2017年09月10日

臨場

27時間テレビ中。
一方、ヴェネツィア国際映画祭のクロージングはたけしさんの映画。
昨晩は、何枚もたけしさんの映画とクロージングイベントの写真がSNSで見れた。
なんだか、日本とヴェネツィアに同時に存在しているようで面白い。
初の収録の27時間テレビだ。

フジテレビと言うと、おいらは、生番組のバラエティ番組のイメージだ。
笑っていいとも、夕焼けにゃんにゃん、オールナイトフジ。
自分が多感だった頃に、一番勢いがあったのがフジテレビだった。
昼と夕方に帯番組で生番組のバラエティをやっていて、土曜深夜に朝までの生番組があった。
今や、生放送も空前の灯になりつつある。
毎年生番組だった27時間テレビまで収録になったのだから。
ニュースとワイドショーとスポーツ中継だけが、生番組になったなぁと感じる。
バイキングって、ワイドショーだと思ってるから。

この方向性って少し不思議なことだなぁと思っている。
インターネット放送では、生番組って全然珍しくない。
ラジオ放送も、基本的に生放送が多い。
大手プロダクションは、チケット収入などの興行売り上げが50%を超えた。
テレビだけが、放送の中で収録が増えている感じがする。

色々な原因があると思う。
編集が以前よりも、早く細かく出来るようになったというのもあると思うし。
そもそも生放送で育ったスタッフさんが高齢化しているというのもあると思う。
下請けの製作会社に依頼しての番組が多いというのもあるだろうし・・・。
それに、現在は、コンプライアンス的なのとか放送倫理委員会だとか。
とても、生放送では対応できないような縛りが数多くなっていったというのもわかる。
とにかく、生放送では、問題が起きるのが普通だったりもするから。
前述した3番組でも、信じられないような事件が何度も起きているし・・・。

生のバラエティというのは、もうなくなっているんじゃないだろうか?
8時だよ!全員集合なんていうモンスター番組で育ったからとっても悲しいことだ。
地方放送ではまだあるんだろうけれど、少なくても、おいらは目にする環境にない。
生でしか生まれない臨場感が、だから、どうも足りないなぁと感じてしまう。
テレビに映っている放送なのだけれど、実際に今、同じ時間に起きていることというだけですごい臨場感だから。
今、話していることが、今、放送されているということが凄いなんて思う時期が来るなんて。

編集と言うのをやってみて、色々、物の見方が変わったけれど。
テレビ番組の見方も随分変わった。
実際、ワイプと呼ばれる映像に重ねる小さな窓に映るタレントの表情なんか一切信じなくなった。
いつどの場面で笑顔になった映像だって重ねられるんだから、あれは編集テクニックでしかない。
映画的な編集とは、全然、違うけれど、それでも基本は同じだから。

クリストファー・ノーラン監督のインタビューを読んだ。
観客は、大スクリーンで楽しめる臨場感を求めているという一節があった。
さすがだなぁと、思った。
物語や整合性であるとか、様々なことを気にしなくてはいけない中で。
まず、ここを見せるというものがはっきりとしている証拠だ。
収録編集した作品での臨場感を目指している。
どんなにフェイクドキュメンタリーを撮影したって、生の臨場感に勝つことは出来ないけれど。
編集した映像にしか持てない臨場感というものを目指すこともできるという証拠だ。

生番組をやらないというのは、なんというか、大きな武器を自分から捨てているんじゃないだろうか?
おいらは録画したスポーツ中継なんて絶対に観たくないのだけれど。
そういう臨場感を、捨ててしまっていいのだろうか?と思う。
舞台に足を運べばいい。
ステージでは、毎夜のごとく、LIVEが繰り広げられている。

舞台にない臨場感。
映画にない臨場感。
テレビにない臨場感。
それぞれ違って、それぞれが面白い。

その場に自分が参加しているという臨場感を例えネットに奪われた現代でも、それは変わらない。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 14:32| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする