帰宅するなりシナリオを修正する。
どこを編集したかわかっているから、すでに修正済みのシナリオの一部分を直していくだけだ。
直していると、音楽監督から音楽の差し替えデータが届いた。
ダウンロードして差し替えていく。
ここにきて、監督発注の新曲も数曲。
残り数時間の勝負だ。
セリフ音声のLR振り分けは早々に諦めた。
40分超まではやってあるし、後半は比較的音声もクリアになっている。
初日撮影分の、ピンマイクが少なくて、ガンマイクが多かったシーンの音声が一番の問題だからだ。
もちろん、納品後に修正していくのだけれど。
今回の字幕製作会社への納品は、とりあえず、ここまでとする。
音楽の差し替えが終わった頃に音楽監督から電話。
監督と電話で話して、エンディング曲を当初の予定に戻した方向になった。
KORNさんから届いたデータをアップロードして、音楽監督に送る。
あとは、音楽監督からのリターンが届き次第、張りなおして修正するだけだ。
シナリオだけ先行して納品してから、日曜に編集した冒頭部分のタイミングの微調整に入る。
ここには、確実に字幕が入るのだから、確定しておかなくちゃいけない。
丁寧に、音と映像の一番美しいタイミングを計って、カット切り替えなのかフェードインなのか調整していく。
音楽監督が指摘したシンプルな問題が解決されていくのがわかる。
修正完了してから、音楽監督からのリターンをダウンロードして貼り付け。
問題がないのを確認してから、PCをいったん、再起動。
メモリ空間を空にしてから、全編の書き出しに入る。
ところが、ここで、問題が起きる。
エラー終了を繰り返したのだ。
どうやら、納品データを少しでも美しくしようと、データを重くしたのが問題だったようだ。
書き出しの際の一時データが膨大になって、HDD容量がピークを越えてしまうのだ。
一時データを削除して、再起動をかけてから、再度の書き出し。
けれど、残り8分で止まってしまって、そこから残り時間が少しずつ伸びていく。
もう、朝になっているのに・・・と思ったまま、眠ってしまった。
一時間後に起きるも、やはりエラー終了。
抜本的な問題だなと思って、思い切って、映像の圧縮率を変更する。
やはり、字幕業者に納品するからと、欲張ったのがいけなかった。
それに、納品するのだから、あまり重いデータでは失礼かもしれない。
再度書き出し設定を調整していく。
やはり、残り8分で止まってから、徐々に残り時間が増えている状況。
それが、リアルタイムな今。
本日中の納品のために、何か所か連絡しておく。
今も、おいらのPCは、ウンウンとうなりをあげて作業をしている。
ヒートファンが止まらずに回転し続けている。
この書き出しが成功したら、再生してみて、問題がなければアップロードする。
プログレスバーが動く気配がしない。
でも、確実にエンコードが進んでいる。出力プレビューが止まってるわけじゃないんだ。
大丈夫。そうはいっても、ここから何時間もかかるわけではない。
がんばれ、おいら。
がんばれ、PC。
がんばれ、CUDA!!
ああ。
映像が決まった。
映像は色調整を残すのみだ。
あっても、テロップ修正などだろう。
音関連は、アフレコ、MAまでまだ続くけれど。
完成に向かっていることを実感する。
そして。
いよいよ、まだこの物語を知らない人に、この映像が届く日がやってきたのだ。
字幕製作会社の方は、舞台も舞台版の映像も観ていない。
もちろん、感想をうかがうことなんてないのだろうけれど。
そんな日がやってきたのだ。