一斉に梅雨入り宣言が出たらしい。
雨が降らない日に言われてもしっくりこないけれど。
まぁ、雨は関係ない。
梅雨前線の位置での宣言なのだろうから。
夜になって、少しぱらついて、やはりはいったんだなあと思ったけれど。
今日は曇天だった。
風が涼しかった。
稽古中のトラブルで、少し長く歩く時間があった。
涼しい過ごしやすい風が吹いていた。
実はうちの劇団には、ちょっとした伝説がある。
それは、異常に晴天率が高いのだ。
多分、10周年公演の頃には、未だに雨が降らない・・・なんて言ってた。
その後雨の日もなくはなかったけれど、傘の預かりでてんやわんやになるような雨はなかった。
傘袋や、傘立てを用意しても、結局それほど活躍しなかった。
倉庫作業の時間に雨にやられたことはあったけれどね。
晴男がいるとか。
雨女がいないとか。
まぁまぁ、色々なことを皆が言っていた。
初めて雨にやられた公演では、やめた人間が晴男だったかなんて言ったりした。
・・・とは言え、それでも驚異の晴天率には変わりがない。
なんだったら、明日は台風ですなんて天気予報だったのに、夜のうちにいなくなったりもするのだから。
今回の公演も、梅雨入りしたのに、公演の時間は雨が降らない・・なんてことになるといいなぁ。
おいらは、なんというか。
幽霊であるとか、UFOであるとか。
不確定なものは基本的にあまり信じない。
でも、迷信であるとか、予感であるとか、流れであるとか。
目に見えないだけで、繋がっているものは、なんとなく感じている。
本当になんとなくだけれど、この流れなら、こうなるはずだよというのは、大抵外れない。
この劇団の作品には、良く、「晴れ」と「雨」が出てくる。
天気を口にすることで、その時の空気感を表す。
明日雨でも私は晴れ。
セブンガールズでは、テーマ曲で繰り返される。
それを思うと、公演と雨が重ならない驚異の晴天率なのも、何か因果があるように思える。
北の冷たい空気と。
南の温かい空気の。
その境が梅雨前線。
南の勢力が少しずつ強くなって。
境を押し上げていく、つかの間が梅雨。
梅雨前線が日本列島の北に位置した時に。
運命の夏がやってくる。
今、境の中にいる。
なるほど。
そういうことかなんて、言ってみる。
南の空気が押し上げるまで。
おいらたちは、その境の中で、遊び続けるのさ。