、情報の集積も、フォロワーの増加も、全てに活用できるデータの扱い方だ。

今は意図的に、ハッシュタグをつけるというやり方だけれど。
そもそもは、データベース側が、ハッシュ情報を判別していくという方法だったと思う。
全ての情報が細切れにされて管理されていく。
カテゴライズされて、整理されて、人間とは違う判断基準で色分けされていく。
劇団名を入れたら、多くの感想を自動的に集めて、どんな劇団かまで表示される。
そういうことぐらいなら、たぶん、技術的にも不可能じゃない筈で。
未来は、そういうコンピュータの判断で、何を観劇するのか決める人が出る可能性もあるわけで。
ある意味では、Amazonの広告なんかは、そういうことを既に自動的にやっていて。
あなたは、これが好きでしょう?と、自動的に広告が表示されているわけだから。
自分の判断基準までカテゴライズされているような未来が待っているのかもしれない。

実際に、ドラマのタイトルも、逃げ恥が大ブームになってしばらくは、略しやすいタイトルばかりになった。
カテゴライズされやすい、ハッシュタグにしやすいタイトルにすることで、ブームを呼び込もうとした。
検索サイトやSNSのデータ管理方法はどんなにアルゴリズムを更新したって、根本は同じ。
データの細切れは、わりと基礎中の基礎だから、効果的なはずだ。

昔、歌番組に出ない!という、シンガーソングライターがたくさんいた時代がある。
理由は、フルコーラス歌わせてくれないからというアーティストが多かった。
つまり、自分の楽曲は曲単位で創っているものであり、一部だけ放送するものではないという強烈な主張。
表現をしている人たちは、実際に、そういう感覚がある。
芝居の一部分をピックアップして評価されたりすれば、それはちょっと違うよとなる。
その前の芝居があって、その後に待つ芝居があって、相手役がいて、シチュエーションがある。
一部分を切り取られてしまうというのは、自分の表現に対する侮辱だと感じる。
それは、とっても理解できる。

それでも、今は、例えば政治家の発言の一部分だけを切り取って、平然と大手新聞社が報道をする。
前後の文脈などまるで意味がないかのように、細切れにしていく。
それをきちんと覚悟した方がいい。
セブンガールズだって、どんな風に切り取られるのかは、わからないと、理解しないといけない。

切り刻まれるのだ。
細切れにされるのだ。

だとすれば、ディティールを詰めていくしかない。
どの一瞬を切り取っても、作品だよといえるよにしなくてはいけない。
そこをさぼってしまうと、今の時代は、評価は二転三転してしまう。

さもなくば、評価など一切、気にしないことだ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 19:11| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする