ああ、くやしい。
悔しすぎる。
ちっくしょーーーー!
おいらは、かっこつけずに、ちゃんと、悔しがってやるんだ。
そして、人一倍、落ち込んでやるんだ。
だって、そんな経験、簡単にできることじゃない。
悔やんでも悔やみきれないとはこのことだけれど。
とんでもなく貴重な体験、体感、持っていきようのない感情を頂いた。
今日、ヴェネツィア国際映画祭の、国際評論家部門の発表があった。
実は、カンヌのマーケットに持っていって。
この部門に出さないかという話が持ち上がった。
その為に、様々な再編集の助言もプログラム担当者から直接に頂いていた。
もちろん、色々と厳しい問題もあった。
何よりも、舞台公演と再編集のスケジュールが完全に重なっていたから。
字幕データの完成も考えれば、かなりタイトなスケジュールだった。
それでも、〆切に間に合わせた。
監督と二人で、再編集に励んで、字幕データのやり取りをして、納品データ作成まで。
本当に、舞台本番から2週間、びっちりと動き回っていた。
その部門は、映画監督の初長編作品であり、世界初上映じゃなくてはいけないという条件がある。
だから、どんな映画監督も、一生で一度しか、そこにエントリーすることは出来ない。
もう10年以上日本人監督はノミネートされていない、ハードルの高さはわかっていた。
選ばれる数も、非常に少ない部門だ。
それでも、直接声をかけていただいて、助言まで頂けるというのは、かなり良い話だった。
舞台のカーテンコールでヴェネチアと口にしたのは、嘘でも何でもなかったのだ。
先週。セレクションから漏れたという連絡が直接、プログラム責任者から届いた。
もちろん、それだけでも、実はものすごいことなんだと知っている。
発表の一週間前に、直接連絡が来たという事は、最終選考まで本当に行っていたということ。
目の前のチャンスに手を伸ばして、指がかかるぐらいのところまで行っていた。
本当に目の前にアドリア海が広がっていた。
当然、プログラマーさんだけではなく、選考委員の皆様にも観ていただいたという事だ。
本当のあと一歩だったんだから。
もちろん、これで終わるわけではない。
世界にはたくさんの映画祭があるし、世界の人にこの作品を届けていく方法はまだあると思う。
それに、ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門というわけでもないのもわかっている。
それでも。
・・・と、書いても、これが嘘か本当かもわからないと思う。
実際に選ばれないと、どんなにそれを口にしたって、絵にかいた餅みたいなものだ。
結果が全てだ。
チラシに「最終選考に・・・」なんて書いてあるのは見たことがない。
本当かなぁ?って思ってる人もいるんだろうなぁ。
落選のメールが届いた日から今日の発表まで。
それでも、この作品を信じようと決めていた。
何が起きるかなんてわからないじゃないか。
でも、発表されたラインナップに「SEVEN GIRLS」の文字はなかった。
監督やプロデューサーだって、色々、思うところがあるはずだけど。
おいらは、もう、ちゃんと、思い切り落ち込んで、悔しがってやるんだ。
自分がここに懸けた時間、自分の意志で進んだ日々。やれることを全てやろうと決めたあの瞬間。
そういう経験をしている数少ない一人なんだから。
もちろん、感謝もしているんだ。
今日まで、なんと壮大な夢を見せてくれたか。
あのクロサワが。キタノが。ミフネが。
世界に飛び出たヴェネツィアに行けるかもしれなかったんだから。
そんな場所で、ワールドプレミア上映できるかもしれなかったんだから。
日本映画を愛してくださるヴェネツィアの人たちの前で上映できるかもしれなかったんだから。
この2か月間、その辺のあんちゃんじゃ想像もできないようなバカでかい夢を持たせてもらった。
だから、選ばれた作品たちを、とても素直に讃えたいなぁと感じている。
アジア・アフリカ圏の作品がないのは少しだけ不満だけれど。
選ばれた作品たちは、きっと、素晴らしい作品なのは間違いがない。
それぞれ、おいらと同じように、きっと作品を愛しているはずだから。
でもさ。その中に入りたかったよぉ。
「まぁ、仕方ないよ。」って言わないようにしてるんだ。
たくさん言われたけどさ。
悔やんでもいる。
もっと、あそこで、こう出来たら、ああ言えたらとか、考え込んだりしちゃう。
全部そんなのは、ifだから、なんの意味もないのに。
トイレに立つにも膝に力が入らなかったりさ。
これ、明日、生きていられるのか?って思うほど、落ち込んだりさ。
意味もなく悔し涙がにじんできたりさ。
やれることやれるまでやったはずなのに、くよくよしてるんだ、おいら。
なんなんだよ。かっこ悪い。
みっともないんだ、小野寺さんって本当に。
落選のメールがドッキリって可能性が残ってます!なんて監督に言ったら。
お前は馬鹿だなぁって言われたよ。
一緒に笑ったけど。
多分、監督とプロデューサーとおいらにしかわからない感情がある。
その感情も大人だからオブラートに包んだよ。
でも、一人の時はそうはいかない。
ちょうど、お母さんの誕生日だったから、プレゼントに報告するつもりだったのに。
あいかわらず親孝行すらロクに出来ない有様だ。
悔しいなぁ。
悔しくて悔しくて。
我慢せず、どん底まで落ちるよ。
そこから、もう一度、這い上がればいいんだから。
こんな思い、したくないけど。
誰にでも出来る思いでもないんだから。
我慢なんて中途半端は自分が自分を許さない。
世界!なあ世界!
早く「SEVEN GIRLS」を見つけておくれよ!!