まだSNSがない頃のWEBには、必ず必要なコンテンツがいくつかあった。
その中の一つが、リンクページと言うやつで、様々なHP同士でリンクを張った。
相互リンクと言う動きもあって、お互い了承の上、リンクを増やしていった。
つまりWEBへの導線が、まだリンクが強かった時代だったという事だ。
昔はYahoo!のインデックスにリンクを貼ってもらうのがステータスだった。
そのYahoo!のインデックスも今はなくなった。
最近のHPからは、リンクページが消えていっていることにお気づきだろうか?
実は、相互リンクと言う導線は、今や、あまり効果のないものになっている。
例えば、映画のHPを見ても、役者のプロフィールにオフィシャルへのリンクなどは余り貼っていない。
貼ってあった方が当然便利だし、色々と手間が省けそうなものだけれど、ないのだ。
それは、アドレス変更などのリンク切れも発生しやすいというのもあるけれど、もっと別の意味もある。
何故かと言えば、現在は、それが気になれば、すぐにググるからだ。
映画を観て、HPを観て、気になった役者がいたら、自分でその役者を検索してみる。
オフィシャルページを見つけたり、wikiやSNSを見つけたりして、自分からフォローしていく。
その流れがあまりにも一般的になっている。
そして、統計でも、自分から調べて辿り着いた方が情報として残りやすいという。
リンクを辿るのは、本のページをめくるようなもので、検索することはより能動的という事なのだろう。
だから、SEO対策であるとか、Googleでの検索上位こそ、今は最優先になっている。
リンクして、観てもらっても、余り記憶にとどまらないのだから、検索されやすいほうが優先になる。
インターネットの一番の素晴らしい所は双方向性、インタラクティブ。
ただ情報を得るだけではなくて、自分から能動的に動けるところだ。
自分で必要な情報だけを探すことが出来る。
そして、それは、人間の好奇心を考えれば、本能に根差した面白さも持っている。
だからこそ、一方向なリンクや宣伝は、逆効果になりかねない。
劇団のHPから、映画のHPへのリンクはもちろん、貼っていくつもりなのだけれど。
その逆はどうかなぁと、実は思い始めている。
確かに、貼っておけば知名度も上がるし、リンク誘導も出来るのだけれど・・・。
映画は、劇団の知名度をあげるために製作された・・・と思われかねない。
セブンガールズは、セブンガールズという映画のプロモーションをするべきだ。
その先の情報は必要な人が、より能動的に調べられるようにした方が多分、良い。
現在、製品情報ページでも、映画などのコンテンツ情報ページでも、安易にリンクを貼らないのには意味がある。
大きな意味で言えば、監督や役者、スタッフさん、全ての人のプロモーションと言えなくはない。
けれども、やはり、そこから先は自由度があったほうが恐らく良い。
この映画で劇団を大きくしたいとか、役者が売れたいとか、あっても良いけど、それは二次的なものだ。
あくまでも一次的には、この映画をより多くの人に届けたいでなくてはならない。
そういうのって、雰囲気で出てしまう。
そして、今、一番インターネットでやってはいけないのは、広告宣伝の「匂い」だ。
もちろん、大きな期待はしている。
この監督、他にどんなことやってるんだろう?
そんな興味を持った人が、検索してくれたらどんなにうれしいか。
この俳優、Twitterとかやってないのかな?
そんなふうに、探してくれる人がいたら、どれだけ力をもらえるだろう。
リンクが消えていったのは、SNSという「固定した情報よりも、消費する情報のメディア」が増えたことも一因だ。
SNSには、広告宣伝が満ち溢れている。
変なサイトに誘導されてしまうことは誰にだって経験がある。
だからこそ、広告や宣伝、ステルスマーケティングには、敏感になっている時代なのだ。
あわよくばな、二次的な広がりに欲をかいて、プロモーション映画と思われたら、意味がなくなる。
明らかにプロダクション主導の、新人プロモーション映画なんて、少なくてもおいらは観に行かない。
それと同じような空気をまとってしまいかねない。
作品が面白ければ、絶対に、情報は拡散する。
作品が好きになれば、絶対に、情報を探してくれる。
もちろん、その受け皿は準備しておかなくてはいけないけれど。
だから、まずは、この映画を愛してもらえるように。
この作品を観たいと思ってもらえるように。
そのことに全力を尽くさないといけないのだと思う。
だって、そういう映画なのだから。
一回観ただけでは、追いつかないほどの、奥のある映画なのだから。