急に梅雨らしい空。
起きてから舞台の報告系の情報を纏めていく。
とは言え、週末まではまず再編集が最優先。
少なからず報告できるだけの最低限の部分だけ。
何を聞かれるのかもわからないから、PCも持っていこうと荷物を纏めていたけれど。
急に、それが厭になった。
舞台では毎日、その後も編集で重い荷を背負う毎日だった。
やめたやめた。
どうせ、今わかる情報なんか限られているのだからと、スマフォに情報を転送。
必要な書面もポケットに入れて。
手ぶらで反省会に向かった。
必要かも・・・で、持っていくのもね。場合に寄るよ。
鞄も何も持たずに、手ぶらで歩くと、ああ、自分はこんな感じが基本なんだよなと改めて。
稽古場につく。
反省会。
動員などの報告。
今後の詳細なスケジュール。
これから。
少しずつ、報告しながら、説明しながら。
ちゃんと伝わっているのかはわからないけれど、大まかな流れは伝わっている。
監督からの話。総括。
これがいつもの流れ。
でも、今回は少しだけ違う。
これからの話が、次の舞台公演ではなく、映画公開に向けての話になるから。
少しだけの違いだけれど、大きな違いでもある。
心構えのようなものもやっぱり違ってくる。
居酒屋に移動。
ようやく舞台を打ち上げた。
お疲れ様!とグラスを合わせて。
ビールを喉に流し込む。
それぞれ舞台を反省していたり、思い出していたり。
仲が良いんだか、悪いんだか。
怒って笑って、睨んで、噴き出して。
直後とは違った、少し舞台の記憶がこなれてからの打ち上げも悪くない。
正直な言葉も、直後より出てきたりもする。
おいらは、ゲラゲラと笑う。
もっと、ギスギスしたほうが、うちは面白くなるんじゃねぇの?なんて言ってみる。
円滑な感じも良いけれど、抵抗があるほうが面白さがある場合もね。
特に敵対のシーンでさ。
芯のところを信じていればどうってことない。
店を出て、電車に乗る。
ひとりになったら、見事に乗り過ごした。
すぐに次の駅で降りてUターン。
終電乗り継ぎのギリギリ最後の電車になっちゃった。
危なかったなぁ。
PCを入れたリュックを背負っていない手ぶら。
肩には何も乗ってない。
見上げると、夜空。
そうか、今日は新月だったから、星がいつもより見える。
両肩に、乗っているのものは、いくつある?
リュックのようにぽんと、降ろすことなんかできない。
身軽になる日なんか来ると思わない。
なぜなら、これを背負える人と、背負えない人がいて。
度量であったり、性格であったり、ずうずうしさであったり。
そういう全てが、偶然なわけで。
それが出来ることは、逆を言えば、とても幸せなことなんじゃねぇの?なんて思う。
この重みを両肩で感じることが出来る人が限られているのであれば。
なんのこたあ、ないさ。
その日は近い。
ほろ酔い加減で、呟いてみた。