2017年07月21日

特別な人

映画監督をやれる人は特別な人なのだそうだ。
映画監督をやろうと思っても、実現に至らない人も多い。
実際、映画監督を目指しながら助監督をやっていて、監督をしない人もいる。
或いは映画監督を目指して、映画以外の作品の監督を続けている人もいる。
新しい監督が出てくるというのは、そんなに簡単なことじゃないはずだ。

もちろん、フィルム時代に比べれば、随分と変わったはずだ。
自分で撮影して編集しての自主映画のハードルが下がっているし、予算も下がっている。
ショートフィルムの製作だって、発表する場が増えている。
製作した作品を発表する場だってあるのだから。
特に、未だ映像業界を良く知らない若い人ほど、そういう動きが取りやすいんじゃないだろうか?
既成の撮影方法を知れば知るほど、ショートフィルムの撮影すら難しいと感じてしまうかもしれない。
そのぐらい既成概念というのは強いものだから。

異業種監督というのが流行った頃、これでいいのか?な記事をたくさん読んだ。
北野武監督の成功で、俳優や芸人、その他、様々なジャンルの映画監督が生まれた。
北野監督は、自分が出演予定の映画が深作欣二監督予定だったのに、出来なくなってしまって、じゃあ、俺がやるよと言ったのが始まり。
その時はまだ異業種監督なんて頭は、誰にもないから、自分から言い出した。
まだ、そんなことはありえないから、随分、現場でスタッフさんから、それは違うと言われたらしい。

デビッド・宮原の場合は、異業種監督なのだろうか?
ちょっと考えてみるけれど、そうでもないんじゃないかと思えてくる。
確かに、これまでを思えば、本当に多彩な人でありとあらゆることをしてきた人だ。
いわゆる現場叩き上げの映画監督ではないけれど、じゃあ、叩き上げ以外は異業種か?と聞かれれば違うと思う。
いわゆる、CM業界、PV業界、TV業界から、新しい映画監督が生まれてくるのと同じ角度だ。
舞台演出や、台本を書いてきたことを思えば、フィールドが変わっただけのように思える。
こういうのはなんて言えばいいんだろう?
恐らく、映画監督というのはクリエイターで、クリエイターというのは垣根がない。
今、話題の福田雄一監督だって、いわゆる、何年もクリエイターで、最近映画にも手を伸ばしたってことだ。
映画村にいなかったとはいえ、作品製作はそれこそ、何年もかけてしてきたってことだ。

作家よりも、むしろ、クリエイターが近いのだと思う。
何もない所から作品を生みだすのが作家だ。
ある何かを、人とは違った角度から再発見させるようなことが出来るのがクリエイターだ。
映画監督って世界を切り取って、切り取った世界を別の視点から再発見するような仕事だ。
それはきっと世界を創ることと実は大きな違いがないのだと思う。
SEVEN GIRLSという世界を創ったのだ。きっと。

もし自分が監督をやったら、こうするなとか、ここはこだわるなとか。
そういうことをようやく考えられるようになって。
それは、映画やドラマや、他の映像を観て、俳優が考える当然の視点の一つだと思っているのだけれど。
SEVEN GIRLSに関しては余りにも近いから、そういう視点はそれほど持っていなかった。
自分も出演しているから、特にそう思うのかもしれない。
或いは、そもそも、こう撮影するな・・・と、最初から理解していた深度が違いすぎるからだ。
でも、それをもう一度、頭の中でするようにしている。
そうすることで、監督の持つクリエイティブな部分を、もう一度、自分の中に落とし込んでいる。
自分ならこうするとの違いが、監督の持つ独自なクリエイションだったりするはずだ。

デビッド・宮原は長編映画の初監督をした。
それは、選ばれた人にしかできないことだ。
初監督まで辿り着かない人が何人もいるのだから。
初監督作品には、その監督の持つ全てが出てくるという。
いわゆる初期衝動なども全て映ってしまうから。
この年齢で、長編初監督というのもとても面白いけれど。
初期衝動も含まれているというのは、やっぱり、すごいことなんだよなって思う。
キラキラしている。

凄いことをしたんだなぁ。
この作品を一人でも多くの人に届けないとなぁ。

映画監督をやれる人は特別なのだそうだ。
この人の持つ「特別」を、ちゃんと、人に伝えていきたい。
ちゃんと、世界に届けていきたい。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 08:03| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月20日

霧中

梅雨明け宣言が出た。
空梅雨だったから、なんだか、肩透かしな気分だ。
梅雨明けすると、なぜか、雨が降るイメージがあるのだけれど。
どうやら、もう一度戻ってくるみたいだ。
でも梅雨明けは、梅雨明け。

夏が来た。

とっくに夏の匂いはしていたけどね。
あの入道雲の向こう側なんか、とっくに睨んでいたけれどね。
しろくまも、食べたけどね。

今、頭の中はフル回転だ。
信じられないほど、早いスピードで色々なことを考えている。
自分に出来ることの全て、後は何が出来るのか。
想像しては潰し、思い描いては消す。
一瞬で思考が止まりそうになるんだけれど、そうはいかない。

頭の片隅に常に置いておけ。

ただ、それだけになっちゃダメなんだ。
そのバランス感覚が難しいけれど。
夏を感じたり、夜風に吹かれたり、月影に思いを馳せたり。
そういう当たり前のことをちゃんと感じながらじゃないといけない。
一つのことに集中すると、強い力を生むけれど、それは同時に、世界を狭くするからだ。
意味のないことが、豊穣な肉になる。
無駄なことなんか何もないんだと思って進むしかないよ。

どうも、情報量が足りていない。
もっと学ばないといけないと感じている。
何が足りないか。何がいけないのか。
自己分析が停滞しているのは、情報を持っていないからだ。
ちょっと隙を見せると、自分には甘い評価をしがちだから。
厳しい視線を自分に送り続けるには、やはり、新しい情報、新しい視点が大事になる。

おいらは今、かつての夢の中にいる。そういう場所に立っているはずだ。
夢の中には夢の中の現実があって、その現実を少しでも掴めるように必死になっているつもりだ。
夢だと思っていた場所が大地になって、空が出来て、建物が建っていく。
圧倒的な現実を一つずつ、自分の中で掴んできた。
かつて夢だった場所は、地道な一歩一歩でしか辿り着けない場所だった。
千里の道も一歩よりなんて言うけれど。
今、振り返れば、あの一歩目はいかに、大変な一歩だったか。

まだまだわからないことばかりだ。
わからないことをわからないままやりすごすなんて出来ない。
これは、全て、自分の身に起きていることなのだと、もう一度、自覚するんだ。

「SEVEN GIRLS」を世界中の一人でも多くの人に届けたい。

ここまで来るのだって奇跡だった。
誰に説明したって、嘘だろう?と言われるようなことをしてきた。
ここまで来なければわからない気持ちを今持っているんだから。
それだけでも、感謝なのだ。
そう、感謝。
今、おいらの腹の底にある一番の大事なものは、感謝だ。

それでも。
感謝だけでは足りない。
恩返しは、ちゃんと、形にしなくてはいけない。

梅雨が明けたよ。
けれど、湿気は相変わらずさ。
真夏がやってくれば、きっと、もっと、水の中にいるような気分になる。
夢の中は霧の中。

今年の夏は暑くなる。
これから、もっと、暑くなる。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:48| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月19日

遠雷

ドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロ

バスドラムよりも低い音が高い空でコダマしていた。

夕立ちというには早い時間。

見上げた空は立ちどころに暗闇になってゆく。

昨日見上げた青すぎる青の空は曇天に覆われていった。

落ちてきた雨粒は粒なんてものじゃなかったし、ましてや、涙になんか例えようがなかった。

ぼたぼたと、重い水の塊が、空から落ちて、跳ねた。

風はうなり、アスファルトはあっという間に黒に塗られた。

瞬間。稲光。

ストロボ効果で、まるで、世界が切り取られたかのようなストップモーション。

少し遅れて、世界を引きちぎるような轟音が、もう一度世界を動かし始めた。

遠雷が聴こえた時にはもう遅いよ。
雷様は、すぐそこまで来ているんだ。
おへそを隠したって無駄だよ。

建物の中で、外の様子を眺めてる。
本当は傘もささずに飛び出して、走り回りたいのに。
他人事にしてたまるか。
自分の体で、その雨を受けて、雷鳴を聞いて、雷光を観たいんだ。
感じたいんだ。

だって、知ってるんだ。

あっという間に真っ暗になったように。
あっという間に雨が降ったように。
あっという間に、この雲が去っていくことを。
あっという間に、人生なんか終わっちゃうことを。

ほら、もう晴れちまった。

耳を澄ませ。
アンテナを立てろ。
どこかで遠雷が鳴っているかもしれないよ。

そうしたら、勇気を出して、飛び出せ。
飛び出さなきゃわからないことがあるはずさ。

その一歩を。
その一歩を、おいらは、いつまでだって、出し続けたい。

そこがどんな地獄でもいい。
そこが豪雨の中でもいい。
つらかろうが、苦しかろうが、しったこっちゃねえやい。

雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ?
そうじゃねぇな。
負けるのなんか、怖くない。
どこかで一矢報いてやるんだ。

鳴ってないか?遠雷。
遠くの暗い雲を睨んだ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:28| Comment(0) | プロモーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする