明日のアフレコのために、再度、映像のチェックに入る。
KORNさんが整音した結果、小さくて聞こえなかった声が前に出てきて聴こえていたりする。
ああ、じゃあ、ここはアフレコしないでもまぁまぁ成立するんだなぁ…なんていうのもある。
特に、オフマイクだったセリフが、意外にEQで持ち上がっていて驚いている。
出来れば明日のアフレコは、監督の演出的なアフレコをメインにしたいなぁと思っている。
もちろん、まだ、アフレコしなくちゃいけない部分がいくつか残してあるのだけれど・・・。
そもそも音声収録していなかったり、まったく声がなくなっている部分から先週はやったから。
今週は、クオリティアップになるようなセリフを抜き出して、やっていければ。
そう思って、もう一度、頭から観ていった。
観ている時間、ただ再生マシンにしておくのももったいないので、映像も書き出す。
海外映画祭に提出した映像は、カラコレ前で、生々しすぎるので軽くフィルターをかけてある。
フィルムフィルターと軽いコントラストだけだけれど。
だから、今度は映像そのままの生の色のままのデータを書き出した。
来週以降に始まるであろうカラコレ前に、撮影監督に色味を観てもらおうと思ったからだ。
事前にどんな発色か確認できればと思った。
もちろん、忙しい人だから、見る暇なんかないかもしれないけれど、少しでも確認できたら。
そう思った。
カラコレにおいらが同席する予定は今のところないけれど、同席するのかなぁ。
予定が決まって、データをどう持っていくかで大きく変わるだろう。
今見ている映像は、まだ仮の映像だ。
カラーコレクションで、どのぐらい映像が変わるのか、色々観て、何度も驚いている。
これで、この映像を観る人がまた一人増えることになる。
今、実際に、この映像を観ている人ってどれぐらいいるのだろう?
監督とおいらと、音楽監督と、KORNさんと、加藤Pと、古賀P。
それに、シナリオ修正をお願いしたりしたメンバー。
あとは、字幕製作会社の方、海外渉外担当の方、ぐらいなのだろうか?
すでに、この物語の原作である舞台すら知らない人も見ているんだなぁ。
仕事目線で観ているとはいえ、どんな感想を持っただろう。
何も知らない人が、初見でどんな風に感じたか、それが知りたい。
時間をかけてセリフにかけたLRパンは、結局書き出せないとわかった。
他の作業もあるから、KORNさんに、定位は一任する。
おいらなんかよりも、早く、そして空間演出に近いパンナーが出来るのだからその方が良い。
おいらはおいらで、まだまだやることが山ほどあるのだから、そっちに集中しよう。
通しでもう一度観ていたら、こんな時間になっちゃったな。
何度観ても発見がある。
ビデオのない時代、映画は殆どの人が一度しか見る機会がなかった。
その代わり、映画館入場料は、今よりもずっと気軽に入れる値段だったから。
気に入った作品は、何度も足を運ぶなんてこともあったようだ。
娯楽の王様と言われたころの映画の話だ。
今は、ビデオからDVD、Blu-ray、ネット上映と、幅が広がった。
テレビドラマでさえ、パッケージ化されて、二次利用される時代だ。
だから、繰り返し観て、楽しい作品と言うのは、大きな魅力になるとおいらは思う。
この作品は、一度観ると、もう一回観たくなったりする要素もたくさんある。
後半に行けば、前半を思い出し、もう一度確認したくなるような映画だ。
最近のヒット作には欠かせない要素なんじゃないだろうか?
本当はね。
支援してくださった皆様に、誰よりも早く観てほしいなぁなんて思っている。
でも、同時にぐっと我慢もしている。
この作品を映画化したいという思いに同意してくださった皆様のためにも。
日本国内で、完成披露して上映館を探して…という道だってなくはないんだから。
でも、その前に、海外に持っていく。
まだ完成していなくても、持っていく。
そして、海外の映画祭や、マーケットのスケジュールに合わせて、完パケを目指している。
それは、世界に持っていくという目標までを含めて、応援してくださった皆様の思いだと思っているからだ。
そうやって、世界を旅してから、日本に逆上陸する。
その日まで、待っていてほしい。
何度も繰り返し観ているのがなんだか、申し訳ない。
今日も感動しているおいらがいる。
明日のアフレコもしんどいかな?
でも、明日は〆切があるわけじゃない。
少しだけでも、飲んで帰りたいけどな。