2017年11月18日

年輪

学者の特に理数系の人は、痩せている人が多い。
学者は極度に脳を使用しているかららしい。
実は、人間の体でもっともカロリー消費をするのは脳なのだという。
頭脳をフル回転させ続ければ、それだけ疲れる。
だから、例えば将棋の棋士は対局中に糖分の接種をする。
甘いものを食べないと、十数手先まで読むことは出来ないのだそうだ。

ダイエットのカロリー消費というと、基本的に運動での消費を指示されるはずだ。
だから、なんとなく体の方がカロリーを消費するように思える。
けれど、例えばPCで一番電力を使用するのがCPUであるように。
人間の全ての行動・・・運動も含めて・・・をつかさどる脳こそ、カロリーを使用する。
学者で、炭水化物ダイエットをするような人は恐らく現れない。
糖質があるからこそ、頭脳労働が出来る。
もちろん、それで痩せているからって、全然健康だというわけではないけれど。
逆に、不健康なのかもしれない。
少なくても、そんな生物は、人間しかいないわけで、生物的には不自然なはずだ。
運動でカロリー消費することがもっとも健康的なのは間違いない。
健康そうな学者って、あまり想像も出来ない。

人がキャラクターを身につけるというのは、つまり、体格にまで現れるという事だ。
年輪を重ねていくうちに、職業や性格が、肉体に、顔に現れる。
衣装や小道具で、いかに飾ろうとも、演技だけでは到達できない時間がある。
芝居なんて嘘と言えば、嘘なわけで、そこまで追求することも実はあまりない。
最近では刑事なのに前髪をたらしたり、ヒールを履いているし。
そもそも、美男美女ばかりのオフィスなんて、どこにもありはしない。
とは言え、やはり、醸し出す空気感であるとか、表情であるとか。
演技でも到達できる部分もやっぱりあるんだよなぁと思う。

学校の教師をやっている人は、年を取るとすごくわかりやすい。
基本的に人前に立ち続けていたから若々しいし、声も大きい。
演じるとき、キャラクターを自分に落とし込むとしたら、そういうわかりやすい所からになる。

演じるというのは他者になることなのだとして。
世にいる人と乖離しすぎると、演じられる範囲がどんどん狭くなってしまう。
演じ続けてきた人も、やっぱり、どんどん役者っぽさを身につけていく。
こんな人どこにもいないよ!っていう役者は案外たくさんいて。
年齢を重ねるって言う事は、そういう難しさもあるんだよなぁと思う。
普通さを身につけていくという事が、実は一番難しいことだ。

自分の顔はどんな顔をしているだろうか?
まだ目立つほどじゃないけれど、これから皴も深くなるだろう。
その時、どの皴が深くなるのだろうか?
笑いじわ?眉間のしわ?
自分の生きてきた時間そのものが、皴になり、体格になり、表情になり、匂いになる。
その時、自分は、どんな芝居が出来るのだろう?
どこにでもいるような、凡庸さを、兼ね備えていたいなぁと願うけれど。

さて、ちょっと、糖分でもとろう。
頭の中がしゅわしゅわしてきた。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 15:36| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする