技術革新の凄さに驚くのももう慣れてきたのだけれど。
結局、技術の革新の行き先がエモーショナルな方向に進むのは、とっても面白いと思う。
スマフォのカメラだけを見ても、それまでの方向性から大きく変わってきた。
画素数がどんどん増えていった時代は過ぎて、1画素当たりの表現力に変わっていたりして。
デジタルな感じに突き進むようで、実は、どんどんアナログな感じに戻っている。
こういうのって面白いなぁと思う。
特に最近の話題はAIなわけだけれど。
人工知能も、ただの状況判断から、今や、エモーショナルな方向に進み始めている。
むしろ状況判断に関しては、頭打ちというか、行くところまで行った感じすら漂っている。
あとは、判断スピードや正確性をどれだけあげるかという感じで・・・。
なにせ、自動運転の自動車の本格導入が検討されるぐらいになっているのだから。
AIが発達すると人類が滅ぶという科学者がいる。
いずれ、人類がAIにとって代わられてもおかしくないという予測で。
そんなSFめいたことが本当にあるのだろうか?と日本にいるといぶかしんでしまうけれど・・・。
実は、それも、日本ではあまり報道されないだけで現実感のある話だったりもする。
最近、テレビでもなんでも、ドローン撮影をバラエティなんかでもやったりしているけれど。
ドローンにしても、AIにしても、日本にいれば、便利になったり今まで出来なかったことが出来ることばかり注目する。
でも、実際には、科学技術の最先端というのは、実は文化的側面じゃなくて、軍事的側面でこそ活用されている。
数年前にイスラエルの、最新兵器見本市の映像を監督が観て、教えてもらったことがあったのだけれど。
無人の戦闘機がいまや、普通に売りに出されていたって驚いていて。
それで、自分でも調べてみたりしたのだけれど。
あれが、もう数年前なのだから、実は今、とんでもないことになっている。
実際にアメリカ空軍では、ドローン兵器が既に導入されている。
無人で空を飛び、AIによる自動操縦をされる。
数億ドルかかる航空兵器に比べて、圧倒的なコストパフォーマンスであり。
かつ、運転者がいないため、実質、攻撃側の人的被害を抑えることが出来る。
機械が自動判断で、一個小隊を銃撃して帰還するなんてことが出来る時代が来ている。
無線操縦であれば、無線基地からの距離や、ハッキングの恐れもあるけれど、AIだとそれも変わる。
レーダーを備えて、自動運転で相手の攻撃を避けるし、エネルギーが減れば帰還するように設定されている。
まるで、鉄腕アトムの世界のようだけれど、嘘でも夢でも未来でもなく、現実にいま、そういう兵器がある。
これは、ころっと、世界を変えてしまう可能性もある。
圧倒的軍事大国を、AIの性能が、技術的に上回ることもあり得るという事で。
それが実現したら、世界は再び大混乱に陥る。
AIが、自我を持ったら・・・という想定は、こういう兵器があれば現実的にも思える。
でも面白いことに。
イギリスでは、対ドローン用のイヌワシがいるらしい。
ドローンによるテロや、情報活動を、イヌワシが攻撃して防いでいるのだそうだ。
すでにかなりの数のドローンを撃墜しているとか。
AIが発達しても、ドローンが発達しても、猛禽類にはなかなか及ばないというのもなんともおかしい。
結局、だからこそ、技術はエモーショナルな方向に行くのだと思う。
鳥の持つ知能と、感情。飛行能力。状況判断。
技術があっという間に越えそうで、越えられない何かをきっと持っている。
きっと、人の持つ発想力、想像力、創造力、そして感情は、全てにおいて鍵を握る。
文化的側面が、軍事的側面の発展をどこかで食い止めるんじゃないかと、淡い期待をしている。
AIが小説を書くとか、漫才を創るとか、映像編集するとか。
ここへきて、そういう報道も見かけるけれど・・・。
その作品を、良い悪いと判断できるAIなんかは、実はどこにも存在していない。
人工知能にとって「嘘をつく」ことがとてもハードルが高いことだと言われているけれど。
だとすれば、人工知能が「演じる」ことは、まだまだ到達できない領域なんじゃないだろうか。
いずれ、自分の頭の中で思い描いたことを、より手軽に表現できるようになっていく。
感情表現も、今よりも多彩になっていく。
ダイナマイトを発明したノーベルさんは、その膨大な資金で平和賞を創立した。
なんだか、そういうことに似ている。
時間は後戻りできないのだから、技術発展、革新は、これからも続いていく。
人が介在しないような戦争もどこかで起きるかもしれない。
でも、きっと、その中で。
映画も舞台も、プロスポーツも、文化全てが。
同じように進化して、軍事とは反対側への表現も進化していってくれると思っている。
そこに、表現をする人がいる限り。