2017年10月31日

スーパースター

撮影風景.jpg
撮影風景
台風一過。木枯らし一号。
冷たい風が吹いた日。
去年のこの日は暖かかった。
なんだか、つい先日まで撮影していたのが嘘みたいに。
やけにのどかな日だった。

バラシはほぼ終了していたから、家具の解体などに入った。
廃棄する際に箱モノはかさばるから、余計な経費になってしまう。
一つ一つばらして、少しずつ片付けていった。
トラックが到着して、搬出が始まった。
車で来た役者は自分の荷物を積んでいった。
劇団倉庫行の道具や、小道具を積んでいった。
トラックに積載するとやることはなくなった。
最後に廃棄物をまとめて、昼過ぎに解散になった。

トラック班だけが作業になってしまったから連絡を取った。
全てが終わった時、「楽しかったな」ってメールが届いたことを覚えている。

初め、映画をやると口にした時。
なんのことだろう?とちょっと不思議な顔をした仲間もたくさんいた。
そこから始まって、撮影が終わった日、いつの間にか全員で走り続けていた。

クラウドファンディングを必死に宣伝してくれた仲間がいる。
廃業する旅館に電話してくれた仲間がいる。
旅館で家具の一つ一つを写真に収め、大きさを図った仲間がいる。
トラックを出して、その全てを積んで運んでくれた仲間がいる。
その荷物を置いておく場所を確保してくれた仲間がいる。
ロケ地を探してくれた仲間がいる。
小道具を集めてくれた仲間がいる。
小道具リストを作ってくれた仲間がいる。
トタンをもらってきてくれた仲間がいる。
柱になる木材をもらってきてくれた仲間がいる。
メイクチェンジのために、基礎的なメイクを学びに行ってくれた仲間がいる。
衣装のバランスを考えてくれた仲間がいる。
楽屋やスタッフルームの掃除をしてくれた仲間がいる。
布団や座布団を干してくれた仲間がいる。
もうやんカレーを手配してくれた仲間がいる。
大道具を作ってくれた仲間がいる。
細かい化粧をしてくれた仲間がいる。
最後まで一緒に残ってくれた仲間がいる。
仲間が落ち込んでいれば声をかけた仲間がいる。
雨に濡れないように、傘を差しだした仲間がいる。
コーヒーを持ってきてくれた仲間がいる。
トラックで全ての荷物を返しに行ってくれた仲間がいる。
毎日毎日、土地の神様の水を変えてくれた仲間がいる。
こっそり灰皿を片付けて、ごみを纏め続けた仲間がいる。
火の元をチェックし続けてくれた仲間がいる。
誰も特別な手柄を立てたわけではなく、誰もが何かをやってくれた。
誰か一人でも欠けたら、成立しなかった。

この映画にスターは出演していない。
そんな映画を誰が観るんだよなんて言われたこともあった。
見上げれば、星はいっぱい。
おいらたちは、見上げるだけだった。

星屑のような連中が。
星を見上げながら。
わたしはここにいる。
そう歌った。

おいらには、スーパースターだぜ。
映画の中の仲間たちは、スーパースターにしか見えないよ。
デニーロにも、デップにも、優作にだって負けやしない。
真のスーパースターが、そこにいる。

この写真を観れば、笑ってしまう。
こういう写真に写っている役者って、いっつもスターだったのに。
カメラにマイクに照明。セット。
その中に立っているのが仲間なんだぜ。
どんなもんだい。

何でも出来る。
やろうと言えば、なんだって出来る。

それがスーパースターだ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:17| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする