2017年02月19日

アフレコ前夜

編集に伴って変更があったので修正したシナリオがある。
字幕製作に提出しているシナリオだから、これが変更する可能性は限りなく低い。
これをまずプリントアウトする。
監督用、エディター用、俳優用、予備の4部。
そのうちの一部と蛍光ペンを用意して、PCとテレビを繋げる。

テレビのスピーカで、再度モニタする。
PCのスピーカよりも更に、音質が悪い。
オーディオインターフェース経由のヘッドフォンで聴いた後だと余りにも貧弱な音声。
その状況下で、どの程度セリフが聴こえないか、ダメか、チェックしていく。
ヘッドフォンなら聞こえるけれど、一番貧弱なスピーカで確認しようと思った。
どこをアフレコするのか、全て書き出しておくだけで、アフレコがスムーズになる。
優先順位は、ない音声から、修正、ノイズで、演出的なアフレコがあるならそれは最後になる。
基本的には芝居をした時の音声を生かした方が良いというのが大抵の意見だけれど。
意外にも、監督や音楽監督は、そこまで気にしていない様子だった。
スムーズに進めばいいなぁと思うけれど、どこまで行けるかの勝負になる。

一巡終わって、主なシーンを、今度はインターフェース経由のヘッドフォンで確認していく。
やはり、テレビのスピーカと比べて、確実に聞こえなかった部分が聴こえてくる。
そして、ノイズが乗った音は、ヘッドフォンを通してしか聞こえない。
テレビでは普通の声だったのに、ヘッドフォンだと、ザラザラだったり、他の音が乗っていたりする。
両方で確認しておきたかったのはそういう事だ。
明日を越えれば、今度はいつアフレコ出来るかもわからない。

明日は本来なら頭のシーンから順番にアフレコしたいところだけれど。
時間の制約がある俳優もいる。
この俳優のアフレコだけ先に済ませて、そのあとは順番で・・・という流れになっていくだろう。
時間をみて、場合によっては若干滑舌の甘いぐらいの箇所などは、飛ばしてしまうかもしれない。
流れでわかる部分も多いから、あえて修正しない方向もある。
長時間待機してくれる俳優もいるけれど、そこに甘えるようなこともしたくない。
とにかく、映像として成立するだけの音声を優先的にまずRECするしかない。

もししっかりやれるなら。
そのシーンに登場している役者を全員ブースに呼んで。
シーンを丸々観てもらう。
その時、監督にはヘッドフォンで確認してもらう。
その中から、これとこれは、録音とピックアップして、どんどん録音する。
そんなやり方だったら、余すことなく、全ての音声収録が出来るのだけれど。
時間を思えば仕方ないか・・・。
役者に、じゃぁ、このセリフだけ、アフレコお願いと言って、その部分だけ見てもらうのもなんだか申し訳ない気持ちも。
監督は映像を確認してくれているだろうか。忙しいからアフレコ当日にと思っているかもしれない。

なぜなら、役者たちのほとんどが、未だ、編集後の映像はおろか、撮影した映像すら見たことがないのだ。
どんな映像でそれをどんなふうに編集して、それがどんな形になっているのか。
もう、想像の世界にしかないはずだ。
だから、ちゃんとシーンごと見てもらって、前のシーンとのつながりや、後ろのシーンへの受け渡しも知って。
その上でのアフレコが本当は望ましいんじゃないかという思いがある。
準備、休憩を含めれば、6~7時間しかないのだから、さすがにそこまでは厳しいだろうなぁと思う。
まぁ、役者の中には、映画館で観るまで観たくないというメンバーもいるから行って来いだけれど。

まぁ、まずはやってみるまでだ。
ブースのっ作成からになるけれど、それが早く終われば終わるほどRECする時間も増える。
殆どの俳優は待ち時間ばかりになるだろうけれど、それはそれで。
ちょっとだけ見たら、全部、観たくなっちゃうだろうなぁ・・・。

さて。
荷物をまとめて。
耳掃除をしてから眠ろう。
明日は耳の疲労が激しいのはわかりきっている。
それにしても、シナリオ4部を含めた荷物は大きそうだ。

やれるだけやろう。
順調に進むと思うな。
トラブルも含めて。
とにかく、ほんの一歩でも前に進んだ作品を海外に運ぶんだ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:30| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月18日

編集状況の確認

春一番の吹いた日。
明らかに生暖かい強い風が吹いた。
海沿いを走る電車などは軒並みダイヤを乱していた。

夕方ごろ、古賀Pの事務所に向かう。
背中にはモバイルスタジオ。右手には外付けハードディスク。
最初に映像データを受け取った時の外付HDDに、今日までの編集データのバックアップをしておいた。
HDDの返還と同時にデータの受け渡しをしておこうと昨晩、BUしておいた。
中には元々の映像データ、後から受け取った音声データ、配置してある音楽データ。
それに加えて、編集データ。Avid用のAAF。音声用のOMF、FinalCutPro7でも開けるXMLも書き出しておいた。
このハードディスクさえあれば、どんなことだって出来る全てのデータだ。

先日のオフライン試写の際、一度、データの整理も含めて逢いましょうかと言われていた。
多分、半日ぐらいあれば、ある程度の作業が出来るからとのことで、一日開けようとしていた。
けれど、都合の合う日程的に、出来れば夕方でお願いしたい旨をお伝えして快諾頂いていた。
もし、半日かかるとすれば、帰宅がいつになるのかもわからないから簡単に腹ごしらえをしておいた。

事務所に到着して、まずHDDを渡す。
これ、バックアップなので、自由にやってくださいと伝える。
XMLをFinalCutPro7で開いて観ると無事開いたけれど、リンクの張り直しが必要なようだった。
これでは、読み込みに時間がかかるから、PCでPremiere CC PROのデータを見せることになった。
外部HDDをつけずにそのまま立ち上げていると、あれ?ハードディスクは・・?と聞かれた。
そう、メインマシンの中にデータディスクも入っているのを知らなかったのだ。
内部HDDの方が当然アクセススピードが速い。
ただでさえ重い映像データなら、なるべくPCと直結したエリアにデータを置きたかった。

シーケンサーを立ち上げて、現在の編集を観てもらう。
映像はすでに、特別なマスクなど以外は1トラックにまとめてある。
音声は、1~2トラックにビデオ音声、3トラックにガンマイク、4~10トラックにセリフ、11、12トラックに音楽。
その全てを見せていく。
マスクや、テロップの確認もしてもらう。
全ての音声は貼り付け済みで、セリフは切り出してあり、LRパンナーも振ってある。
パンは、MAでも良かったかもですよ・・・ふむふむと、データをチェックしていく。

そのあと、今後のスケジュール、日程の確認。
最短で完パケが必要になるとすれば、このぐらいという日程の逆算で考えていく。
今週の出展、来月のマーケット、MA予定日から、カラコレ可能な日程も絞っていく。
カラコレ用に、必要なデータ形式を教わる。
その書き出し方も、考えておかなくてはいけない。
QuickTime形式のロスレス形式での書き出しで、カラコレに挑むと聞いたけれど。
結局、それをどうやって書き出すか迄はわからなかった。
(帰宅して確認したら、なんのことはないロスレス=非圧縮。日本語になっていただけだった)

そこまでやったら、あっという間に終わってしまった。
半日はかかると思われた作業が、1時間半。
様々なデータの書き出しをしてあったこと。
思ったよりも、編集データの整理も出来ていたこと。
そういう全てが正解だった。
実際に、事務所についてから、書き出したら、数時間待機なんてこともありえただろう。
そして、スケジュールも、頭の中に全て叩き込まれているから、すんなりと進んだ。
いつがRECで、いつがMA。出展の〆切。そういうものが完全に頭に入っている。
そうなれば、逆算すればいいだけなのだから、早い。

アフレコの相談もする。
古賀Pの事務所にある機材、持っていって大丈夫ですよとのこと。
一応、物色して、ヘッドフォンと、フォーン×RCA変換ケーブル2本口だけ借りる。
これで、監督の音声状況をイヤフォンではなくヘッドフォンに出来る。
そして、変換ケーブルをインタフェースから、稽古場のステレオのアンプに接続すれば外音のモニタリングも出来る。
他の器材は、なくても大丈夫そうだった。

考えてみれば当たり前のことだ。
殆ど、編集の初心者と言っていい。
どんなデータになっているか、整理にどれぐらい時間がかかるか。
きっと、ぞっとしていたと思う。
対価を払ったプロのエディターであれば、怒ればいいけれど、自分でやっているのだ。
半日もあれば済むと思うけれど・・・という目算を立てるのが普通だ。
やりたいだけでやられても、整理だとか後始末が大変になる。
だからこそ、プロがいるわけだし、そこが違いになる。
それが、まさか、トラックをまとめ、ロックをかけて、音声も切り出してあって。
MA前なのにLRパンまで整理してあるなんて、想像していなかったと思う。
データはほぼ触らないまま、終わったのだ。

おいらは映像の編集を後ろで眺めたことが何度かある。
PCによるオフライン編集の段階ばかりだけれど、これが初めてではない。
その微かな記憶を頼りに、勉強しながらの作業だった。
中には、勘でやったこともあるし、逆に今まで利用していたPhotoshopなどの使用法からの予測もあった。
そして、音楽畑で、シーケンサー自体には馴染みがある。
自分で音楽制作をしたわけではないけれど、レコーディングをすればProtoolsのシーケンスを必ず見る。
タイムコードや、シーケンスについて、そもそもの違和感がなかった。
日曜のアフレコでレコーディングエンジニアまでやることになったけれど、それも、出来るなぁという自覚がある。
経験が、今のおいらを支えている。
今までの日々が、勉強が、ここにきて役に立ってきている。
自分の歌のレコーディングするときも、マイキングの基礎から勉強しておいたのだ。
知識があって、損することはないというのがおいらの考え方だ。

帰宅してアフレコ用のシーケンスを作成しておく。
本チャンのシーケンサーをコピーして、映像をタイムコード付きで書き出したMP4と差し替える。
MP4の音声データは消して、録音用のトラックを作成しておいた。
当日はRECだけじゃない。書き出して、データ受け渡しまでが勝負だ。

今日までの編集工程が、正しかったのだなぁと帰り道に改めて思い起こす。

そして、今日、確実にその編集工程のゴールが見えてきた。
もちろん、編集が終わったらそれで終わるわけではないけれど。
長い長い編集期間の終わりが見えてきたというのは、なんとも、不思議な感覚なのだった。

春一番の強風の残りが。
夜道で頬を撫でた。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:43| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月17日

色々なところで同時進行している

色々差し迫っているのを感じつつ。
ギリギリまで、どこまで、出来るのかスケジュールの確認をする。

現在、鋭意、字幕製作中との話。
そのセリフ量に、加藤Pも字幕製作会社から、小言を聞いたようだ。
そう、セブンガールズは、従来の映画の倍ぐらいの情報量が入っている。
そういうテンポの作品だ。
通常の映画なら1シーンじっくり撮影するような場面を、3~4つ合わせて1つのシーンにしている。
ど頭からほんの10分で、いくつものエピソードが始まる。通常じゃありえない登場人物が現れる。
それこそ、海外ドラマのようなスピードで展開していくのだ。
だから、同じような時間の映画の倍近いセリフが詰め込まれている。
字幕になったら、一体、どういうことになるのだろう。
映像付きの小説みたいになっちゃうんじゃないかとハラハラしつつも。
いや、そうはならないぞ。なるはずがないなという確信もある。
少なくてもおいらは、海外映画を観るときは、字幕に追われることはない。
読んでいるようで読んでいないし、読んでいないようで読んでいるというような状況だからだ。
まして、テンポのある映画の時は、逆に、気持ちよく字幕も見ている感覚がある。

その中でスケジュールの確認が出来た。
スケジュールを聞いて、今週、自分たちでのアフレコに踏み切ったことを正解だったと改めて思う。
加藤Pも、セリフが聴こえる状態で納品したいというような内容が書いてあった。
今週やらなかったら、それは不可能だった。

本日、劇団員の一人が、KORNさんのスタジオまで移動して、マイクを借りてきた。
なんと、レコーディング用のマイクだけではなく、念のためにピンマイクも借りてきたようだ。
音の質感が合わなければ、当日付けていたようにピンマイクで収録すれば変わるかもしれない。
基本的にはレコーディング用のマイクで、演者とマイクの距離感で質感を見つけてほしいと言われているけれど。
高価な機材を貸してくださることに感謝。
借りにいってくれたメンバーにも感謝。
小心者だから、ハラハラしながら、大事に運んだだろうなぁ。

KORNさんから、映像のDLをしたけれど、壊れていると連絡が入る。
ファイル転送でも時々そういうことが起きる。
もう一度アップロードしての、送信。
…ということは、OMFは無事インポートできたのだろうか?
ちょっとわからないけれど、試すと言っていたから、開けたのかもしれない。
ちゃんとしたMAの予定は来月だけれど。
海外映画祭への出展の前に、ある程度のバランス調整をお願いしている。
もちろん、忙しいし、日程的には相当厳しいけれど・・・。
可能ならお願いしたいと言ってある。
いわゆる、音楽で言うところのラフミックスになるのだろうけれど。
実際に、音楽でも、適バラなんて言って、バランス調整が先に来る。
環境音、セリフ、音楽。そのバランスが整えば、また一歩映画に近づいていくだろう。
細かいMAでの追い込みの前の適バラで、提出できれば、全然違うものになるという確信がある。
実際のMA時には、音楽監督のチェックも入れば、より完璧になるだろう。

明けて翌日は古賀Pの元にモバイルスタジオを持参で向かう。
映像データのアップロードをしながら、最初に預かっていた外付けHDDにそのまま今のデータをバックアップする。
これを持っていけば、同じデータを古賀PのPCでも覗けるようになる。
仮に更新しても、更新したファイルだけ渡せばよくなるのだ。
そこで、今後の流れ、作業工程について話すことになる。
もちろん、映画祭に出すデータ、マーケットに持っていくDVDもさることながら。
最終的には映画館で上映できるDCPにしていかなくちゃいけない。
それまでに、撮影監督同席の上でのカラコレも入るだろう。
どんなデータ形式が必要なのかなども含めて話をしておかなくちゃいけない。
それに、テロップもまだテキストデータのままだ。
Macで開けば、あっという間に見た目が狂ってしまうのはわかっている。
ベクターデータかなんかに変換の作業が待っている。
そこで、一応、アフレコについても、詳しく聞いておかなくてはと思っている。
効果音の追加をどうするかなども、話さないといけない。

データのバックアップは思ったよりも早く終わったけれど。
アップロードは想定以上に時間がかかる。
どうも、ネットワークのスピードが最近、落ちているような感触がある。
まさか、速度制限されてないよなぁ・・・。
そんなことされたら、これから先が大変なことになってしまうよ。

明日、色々打ち合わせと確認をして。
土曜には、その反映と、アフレコの準備に入る。
日曜には、アフレコをして、そのまま帰宅したら、データを調整してOMFの書き出し。
書き出しが終わったら、そのまま、アップロードして、ラフミックスのためにデータを送る。
20日の朝に届いた音声データのバランス調整をしてもらっている間に、おいらは納品データを作る。
そして、23日には納品したい。
ん・・・ラフミックスの時間があまりにも足りないか・・・。
それだけをやるなら余裕だけれど、現時点では空き時間にやってもらうしか手立てがないのだ。
仕事の驚くほどの速さは知っているけれど、たぶん、間に合うか間に合わないかギリギリのはずだ。
その時は仮だから2mixのデータを預かってもいい。
どうせ、送るデータの出力はLRのみなのだから。

海外映画祭のディレクターが、作品を観てくれるのだという。
具体的なことまでわかってきた。
本当に、海を越えるのだと実感している。
お国も生活習慣も違う土壌の人がこの作品をどんなふうに観るだろう?
もちろん、広く外に出せば、悪く言う人だって分母が増えた分増えるだろう。
そんなことは、とっくに覚悟の上なのだ。
きっとギリギリまで完成に近づけたら、その分だけ思いも届く。
そんな風に信じるしかない。

中身の濃い終末がやってきた。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:00| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする