2017年04月02日

委ねること

整音用のPCの設定が終わったとの連絡が来た。
本当に新規のPCを購入するなんて、例え、これを機に・・・と言われても、なんというか恐縮してしまう。
ただ、確かにこれで、作業が大幅に短縮されるのは間違いがない。
少なくても、MA助手の方のMACを預けて・・・という事はなくなって、自分のPCで作業が出来る。
環境的にも、フェーダーのついたコントローラーや、複数液晶モニターでの作業が可能になるはずだ。
今からHDMI変換ケーブルを購入しに行くなんて、連絡も。

整音作業だからヘッドフォンをつけて、映像を見ないでもある程度は出来ると思う。
混ざっているかとか、音声のバランスとかに映像は必要ない気もする。
でも、映像を凝視しながら作業されていたことを思い出す。
映像を観て、音があっているか確認しながらやっていくと言っていた。
そして、たった一つの足音を、整音していた背中をおいらはみた。
その瞬間に、なんというか、おいらは、深く安心したのだ。

とは言え、効果音の部分とか、やっていくうちに疑問も出るだろうと思っていた。
だから、時間が空きそうなタイミングで連絡して、本日、午後から、作業しているスタジオに出向くつもりだった。
けれど、大丈夫ですとの連絡が来る。
ある程度、下地の整理をしてから来てもらった法が多分良いので・・・と。
完全にお任せしちゃったら、申し訳ない・・・なんて思いもおいらの中にあったわけだけれど。
むしろ、完全にお任せいただいて、ある程度結果が出てから、観に来てほしいという連絡。
なんて、頼もしいというか・・・。
もちろん、心配な部分なんて欠片もない方だから、願ってもない話だ。
そうなれば、もう、下地が出来てそれを確認に行くのが楽しみなだけだ。

それならと、出来る作業だけ家で少しずつ。
まぁ、今はそれほど多くはない。
地道な部分だけだった。

今、まさに映画「Seven girls」が出来上がっていくタイミングで。
やれることがわずかというのも、なんとも、歯がゆい。

夜になって、照明をしてくださった方がチャット上でオンラインであることを確認する。
思い切って、アクセスしてみると、返信が帰ってきた。
エンドロールのスタッフロールについて確認。
どうしても、照明助手について、わからないままだった。
それで、わかったのは、なんと、照明助手はいなかったということ。
とても信じられないことだけれど、照明は一人でやっていたのだ。
それも、あの日数であのシーン。
とんでもないきつい仕事だったはずだ。
確かに、撮影部の助手さんも手伝っていたし、仕込みやバラシでは録音部も手伝っていたことを思い出す。
実際に、撮影現場では、積極的に役者も、照明の土台になる箱馬を設置したり手伝った。
大変だったけど、皆様のお手伝いのおかげだなんて、返信が来る。

映像を何度も繰り返し確認しているおいらは、照明のすごさが身に染みるほどわかる。
実際にどこに照明が置いてあったのかまで知っている。
夜間の外の撮影もあったし、自然光が多い場面もあった。
室内にしても、夜であったり、朝であったり、全て照明で表現してある。
あれが一人というのは、誰も信じないんじゃないだろうか。

仕込みの日と、バラシの日を一気に思い出す。
元々美術的に部屋に設置しておいた照明の配線周りのことだとか。
録音部のスタッフさんと一緒に、深夜までバラシをしていたことだとか。
照明さんと、一番話をした俳優は多分自分だなぁと思うけれど。
不思議と、本番よりも、一緒に作業していた時間帯を思い出す。
やはり、おいらは、現場の作業が好きだし、絶対に表からは見えない裏の部分に真実があると思っている。

あの現場は、スタッフさんからの話を聞くと。
より、凄みが増していく。
とんでもないことをやっちゃったもんだなぁと、つくづく思う。
撮影初日前の打ち合わせでは、誰も撮りきれると信じていなかった撮影だった。
だからこそ、綱渡りの中で、全員が集中して、最大限の仕事をしたのだ。
そして、そういう現場ではストレスで怒号が飛ぶようなことがありそうなのに。
そんなことも一切なく、撮影に取り組んでいたのだ。
なんだったら、冗談が飛び交うような現場だったのだ。

打ち上げを兼ねた試写会でまた会いましょうと伝える。
そうだ。
そういう全員の作品なのだ、これは。

今もだけれど。
たくさんの方々に、委ねて、お任せして、この映画は出来てきた。
奇跡なんて起きないと思っている人がいるなら、この映画を観てほしい。

だって、この映画そのものが奇跡なのだから。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 04:21| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする