急に暑い。朝晩の寒暖差が激しくなったり、体調管理が難しい季節だ。
春は冬の名残で、少し寒かったりするけれど、秋は実際に暑い。
何を着ていけばいいのかもわからないし、結果、帰りに寒くなることも多い。
この暖かさも、週半ばまで続くとか。
ちょうど、自分のライブ本番の前後に、雨の日があって寒くなるようだ。
まぁ、秋の空に関しては、予想するのはとても難しいはずだけれど。
去年の今頃は、もう、毎日、週間天気予報をチェックしてた。
撮影期間に日中ずっと雨の日が何日かあるだけで、スケジュールが厳しくなるとわかっていたから。
その為に、宇宙の撮影でも平気なシーンも抽出して置いたりしたけれど。
実際の撮影で、振られた日もあったけれど、大きな影響が出なかったのは本当に良かった。
だから、なんとなく、この時期の天気の調子と言うのが頭に入っている。
秋というのは、劇団の旗揚げもあったし、その節目ごとに公演をしていることもある。
だから、なんとなく、本番が近い状態が、毎年続いた。
よく覚えているのが、良く借りた杉並の稽古場の入口に大きなキンモクセイがあって。
今はなくなったけれど、そこに灰皿が設置してあったものだから、毎年、そこのキンモクセイの香りに包まれたことだ。
記憶をつかさどる脳神経と、香りをつかさどる脳神経は近いなんて言うけれど。
秋になるとどこからかキンモクセイの香りが流れてきて、そのたびに、稽古を思い出す。
今、こうしている間も。
海外担当の方や配給担当の方がこの映画のことで動いている。
そのことをちゃんと頭の中に置いておかなくてはダメだ。
確かに、映像の世界は、舞台に比べて徹底的に分業制なのだけれど。
それぞれがそれぞれに、自分の仕事をしっかりやるというスタンスがまたすごいのだけれど。
そういうこととはまた、違う。
初長編監督作品で、有名な俳優が出演しているわけでもなく、宣伝費も心許ない。
そういう映画を、海外や国内で、宣伝しなくてはいけないという事。
それは、やっぱり、簡単なことではないし、心から感謝するべきことだ。
次から次へと人を巻き込んで。
初めは一人だけだったのに、どれだけ多くの人がこの映画に関わってくれただろう?
公開すれば、見てくださる方は、時間やお金を使ってくださるのだから。
そう考えれば、信じられないほど、広がりを既に見せているのだなぁと思う。
去年の今日。
男連中にとっては最後の練習日だった。
翌週には美術設営が待っていて、女優陣には稽古時間を創ったけれど。
設営が間に合わない可能性を考えて、男性陣には我慢してもらっていた。
トラックを出したり、片付けをやらなくちゃけなかったり。
時間がタイトだった。
その上、男性陣の出演シーンで、まだ演出が確定していないシーンもあった。
そんな中で、トイレの手配や、工機の手配までして、天気の心配までして。
今、振り返ると、まるで、自分はスーパーマンみたいだ。
それも全て、たくさんの人にお願いをした、責任からくる力だった。
一人で持てる力なわけがない。
さて、そろそろ出かけよう。
今日はバンドリハだ。
結局、練習ばかりしている。
それが、まるで、今自分に出来る責任かのように。