色々あった。打ち上げて、二次会に行って、朝まで飲んで、始発で帰って、起きて、稽古場にいる。
そう、今、リアルタイムで、稽古場でこのBLOGを書いている。
さて、どこから書くべきか。若干残るアルコールの中で記憶の糸をたどる。
結果から言えば、きっと、試写としては、ダメダメだったと思う。
店を取ってくれた後輩に聞いていた話と、機材状況がまるで違った。
HDMI経由で映像を送るつもりだったけど、認識しないし、音声も出なかった。
スクリーンがあって貸し切りのパーティールーム的な場所と聞いていたのに、いわゆるカラオケパブ的な空間だった。
もちろん、スタッフさん、俳優陣がどんどん集まっていくから。
なんとか、映像は出さなくてはいけない。
もう直結で、HDMIからプロジェクタに映像を送った。
ネイティブな映像では、映像を送信できなかったから、事前に書き出しておいたMP4をPCに表示して、そのミラーリングにする。
音声はアンプに直結させた。
どういうわけか、そのアンプがうっすらリバーブがかかっていて、ただでさえスピーカーの位置がめちゃくちゃなのに、音声のバランスが、とれなかった。
しかも、クライマックスで、一度、ブレーカーが落ちて、映像が止まるというトラブルまでおまけつきだった。
映像は、明るい中で表示させるプロジェクターだから、輝度設定が異常にあがっていた。
撮影監督の吉沢さんは、これだったら、見せたくないと感じたし。
音楽監督のトオルさんは、これが本当の音だと思われたくないと思ったし。
もちろん、後日試写室での試写があるとしても、より完璧なものを見せたい思いは、恐らく、監督にもおいらにもあった。
製作側としては、こんなんじゃないという思いがある。
・・・というか、おいらが誰よりも一番、試写室で観たいと思ってる。
それでも、映像が終わり、拍手が起き、涙を流している俳優たちを見て、一瞬でそんな心配も吹き飛んだ。
狭い店内で、撮影という時間を共有した皆で、一つのスクリーンを観る。
それも、編集後初めて、それがどんな映画になっているのか知っていく。
ああ、これはある意味、必要な時間帯だったのだと、感覚で理解していく。
映像を見ながら、耳打ちで話しているメンバーや、見入っているメンバー。
自分が出ていないシーンで、どんな撮影をしたかもわからないシーンを観て驚いたり。
確かに、試写室では出来ないような、酒を飲みながら、映像を見ていくという特殊な時間だった。
映像も、音声も、パーフェクトではない。
それなのに、声を出して笑い、涙を流して泣く。
恐らく、試写室では、他で観ている人を気にして、笑えないような場所も笑える空間。
暖かい空間。
監督を中心に、何人かで作り込んできて。
この瞬間から、全員にとっての”ワタシの映画”になっていく瞬間。
エンドロールが流れる頃には、皆、静かに見入っていた。
そのあと、役者もスタッフもなく、全員で呑む。
あちらこちらで、笑い声が漏れる。
熱くこの作品について話す声が聞こえる。
ああ、一次会だけでは終わらないだろうなぁと、しみじみ思う。
帰ろうかと思ったけれど、スタッフさんが一人でも残っているうちは帰るつもりはなかった。
打ちあがったなぁ。
そして、たくさんのパワーをもらった。
今日から、皆の作品なのだ。
そして、この作品なら、きっと、どこまででも行けるという声を役者からもスタッフささんからも頂いた。
このBLOGも、次の段階だ。
目の前で稽古が始まっている。
昨日まで映画の内容を知らなかったメンバー。
映画を観た後、芝居が変わるかな?
見た目は変わらないかもしれないけれど、変わっていたりするかもなぁ。
さあ。
おいらも、稽古に参加するんだ。