音楽監督からざっくりなスケジュールの問い合わせ。
最終的な楽曲のゲージを微調整までやるにはどうしたらいいのか。
MA前なら、MA後にバランスが変わってしまう。
MAの日に来てもらうのが一番な気もするけれど、後はスケジュールの調整次第。
MAが終われば、音声は固まる。
それまでに、効果音も考えなくちゃいけない。
考えてみれば、ラフミックスなMAを聞いて効果音を探すようでは駄目だと気づく。
最後のアフレコを合わせたラフミックスをMA前にもらわないとだ。
撮影監督からも連絡が来る。
音声の次は絵だ。
カラーコレクションに入る。
その為のデータの受け渡しをどうするかという状況だったけれど。
撮影時にもいらっしゃった助手さんの電話番号を頂き、急きょ連絡。
明日の夕方にHDDを持っていくことになった。
直接、PCで開くか確認できるならそれが何よりも一番だ。
それから、HDDの中身の調整に入る。
どうも、Davinciのファイルがどこに保存されているのか皆目見当がつかない。
まぁ、もちろん、明日、PCも持っていくから、なんとかはなるのだけれど。
書き出したデータは間違いなくHDDに保存できているのに。
最新のファイルを見ても、どこにもない。
まさか、レアデータのXMLに上書きされているのだろうか?
ちょっとよくわからないけれど、明日ハッキリするのだろう。
映像の仕上げ。
音声の仕上げ。
同時進行で、テロップ作成。
そして、情報系のまとめ。
仕上げ工程が両方終われば、それを合わせたデータを作成する。
合わせたデータを、今度は、映写機で回せるDCPに変換作業がある。
海外の監督は自分でDCP作成までやるらしいけれど、日本では業者がやるようだ。
映写機でちゃんと認識されるのか確認するには、やはり業者が安心なのだろう。
完パケが出来れば、関係者試写も待っているかもしれない。
1カットだけ心配な個所がある。
ホワイトバランスのトラッキングなんてできるのだろうか?
とっても心配だけれど、それも明日わかるか・・・。
明日行く土地が、なんとも、自分にとってのなじみの深い土地だった。
自分が何度も足を運んだ場所。
そして、おいらが、間違いなく初舞台を踏んだ場所だ。
ああ、そこに行くのか。
20年以上ぶりなんじゃないかなぁ。
今日はここでおしまい。
明日も起きたら、情報系のまとめと連絡がいくつか。
そして、夜には、カラーコレクションのデータ受け渡しからデータチェックだ。
なんというか。
なんというか。
ここまで経験できることを幸せに思わないとと、つくづく思う。
今、映画で活躍する・・・それこそ、今日、日本アカデミー賞の授賞式にいた俳優たちでさえ。
どうやって、最終仕上げが行われるか知らない俳優も多いはずだ。
そんな知識なくったって、芝居は出来るし、良い役者は生まれるけれど。
おいらは、知らないよりも知っていた方がいいって思う。
舞台でも今まで、そういう知識が何度役立ってきたか。
もちろん。
自分の経験のためではない。
これは、おいらの責任だ。
このプロジェクトを立ち上げて。
たくさんの人を巻き込んで。
ご支援いただいて。
そんな責任をおいらは背負っているからだ。
でもまるで、これは、決まっていたことのようじゃないか。
初舞台の土地に向かう事さえ。
まるで、20年以上前から決まっていたかのように思えるよ。