2017年06月27日

英語字幕付映像が楽しみになってきた

昼間に字幕製作会社から電話の一報。
以前いただいた動画ではなかったセリフについて確認したいとのこと。
どんなセリフですか?と確認すると。
そのセリフを言ってくださる。
ああ、それは、こうしてくださいとすぐにお願い。
恐らく依然渡した映像ではMA前で、音声がもぐりこんでいたセリフだった。

電話を切ってから、思った。
セリフを言ってくれるだけで、どのシーンのどのセリフなのかすぐわかること。
考えてみれば、そんなに簡単なことではないかもしれないと。
誰でもわかるようで、実は、どのシーンだっけな?っていう間が入るのが普通だろうと。
でも、もう、セリフだけで、そのシーンの絵もわかるし、どうするかもすぐにわかった。

それで気付いた。
今、再編集をしているけれど。
この再編集がもし外注だったら、大変だったことに。
そもそも再編集を出来るかどうかもわからない。
このタイトなスケジュールに対応してくださるかもわからない。
舞台があった監督とスケジュールが合うかどうかもわからないし。
当然、外注であれば、再編集で再び予算が削られる結果になっていた。
作品の理解度も、監督との意思疎通も、恐らく違ったはずだ。
もしそうだったらと想像して冷や汗をかいた。
おいらが編集をやると言った時はたくさんの人に心配されたものだけれど。
逆に外注だったら、今やっている作業自体が不可能で、今、目指していることも出来なかったかもしれないから。
なんて、綱渡りだったんだろう。

監督が納得いくまで再編集したA案の編集箇所を、B案にも反映させていった。
もちろん、全部同じにするわけではない。
A案とは別の部分を編集してある分、余裕があるから。
ここは、もうオリジナルそのままでも良いだろうなって箇所は残しておく。
オリジナルの持つ美しさまで削れてしまっては本末転倒だからだ。
物語に立体感が出るような箇所をテンポ感と天秤にしているわけだけれど。
こちらのB案では、立体感も大事にする余裕が少しだけある。
ただ、A案で、整理された場所は、そのままB案にも反映させていかないとだ。
実際に、このA案もB案も、公開されるバージョンではないのだけれど。
同じようにブラッシュアップは必要だ。

とにかく、納得がいくまではやれたはずだ。
少なくても、A案、B案、オリジナル、3つ全てが、監督の作品になっている。
C案も作ろうと話していたけれど、監督がC案のアイデアをA案に統合していったからこれだけで良い。
監督が本来持つ特徴がなくなるような形にはなっていない。
あとは、明日、字幕が入ったオリジナル版を受け取ってからの作業になる。
受け取って、うまく、書き出しまで明日中に進めれば、トラブルがあっても避けることが出来る。

さあ、明日に備えよう。
明日の作業の進み具合で、納品スケジュールが固まるのだ。
タイトなスケジュールだけれど。
もう自分の頭の中でのシミュレートは終わっている。
トラブルがないことを祈るばかりさ。

映像の置換がうまくできるかどうかで、明日は決まる。
まぁ、うまくいっても、字幕の繋ぎが、綺麗になっているのかまではわからないんだけれど。
A案ではセリフだけカットしたシーンもあるから、多少の映像の差し替えもあるかもしれない。
まぁ、やってみないとわからないから、想定だけしておこう。

よし。
まず、睡眠だ!
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:23| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月26日

重い荷物をおろして

急に梅雨らしい空。
起きてから舞台の報告系の情報を纏めていく。
とは言え、週末まではまず再編集が最優先。
少なからず報告できるだけの最低限の部分だけ。

何を聞かれるのかもわからないから、PCも持っていこうと荷物を纏めていたけれど。
急に、それが厭になった。
舞台では毎日、その後も編集で重い荷を背負う毎日だった。
やめたやめた。
どうせ、今わかる情報なんか限られているのだからと、スマフォに情報を転送。
必要な書面もポケットに入れて。
手ぶらで反省会に向かった。
必要かも・・・で、持っていくのもね。場合に寄るよ。
鞄も何も持たずに、手ぶらで歩くと、ああ、自分はこんな感じが基本なんだよなと改めて。

稽古場につく。
反省会。
動員などの報告。
今後の詳細なスケジュール。
これから。
少しずつ、報告しながら、説明しながら。
ちゃんと伝わっているのかはわからないけれど、大まかな流れは伝わっている。
監督からの話。総括。
これがいつもの流れ。
でも、今回は少しだけ違う。
これからの話が、次の舞台公演ではなく、映画公開に向けての話になるから。
少しだけの違いだけれど、大きな違いでもある。
心構えのようなものもやっぱり違ってくる。

居酒屋に移動。
ようやく舞台を打ち上げた。
お疲れ様!とグラスを合わせて。
ビールを喉に流し込む。
それぞれ舞台を反省していたり、思い出していたり。
仲が良いんだか、悪いんだか。
怒って笑って、睨んで、噴き出して。
直後とは違った、少し舞台の記憶がこなれてからの打ち上げも悪くない。
正直な言葉も、直後より出てきたりもする。
おいらは、ゲラゲラと笑う。
もっと、ギスギスしたほうが、うちは面白くなるんじゃねぇの?なんて言ってみる。
円滑な感じも良いけれど、抵抗があるほうが面白さがある場合もね。
特に敵対のシーンでさ。
芯のところを信じていればどうってことない。

店を出て、電車に乗る。
ひとりになったら、見事に乗り過ごした。
すぐに次の駅で降りてUターン。
終電乗り継ぎのギリギリ最後の電車になっちゃった。
危なかったなぁ。

PCを入れたリュックを背負っていない手ぶら。
肩には何も乗ってない。
見上げると、夜空。
そうか、今日は新月だったから、星がいつもより見える。
両肩に、乗っているのものは、いくつある?
リュックのようにぽんと、降ろすことなんかできない。
身軽になる日なんか来ると思わない。
なぜなら、これを背負える人と、背負えない人がいて。
度量であったり、性格であったり、ずうずうしさであったり。
そういう全てが、偶然なわけで。
それが出来ることは、逆を言えば、とても幸せなことなんじゃねぇの?なんて思う。
この重みを両肩で感じることが出来る人が限られているのであれば。
なんのこたあ、ないさ。

その日は近い。
ほろ酔い加減で、呟いてみた。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 08:33| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月25日

ビールはどんな味がするだろう?

朝から再編集に向かう。
到着してセットアップ。
午前中からやろうという言葉を信じて、待ち合わせ時間にはすぐ始められる準備。
約束の時間にはやはり現れない監督。
スペースの方に、監督が先に来て待っているというシチュエーションは観たことがないですねなんて言われる。
まぁ、当たり前だ。
おいらは待ち合わせ時間前に到着して準備をしているし、監督は待ち合わせ時間より必ず遅れてくるのだから。
まぁ、実は夜だけ編集の時なんかは、早めについて喫茶店にいる日もあったりしたのだけれど。
待ち合わせ場所から時間を少し過ぎた頃にいつもやってくる。
あそこまで行けばスタイルだし、実は時間通りに来れることも知っている。
だから、時間的制約があっても、いつもそのぐらいの余裕まで計算はしてある。
今日は、思っていたよりもそれほど遅れずにやってきた。

いつものようにヨーイドンではなくまずは公演まで行って、一服。
編集途中でする一服はあえて、映画の話とは別の話をしてリセットしたりもするけれど。
編集前の一服では、どこをどう編集したいのかなど聞いておく。
打ち合わせまではいかないけれど、なんとなく考えているイメージはつかんでおく。
途中のリセットも大事だし、この小さな打ち合わせがとっても大事。
監督は煙草2本、おいらは1本。本数もいつも同じ。

現状の字幕製作と、それが帰ってくるタイミング、納品から、その後まで。
なんとなくスケジュールも共有しておく。
でも、いつもなんとなくだ。
スケジュールを忘れたら聞いてくれたらいい。
監督が全て覚えて、全て知って、把握する必要はない。
それはおいらの仕事だし、おいらがいなかったらちゃんと覚える人だから。
重要な日程だけ、監督が覚えておけば問題ないようになっている。
少なくても、今まで、そういうスケジュールをおいらは外したことがないから。
そういう部分は信頼してくれているという事なのだと思う。

月曜に編集した、海外セールス用のヴァージョンのブラッシュアップをしていく。
短ければ数秒・・・少なくても1分を越えるような編集は、もうない。
地道に繋ぎの部分、気になる部分に手を入れ続ける。
監督が忘れていた、ここ、なんか言ってましたよね?というのも、丁寧に出していく。
もちろん、どうやってよりスマートにするかという提案が出れば、意見も出す。
粗くなってしまっている繋ぎの部分のブリッジを試して見てもらったりもする。
その場その場でのアドリブを出せるようでないと、対応できない。
これだわ!これ。かっこいいじゃん。
そんな一言が出てくれば、そのシーンは終わっていく。
かっこわるいかっこよさも含めているから、簡単なかっこよさなわけでもなく。
そういう部分が多分、本当は難しいことなのだと思う。

おいらはデビッド・宮原を海外に連れていくと決めているんだと監督に伝える。
この文章だけを読めば、上から言ってるように見えるかもしれないけれど。
まるで、お前が連れていくみたいだと思うのかもしれないけれど。
この場合の「デビッド・宮原」とは、本人のことではなくて、「デビッド・宮原」というブランドのことだ。
監督自身が「デビッド・宮原を海外に持っていきたい」という場合と同じ使い方だ。
そこに妥協はない。
だから、少しだけ厳しめのことも口にしているかもしれないし、強めの判断をしている時もあるかもしれない。
ただ今、この映画を海外に持っていくと、それこそ本気で思ってくれている人たちがいる。
その人たちのことを裏切るわけにはいかないのだ。
本気に応えるとすれば、本気しかない。
ツメを誤るわけにはいかない。

監督がメモしてきた部分。
おいらが覚えていた前回の編集で監督が言葉を残していた部分。
その全てをさらってから、スペースで最大のモニタをお借りして、通して観ていく。
集中がキレないように、2回ぐらいリフレッシュを入れたけれど、全編を通して観れた。
観終わると監督からひと言。
「うん、もうない」
やり切った。
月曜に大きく編集して、土曜まで寝かせて、調整。
理想通りのスケジュールともいえる。

もちろん、これで終わりではない。
監督はアップだけれど、おいらはまだ続く。
字幕が付いたデータをこの編集と同じように変更しなくてはいけない。
そのままファイルの置換で対応できるつもりだけれど。
だとしても、字幕が途中で切れていたりしないかのチェックもある。書き出しもある。
そして、納品が待っている。

しかし、参ったなぁ。
舞台公演が終わった次の日の朝から今日まで、この編集のことで走り続けている。
明日は、舞台の反省会だ。
いつもなら、舞台が終わって、酒を飲んで、自分ひとりの時間に、色々なことを反芻している期間なのに。
それがないから、反省会も何もない感じだ。
もちろん、舞台のことはちゃんと覚えているのだけれど。
自分の中で、ちゃんと、それを整理しないまま走っている。
ひょっとしたら反省会は、はしっこで、ヘラヘラ笑っているだけかもしれないなぁ。
なにせ、まだ、おいらは編集スケジュールを残しているのだから。

反省は大事なことだけど。
未来ばかり見ている今は、少しだけ心が苦しい。
でも、心は軽い。
また一つ、山を乗り越えたから。

明日は、ようやく打ち上れるかなぁ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:25| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする