2017年10月02日

ネタ帳

稽古日。
先週、稽古が終わってからの参加だったけれど。
今週は芝居に触れ続けていた感覚が残っていて、すんなり参加する。

久々に監督の書いた台本。
例え練習用のテキストだとしても、言葉のリズムがやはりすぐに馴染んでくる。
細かい仕掛け、細かいリアクションを試したりするも、最初は空振りが続いた。
投げかけて、帰ってこなかったり、帰ってきたり。
どうやって紡いでいくか。
この辺がとても面白い。

稽古場に残っていた先に稽古をしているチームの劇団員も参加しなよと促す。
やばい、すごい楽しかった!と大きな声。
そう。基本はそこだよなと、改めて思う。
芝居を生業にしようが、なんだろうが、楽しめないと何も生まれない。

最後の最後になって、かすかな仕掛けでキャッチボールが成立し始める。
ちょっと嘘っぽく対応したり、あえて強めに強がってみたり、すかしてみたり。
細かい仕掛けだけど、相手役と、うまく意思の疎通が出来た。
細かすぎて、観ている人に見えているのかはわからないけれど。
多分、相手役は、色々してくるなぁって思っていたと思う。

今週の台本は先週の台本の続きがあった。
とりあえず、この台本はここで終了。
また次の稽古は、別のを書いてくるよと言っていた。
それは、なんというか、ありがたいし、同時に、すごい嬉しいことだ。
嬉しいだけじゃない。
それは、そのままアーカイブになる。
例えばいつかオムニバス公演を企画すれば、その台本をそのまま使える。
Youtubeやショートフィルムの製作をしようと思えば、シナリオに直すだけで済む。
或いは次回公演のことを考えるときに、あの時のあのショートを長編にしてほしい!と提案できる。
今週の台本も書こうと思えば続きを書けると実際に言っている。

今まで上演してきた作品ももちろんアーカイブの一つだ。
膨大な作品の数がある。
ただ、そのほとんどが劇団員の人数が変わったこともあって、改訂が絶対に必要だ。
そして、再演になれば、やはり前回のイメージとの戦いになる。
そういう意味では、まだ公開していないショートのアーカイブを持てることは大きい。
稽古用のテキストだから、この部分の稽古をしたいというクローズアップがあることにはあるけれど。
どんなに稽古用でも、どんなに短くても、そこにはやっぱり監督独自のリズムや、面白さがある。
それを稽古できるというのは、もう、財産だと言っていいんじゃないだろうか?

世の作家の中には、ネタ帳を書いている人もいる。
いつか、こんな話を書きたいと、ノートに簡単なプロットをまとめておくような作業だ。
そのノートを開けば、作品の構想がいくつも書いてある。そういうノートだ。
多作の作家ほど、思いついたネタを忘却しないように残しておく。
監督も、実は、毎日のように様々なアイデアが湧いている人なんだけど、どんどん忘れたりする。
それは、編集作業の休憩中のちょっとした会話でも、これ芝居にしたら面白いななんて出てくるからわかる。
でも、ネタ帳って言うのは、基本的に作家しか知らない秘中の秘になるわけで。
そのネタ元を、劇団内で共有できるというのは、大きな収穫になるはずだ。

ショートアーカイブ。
レッスン用テキスト。
この稽古のクオリティを上げていくことさえできれば、アーカイブを増やせるという事だ。
ある意味、毎週お題を出されて、役者が挑むという、戦いのような形になっちゃうけれど。
それが意味ある稽古になれば、自然と、財産が増えるという効果もでる。
そして、その中でも、一番面白いね!というショートが必ず生まれる。
ひょっとしたら、連作ショートなんかも生まれるかもしれない。

前回公演が終わって。
地道に色々な歴史的な台本を使って稽古を重ねて。
ようやく、監督に、短いテキストを頼んで。
こういう場所に立つことになるとは。
少しだけ速足だけれど、基礎の部分からどんどん劇団を結成するのと同じ道を歩いている。
0から。公演まで。
もう一度、繰り返しているのだと、振り返る。

無駄にしない。
血として、肉として。
もう一度、自分の中に落とし込む。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:34| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする