いつも、何かに追われていて。
気付けば季節が移り替わっていて。
立ち止まる暇も、振り返る暇もなくて。
さあ、次は何をしようなんて、舌なめずり。
でも、今は違う。
なんだか、ついこないだまではなかったものを持っている。
絶対に不可能だと思われたようなことをいくつも乗り越えて。
今、ここには、これまでになかった作品がある。
この映画は、海外でプロモーションをされて、そして、国内でも上映される。
それがどんな規模になるかは別として、それだけは間違いがない。
それは間違いなく希望だ。
今までになかった展開だ。
映画なんてどうやって作るの?なんて言ってたいつかの日から見れば、信じられないような日だ。
こんな日がやってくるなんて、想像すらつかなかったのに。
それなのに、欲張っている。
ここまで来ただけでもすげえじゃんかって言えば言えるのに。
まだまだこれだけじゃ足りないとばかりに、欲張っている。
この映画を世界に持っていきたい。
この映画を一人でも多くの人に届けたい。
国内でも、まだ知らない人たちにもたくさん観て欲しい。
そして、出来ることなら、今までループしてきた毎日が、広がってほしいと思っている。
自分たちの生きる世界が、これまでよりも、ずっとずっと広い世界になってほしいと願っている。
だって、今までとは違う世界に踏み込んだのだから。
強欲だよなぁなんて自分でも思う。
どこまで求めるんだとも思う。
でも、きっと、この希望は、自分の内側から出てくるものだけじゃない。
いつも一緒にいる皆の夢であり、希望だ。未来だ。
応援してくださった皆様に、少しでも喜んでいただきたいという思いだ。
今、おいらは悔しいなぁという思いから少しずつ抜けてきて。
そういう皆に、申し訳ないなぁという思いがどんどん出てきているのに気づく。
皆が、笑顔になる、喜んでいくれる瞬間を、おいらはずっと想像していた。
おいらに出来ることなんて、もう残り少ないかもしれないけれど。
やっぱり、皆で喜べるような日が来るまで、やっちまうしかないのです。
その為なら、身を粉にしてでも。
皆の願いや思いを運ぶことが、自分の希望なんて。
でも、そんなものなのかもしれない。
自分の思い、自分だけの思いなんて、結局、どこにもないのかもなぁ。
例え、ガラスや釘や鉄片があおられた風の中であろうと。
前に進むような、生傷を恐れないで進むような
それが出来るのは、自分だけの思いじゃないからだ。
行くか。留まるか。
その二つの選択の中で。
行くと決めたんだもんな。