2017年06月25日

ビールはどんな味がするだろう?

朝から再編集に向かう。
到着してセットアップ。
午前中からやろうという言葉を信じて、待ち合わせ時間にはすぐ始められる準備。
約束の時間にはやはり現れない監督。
スペースの方に、監督が先に来て待っているというシチュエーションは観たことがないですねなんて言われる。
まぁ、当たり前だ。
おいらは待ち合わせ時間前に到着して準備をしているし、監督は待ち合わせ時間より必ず遅れてくるのだから。
まぁ、実は夜だけ編集の時なんかは、早めについて喫茶店にいる日もあったりしたのだけれど。
待ち合わせ場所から時間を少し過ぎた頃にいつもやってくる。
あそこまで行けばスタイルだし、実は時間通りに来れることも知っている。
だから、時間的制約があっても、いつもそのぐらいの余裕まで計算はしてある。
今日は、思っていたよりもそれほど遅れずにやってきた。

いつものようにヨーイドンではなくまずは公演まで行って、一服。
編集途中でする一服はあえて、映画の話とは別の話をしてリセットしたりもするけれど。
編集前の一服では、どこをどう編集したいのかなど聞いておく。
打ち合わせまではいかないけれど、なんとなく考えているイメージはつかんでおく。
途中のリセットも大事だし、この小さな打ち合わせがとっても大事。
監督は煙草2本、おいらは1本。本数もいつも同じ。

現状の字幕製作と、それが帰ってくるタイミング、納品から、その後まで。
なんとなくスケジュールも共有しておく。
でも、いつもなんとなくだ。
スケジュールを忘れたら聞いてくれたらいい。
監督が全て覚えて、全て知って、把握する必要はない。
それはおいらの仕事だし、おいらがいなかったらちゃんと覚える人だから。
重要な日程だけ、監督が覚えておけば問題ないようになっている。
少なくても、今まで、そういうスケジュールをおいらは外したことがないから。
そういう部分は信頼してくれているという事なのだと思う。

月曜に編集した、海外セールス用のヴァージョンのブラッシュアップをしていく。
短ければ数秒・・・少なくても1分を越えるような編集は、もうない。
地道に繋ぎの部分、気になる部分に手を入れ続ける。
監督が忘れていた、ここ、なんか言ってましたよね?というのも、丁寧に出していく。
もちろん、どうやってよりスマートにするかという提案が出れば、意見も出す。
粗くなってしまっている繋ぎの部分のブリッジを試して見てもらったりもする。
その場その場でのアドリブを出せるようでないと、対応できない。
これだわ!これ。かっこいいじゃん。
そんな一言が出てくれば、そのシーンは終わっていく。
かっこわるいかっこよさも含めているから、簡単なかっこよさなわけでもなく。
そういう部分が多分、本当は難しいことなのだと思う。

おいらはデビッド・宮原を海外に連れていくと決めているんだと監督に伝える。
この文章だけを読めば、上から言ってるように見えるかもしれないけれど。
まるで、お前が連れていくみたいだと思うのかもしれないけれど。
この場合の「デビッド・宮原」とは、本人のことではなくて、「デビッド・宮原」というブランドのことだ。
監督自身が「デビッド・宮原を海外に持っていきたい」という場合と同じ使い方だ。
そこに妥協はない。
だから、少しだけ厳しめのことも口にしているかもしれないし、強めの判断をしている時もあるかもしれない。
ただ今、この映画を海外に持っていくと、それこそ本気で思ってくれている人たちがいる。
その人たちのことを裏切るわけにはいかないのだ。
本気に応えるとすれば、本気しかない。
ツメを誤るわけにはいかない。

監督がメモしてきた部分。
おいらが覚えていた前回の編集で監督が言葉を残していた部分。
その全てをさらってから、スペースで最大のモニタをお借りして、通して観ていく。
集中がキレないように、2回ぐらいリフレッシュを入れたけれど、全編を通して観れた。
観終わると監督からひと言。
「うん、もうない」
やり切った。
月曜に大きく編集して、土曜まで寝かせて、調整。
理想通りのスケジュールともいえる。

もちろん、これで終わりではない。
監督はアップだけれど、おいらはまだ続く。
字幕が付いたデータをこの編集と同じように変更しなくてはいけない。
そのままファイルの置換で対応できるつもりだけれど。
だとしても、字幕が途中で切れていたりしないかのチェックもある。書き出しもある。
そして、納品が待っている。

しかし、参ったなぁ。
舞台公演が終わった次の日の朝から今日まで、この編集のことで走り続けている。
明日は、舞台の反省会だ。
いつもなら、舞台が終わって、酒を飲んで、自分ひとりの時間に、色々なことを反芻している期間なのに。
それがないから、反省会も何もない感じだ。
もちろん、舞台のことはちゃんと覚えているのだけれど。
自分の中で、ちゃんと、それを整理しないまま走っている。
ひょっとしたら反省会は、はしっこで、ヘラヘラ笑っているだけかもしれないなぁ。
なにせ、まだ、おいらは編集スケジュールを残しているのだから。

反省は大事なことだけど。
未来ばかり見ている今は、少しだけ心が苦しい。
でも、心は軽い。
また一つ、山を乗り越えたから。

明日は、ようやく打ち上れるかなぁ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:25| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする