昼過ぎに、無事入稿。
書き出しが終わったのは良いけれど、そのあとのアップロードも時間がかかった。
長編映画はデータ量がすさまじく、いちいち、作業的に重くなっていく。
映像コンテンツの最大の弱点だ。
アップロードして納品して、ようやく一安心した。
日中、無事、入稿できた連絡。
良かった。
これで、字幕製作がはじまるという事だ。
おいらの知らない場所で、セブンガールズを知らないスタッフさんが作業を開始する。
それは、ちょっと、信じられないようなことだ。
考えてみれば、普通に国内上映だけするなら、字幕というのは考えないで良い。
このプロジェクトが、海外に挑戦するという趣旨だからこそ、字幕という作業が入るのだ。
映画祭へのエントリーだけではない。
海外の映画マーケットにも、この作品を出す。
近日中に、キャッチコピーやチラシ、あらすじなどを用意して、それも英語にしていく。
DVDも製作して、海外でのセールスがはじまるのだ。
その第一歩が、字幕製作という事になる。
日本語の映画を、世界に持っていくには、どうしても言語の壁がある。
日本の文化にとって、言語の壁は、常に乗り越えなくてはならない課題だ。
小説も漫画も映画も舞台も、どの文化でも、言語の壁をどう乗り越えるか、必ず一度考える。
それでも、世界に向かうべきだとおいらは思う。
もちろん、経済的な理由で、海外までマーケットを広げないと映画製作は厳しくなっているとも聞くけれど。
そういうことだけではなくて、何かを発信するならば、世界に目を向けないといけないとおいらなんかは思う。
・・・なんて、言いつつも、日本の大手映画会社が、ここ1~2年で、営業利益を回復しているのは、国内に目を向けたからなんだけれど。
漫画原作の映画や、特定の年齢層に絞った恋愛映画など、国内の映画館の回転が上がるような作品を量産している。
それは、実際に功を奏していて、2016年度の映画会社は、ヒット作もあって、非常に安定していた。
まず国内の動員を増やすことこそ、映画のすそ野を広げることだというハッキリとした目標は、素晴らしいと思う。
そして、それが実際に結果を出しているのだから、それ以上のことはない。
ついに、ハリウッドなどの海外映画の動員を邦画が超えたなんてニュースまで目にした。
そういう意味では、国内にマーケットを絞るというのは間違ったことではないと思う。
それでも、やっぱり、世界に向かうべきだとおいらは思う。
本当は日本までバイヤーたちが面白そうな世界が知らない作品を探しに来るのがベストなのだろうけれど。
そういう待ちの姿勢ではなく、積極的に世界に打って出るというのは、大事なことなはずだ。
なぜなら、営業利益とか、経済的な部分とかではなく、映画というのが作品であるからだ。
そして、舞台と違って、パッケージ化できるどこにでも持っていけるものだからだ。
普段、劇場という空間に縛られているおいらからすれば、それを見せられる人が世界中にいるということがどんなことかすぐにわかる。
作品である以上、より多くの人に届けようと努力することは、必要不可欠なことだ。
そうでなければ、作品製作は、ただの自己満足になり下がる。
日本人であれば、字幕なんかなくても、楽しめるようになってる。
まぁ、当たり前だけれど。
そして、英語をスラングまで含めてマスターしているような人間じゃないと、字幕のチェックすらできない。
だから、伝言ゲーム的に、意味や演出意図が変わっている可能性もある。
それでも、おいらは、字幕を付けて、世界に出るべきだと思うし、それを目標としてきた。
それこそ、カンヌに行けば、その英語を更にフランス語に翻訳したり、ヴェネチアならイタリア語に翻訳したり。
本当に伝言ゲームになっていくのだから、キリがないともいえる。
DVDやブルーレイをみるときに、字幕表示というメニューがあると思う。
それをみればお分かりの通り、実は、字幕というのは映像とは別でデータを持つのだ。
映画のパッケージにタイムコードで同時に走らせる字幕データが入る。
映像編集のシーケンサーに字幕のデータを乗せるのであれば、あとから編集も出来るけれど。
字幕データが完パケしてしまうと、タイムコードがずれてしまうというのはそういう事だ。
だから、もう、映像をいじるとしても、色の調整とか、タイムコードが変わらない部分しかいじれないことになる。
もしくは、完パケが出来る前までだ。
もちろん、映像の差し替えや、テロップのフォント修正やタイトルの変更などはいくらでも出来るけれど。
帰宅して、納品データをもう一度確認してみる。
あちゃあ。途中、ワンカットだけ消えていた。
恐らく、音楽貼り付けの時に、間違えて削除してしまったのだろう。
ほんの3秒だけ、ブラックになっていた。
とりあえず、シーケンサー上では修正をしておいた。
字幕製作上はあまり関係のないカットだったから、とりあえず、指摘されない限りは大丈夫だと思うけれど。
音声のLR振り分けを少しだけ進める。
でも、さすがに、集中力がもう残っていなかった。
前日の夜から、昼過ぎまで、納品データ作品で、ピリピリしていた分、どうしても、どこかが緩んでくる。
どうせなら、のんびりと納品映像をもう一度観るぐらいのほうが良かったかもしれない。
すぐにヘッドフォンをつけた、耳が終了した。
OK。
続きは明日だ。
色々修正出来たら、XMLやら、OMF、AASなどなど。
AASは、すでに一度書き出したから、なんとなくはわかった。
別データでの書き出しを今度は試していくことになる。
書き出したところで、内容の確認方法がないんだけれど。
いよいよ、完パケ版に向かっての道がやってきたのだ。
今、この映画の字幕製作が始まっている。
字幕は、翼だ。
海を越えていくための翼だ。
セブンガールズに、今、翼がつこうとしているんだ。
どこまでだって、飛んでいくことが出来る翼が付くんだ。