2017年12月16日

サウンドトラック第一稿

映画「セブンガールズ」のサウンドトラックの第一稿が音楽監督の吉田トオルさんから届いた。
映画のサントラって、20代の前半ぐらいに、好きで何度も聞いた。
でも、実際に発売されているサントラは有名作品ばかりで、売っていないサントラもたくさんあった。
この「セブンガールズ」は企画段階で、クラウドファンディングのリターンでサントラプレゼントの設定があった。
だから、これはその限られた人へのリターンとして製作している音源だ。

夜に届いたので、すぐに聞こうかなと思っていたけれど。
それに気づいた時、疲労があると感じていて。
あまり、今、ヘッドフォンを耳にかけるのは良くないなと思い。
一旦眠って、朝になって、フレッシュな状態でダウンロードした。
何点か確認してほしいと書かれている部分もあるけれど、それも、一旦読まないでおく。
まず、何もなく、聴く方が良いと思った。

アプリケーションの再生設定を確認する。
曲間は0秒、クロスフェードもなし。
それから、一応、イコライザーもオフにする。
サントラは、アルバム自体が組曲としてプログラムされているから余計な再生設定を外す。
フラットにした状態で、ヘッドフォンに繋げて、音源を聞いた。
思えばオーディオインターフェースを繋げてそこからヘッドフォンにするべきだった。
PCのヘッドフォン端子だと、最近のPCは優れているとは言え、多少音質は下がる。
気持ちが逸って、すぐに聴きたい気持ちで、そこまで気が回らなかった。
朝だから、フレッシュな耳で聴ける!その一点で、すぐにヘッドフォンを直刺しした。

一瞬で映画の世界に入っていく。
ヘッドフォンを耳にかけて目をつぶる。
曲がかかれば、全てのシーンが頭の中で現れてきた。
映像がない音楽を聴いていると、音楽監督の映画やそのシーンの解釈まで解ってくる気がする。
細かい部分まで作り込んでいることもわかる。
音色の数だけでも、一体、いくつあるだろう?
曲数も尋常ではない。

サントラとは、いわゆる、映画音楽の劇伴曲を集めたものなのかもしれない。
けれど、別の見方をすれば、音楽だけで、映画世界を表現している音源とも言える。
劇があって、映像があって、その効果として音を足していくというのが本来だけれど。
サントラというアルバムは、音楽だけで、作品世界を表現しているという逆転現象が起きている。
それが逆に心地よいし、美しい。豊かな想像力を喚起させる。
そんな幸せな数十分を過ごした。

聴き終わってから、確認してほしいと書かれている文章を読んでみる。
ああ、なるほど・・・。
普通に感動しているから、すぐに回答しようと思っていたのに詰まる。
むしろ、クラウドファンディングのリターンだけではなくて、プレスして販売したほうがいいぐらいに思っているのに。
何を言えるというのか。
でも、トオルさんは、必ず、どんな音源を送ってきても、フィードバックを希望する。
ちゃんと向き合わないといけないのだ。

一度、心を落ち着けて。
さて、音を流しながらメールをしよう。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 12:34| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月15日

線をひく

劇団員の連続ドラマレギュラー出演が発表された。
来年1月から。
これも、セブンガールズの流れで生まれたものの一つだと思う。
こうやって、一つ一つ、流れが出来ていくと良い。
何かにチャレンジしても、何も生まれないことだってあるのは知っているけれど。
何かにチャレンジしなければ、そもそも何も生まれないことも良く知っている。
自分たちで成し遂げたことは、きっと、拡がるのだと信じる。
そういう中で、こんなに嬉しいニュースはない。
どんどん、ニュースが続くと良いなぁ。

昨日までよりも作業量は少ない。
直しだけだから。
ささっと手を入れて納品する。
慣れたものだ。

自分でやっておきたい作業があって、それは意地で稽古の次の日の月曜にはやっておいたけれど。
それをもう一度、手を入れていきたいと思っていて。
少し忙しいぐらいでは、めげないぐらいに、挑戦する。
過去が今に繋がっているように。
今は未来に繋がっていると信じるしかない。
何も生まれないかもしれないけれど、何かが生まれる可能性は出来る。

今週には次回公演の稽古が本格的に始まる。
客演で参加できなかったメンバーも稽古場に帰ってくる。
どういう稽古になるのか今から楽しみだ。
本番まで時間があるから、詳細発表は急いでいないけれど。
稽古は、前倒しでどんどんやっていく方が良いと思っている。
もう、やることがないな・・・なんて稽古は、実は出来ない。
飽きるまでやっても、どこか足りないところが見えてくる。
そういう所まで稽古できたらいいなぁと思っているのだけれど。

ダンスや楽器だと、同じ曲を繰り返し稽古していく。
一年稽古をしても、たった5分の曲を自分の物にしたと思えないことは普通のことだ。
演じているという感覚を抜け出して、自分そのものになるのには、何十年もかかることだってある。
芝居の稽古だって突き詰めれば、一つのセリフを演じるのに何十年だって稽古できる。
落語の演目を見れば、それはすぐにわかるはずだ。
もちろん、そんな時間はいつもないけれど。

予定では、冬から春にかけて、映画上映をしたいと考えている。
その上での上演計画だ。
だから、次の公演は映画上映の直後か、或いは直前になるだろう。
それもふまえて、更に、20周年を迎える10月をふまえての公演計画を立てた。
全てが一本の線になって、全てが未来に向かっていく。
そういう思いがある。

セブンガールズがなければ生まれなかったような企画も。
セブンガールズがなければ生まれなかったような流れも。
どんどん生まれていけばいい。
それはきっと「昨日まで」と「明日から」の間にある永遠の壁にタッチするような行為だ。

自分のできる事。
その範囲は、たぶん、すごく広がっている。
自分が想像している以上に。
キャパシティも、テクニカルでも、視点でも。
より深く。
より面白い人間になっていると信じている。

これから、始まるのだ。
これから!
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:21| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月14日

偉大な骨組

小学校の国語の時間に確か、最初に起承転結という言葉を習った。
いわゆる物語を創作する際の基本のようなもので。
物語が始まり、状況が分かり、物語が動き、結末に続く。
そういう4部構成をさす。
漢詩の構成からと聞いたことがある。

実は日本には、もう一つ、同じような言葉がある。
序破急と言われる。
序章があって、秩序が破れて、急展開する。
どちらかと言えば、和楽などの音楽の世界の構成らしい。
世界が、はじまりと終わりでまるで変ってしまう流れだ。

面白いなぁと思うのは、小説では起承転結が多いのだけれど。
映像では、実は序破急が多いことだ。
ハリウッドのあるアメリカでは、シナリオ研究が盛んなのだけれど。
シナリオの神様みたいな人が、三部構成の伝説的な教本を書いているらしい。
そうやって見ると、ハリウッド映画の三部構成はすぐに思いつくんじゃないだろうか?
アメリカンヒーローものだって、スペースオペラだって、三部構成を軸にしている。

もちろん、映画には、物語の希薄なものもあるし、ドキュメンタリーもある。
だから、全ての作品がこれに倣っているわけではないけれど。
ただ、基本がある。
そして、基本が、作品を安定させるし、わかりやすくする。
少年がいじめられて始まる物語のラストは、やはり、こうでなきゃいけないというのがあるのだ。

セブンガールズは起承転結とは少し違う。
どちらかと言えば、序破急に近い。
実は、監督の描く作品群の中では珍しい。
監督が書く台本は、起承転結が、骨組みとしてしっかり組み込まれている。
物語の骨格をしっかりして、その中で、自由にあちこちに飛ぶ。
骨格がしっかりしているからこそ、好きなように様々な場所に展開できる。

おいらは、物語を運ぶ役割を演じることが最近増えていて。
とても、構造に近い場所で芝居をしているなぁと感じているのだけれど。
監督が、ここ数年、物語の構造を役者に説明することも増えてきた。
その中で、起承転結の話もたびたび出てくるようになった。
スピード感をそこから変えていかなくちゃいけない場合など、演出で口にするのだ。
それは、運ぶ役割の役者一人じゃどうにもならない。
出演者全員が、展開を知っていて、流れを理解した時に生まれるパワーを求めているのだと思う。

エピソードに力を入れすぎて、全体の構造を忘れてしまうとバランスを失う。
なんの話だか、観客側に伝わりづらくなる。
そういうことが、起きるのは、実はよくある話。
役者は、その役の主観を生きているから、どうしても目の前のエピソードに力を入れてしまう。
でも結果、全体の構造では、あくまでもエピソードに過ぎない。
クライマックスの前に、クライマックス的なことをしてしまうと、淀みが出来る。
だから、主観を生きる役者も、構造を知っていくことは大事なことだ。

どういう展開になるか、まったく予想もつかないのに。
後から思えば、しっかりと、骨組みがあった。
そういう作品に出会うと、嬉しくなる。
最初のシーンから最後のシーンまで、全てが頭の中で繋がっていく。

恐らく、人間が発明して、長く続くシステムだ。
それこそ、漢詩からなのだから。
普遍的なものなんて信じないけれど。
進化し続けながら、それでも、偉大な力を今も持っている。

感情を揺さぶるような作品には理由が必ずあるのだ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:36| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする