朝起きて準備する。
最終的にデータが入っているHDDの中身を確認して、ファイルプロパティを記載したメモも入れておく。
HDDをプロテクターに入れたけれど、一応、接続用のマシンとPCも持っていくことにする。
電車に揺れていると加藤Pから、連絡。
今、向かっていますと伝えると、加藤Pが不在とのこと。
海外担当の方が、受け取ってくださるとのこと。
何度も何度も話に出て、何度もすれ違っている海外担当さんとついに逢えるとわかる。
そのメールのCCに監督も入っていて。
監督から、おつかれさまの一言。
配給をしてくださる会社に到着し、内線で海外担当の方を呼ぶ。
字幕製作会社の方や、加藤Pから、間接的に何度も名前が挙がった方。
想像では、とてもシャッキリとした女性だと思っていたら。
なんとも、ニコニコしたかわいらしい女性がやってきた。
まったくの予想外。
やっとお会いできましたねと思わず破顔。
香港FILMARTも、Marche du Filmでも、この方が「SEVEN GIRLS」をセールスしてくださったのだ。
セブンガールズを早くから観てくださっていた同志の一人。
それなのに、一度も会えなかった方。
やはり内蔵HDDではすぐに確認できず。
おいらの内臓HDDを直接PCから覗けるマシンを利用する。
3つのファイルの説明をして、別のHDDに移動をし始める。
電話番号を伝えて、終わったら連絡を頂くことにして、おいらは一度配給会社を出る。
アイスコーヒーを飲みながら、連絡を待った。
気付けば、アイスコーヒーも飲み終わったので、外に出て歩いてみる。
ちょうど、電話が鳴っていたようなので、そのまま社に戻った。
どうやら転送までに6時間と表示されたらしい。
USB3.0であれば、もうちょっと早いはずなのだけれど・・・。
これは困った。
接続マシンを置いて、とりあえず、夜に再訪問することにする。
海外担当の方に、よろしくお願いしますと託す。
一旦、その街を離れて。
しばし、呆然とする。
今、英語字幕という翼を得た「SEVEN GIRLS」が。
初めてのCOPYをされている。
信じられないスピードで、最初の一歩を踏み出している。
電話が鳴る。
MOVファイルなのに再生ができないとの連絡。
中間コーデックが、AVID DNxHR HQX。
わりと、新しいコーデックだから、Quicktimeの更新をしてみて欲しいと伝える。
最新のQuicktimeであれば、再生できるはずだけれど、それがダメなら、Avid社にコーデックが無料配布されている。
おいらは、MAC使いじゃないから、わからないことも多いけれど、Quicktime形式が用意されている以上再生できるはず。
180GBと、150GBと、150GB。膨大なファイル。
Apple社は、なぜ、Windows版のQuicktimeの開発注視を発表したのだろう。
これからは動画の時代だし、Win版も配布し続けた方がきっと優位になるのに。
ProRes 422で書き出せたら、色々と、やりやすかったのに。
夜、再訪して、機材を回収。
すでに海外担当の方は帰宅されていて、代理の方から受け取った。
再生できたかな?
海外に飛び立つのがA版かB版かは、海外担当と加藤Pに託してある。
もちろん、基本はAだけれど、一応、補助でBを用意してあるのだ。
その上で、翌6月30日に海外に転送する。
150GBなんて、サーバー転送することが出来るのだろうか?
最近は、ネット回線も太くなったし、サーバーの容量も増えたけれど。
転送スピードも、1Gb/sなんて、普通になったいみたいだけれど。
Byteではなくて、bitなのだから、精々、200MB/sってところじゃないだろうか?
アップロードが厳しいとか、その場合、圧縮するのかな?
だとしたら、圧縮ファイルも用意しておくべきだったかもな。
電車に揺られる。
頭の中で何度も繰り返す映像たち。
ここから先、出来ることはもう、プロモーション系のことだけだ。
帰宅して、圧縮ファイルの書き出しもしようなんて、思っていたけれど。
結局、手を付けなかった。
もう、お任せした方が良いのだ。
そこはなんとかしてくださるはずなのだ。
手を離れた。
今、おいらは出来ることは、一つ完全に終わったのだ。
もう、祈るしかできないのだ。願うしかできないのだ。
届くと。
信じるほかはないのだ。
刺さると。
思い込む以外は出来ないのだ。
でも、確信している。
そこに乗れば。
そのテーブルにさえ辿り着けば。
おいらは、そう確信しながら。
でもやっぱり、祈ってしまう。