2017年03月16日

グレーティングチェック

映像の総仕上げの前のチェック日。
監督が仕事で少し遅れるとのことで、先に向かう。
撮影監督の吉沢さんと、同じく、撮影の山崎さん。
既にグレーティングは始まっていて、到着するなり、ここのシーンなんですけど…と始まる。
もちろん、監督次第ですよと答えるしかないのだけれど、その時点で、ドキドキし始める。

時間をみて、監督を迎えに。
二人で、差し入れの買い出しをして、もう一度向かう。
そして、本格的に、グレーティングチェックが始まった。
吉沢さんの気になっている映像から確認していく。
・・・ここなんですけど。
監督が見てOKを出したり、微調整を続ける。

ある程度、進んでから、他で気になっている部分はありますか?と、聞かれる。
何十回も観てきた映像だから、もちろん、すぐに思い浮かぶ。
自然光の照り返しが変になっている箇所や、他もいくつか確認。
おいらは、観ているだけで、監督と撮影監督にお任せで良いと思っていたけれど。
想像以上に、色々と聞かれて、色々と確認することが多かった。
もちろん、データをどんなふうに持っているか、その後どうすり合わせていくかも含めて。

ある程度、チェック確認後、部屋を暗くして頭から全て通して観ていく。
撮影データから始まって、切り出して、配置して、確認してを何度も何度も繰り返した映像。
何十回も観ているから、変化がある場所はすぐにわかる。
色味だけじゃなくて、ちょっとした動きまで、修正箇所が手に取るようにわかる。
全体的にバラバラだった色味が統一されていることもわかった。
ふとした瞬間に、今まで感じなかった感動が増えているシーンもあった。

そのあとの調整はじっくり。
もちろん、今日中に終わる作業じゃないから、直しの利かないところを中心に。
グラフィックボード2枚のパワーは自動計算のスタビライザーも短時間に計算する。
やはり、冒頭の部分とラストの部分がどうしても中心になっていく。
モニタで確認しながらも、スクリーンだとこう出るというのも想定しながら。

ある時間になったら区切って、食事に行く。
食事に行くことは、決定だろうなと思っていたから、時間をみて切り出した。
呑もう飲みましょうと話していた吉沢さんと初めて、杯を酌み交わす。
刺激的な映像現場の話は、すべて自分の身になっていく。
某有名俳優の話や、某有名ドラマの話。
おいらは、芝居を始めた時、先輩と呑んでたくさんのことを教わった。
呑みの席があれば必ず顔を出して、先輩の隣にへばりついて、話を聞いていた。
酒の席になって出てくる話は、やはり、勉強になる。

自然、セブンガールズの話にもなる。
この厚い内容を5日で撮影したこと。
舞台をやっているおいらたちが思っている以上に、すごいことなんだと言ってくださる。
そして、撮影時のチームワークが感動的だったとまで・・・。
もっと良くしたいって思うんです!なんて言ってくださる。
アルコオルが、ふわりといい気分にさせる中で。
この作品への思い入れが、様々な角度から集まっていることが、心にしみこんでくる。
山崎さんの好きなシーンの話ひとつとっても、それだけで、この作品を製作した意義にまで感じてしまう。

店が終わる時間にお開き。
監督とも別れてから、電車内で反芻していたら、あっという間に立ったまま眠ってしまった。
壁によっかかっていたとは言え、よく倒れないで、寝過ごさないで済んだと思う。
細かい部分の修正が済んだ時、どんな映像に生まれ変わっているだろう?

夢の中では、あの撮影現場の日に戻っていた。
あそこで確かに、限られた時間の中で、おいらたちは撮影をやりきったのだ。
間違いなく、映画にはその空気がにじみ出ている。
吉沢さんと山崎さんも、あの空気の中にいたのだから。
映っている映像も大事だけれど、映っていない空気も映画の中に閉じ込めていくような作業だった。

この映画は。
映画の上演時間の数十倍の時間の物語が裏に流れている。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 04:17| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする