編集に伴って変更があったので修正したシナリオがある。
字幕製作に提出しているシナリオだから、これが変更する可能性は限りなく低い。
これをまずプリントアウトする。
監督用、エディター用、俳優用、予備の4部。
そのうちの一部と蛍光ペンを用意して、PCとテレビを繋げる。
テレビのスピーカで、再度モニタする。
PCのスピーカよりも更に、音質が悪い。
オーディオインターフェース経由のヘッドフォンで聴いた後だと余りにも貧弱な音声。
その状況下で、どの程度セリフが聴こえないか、ダメか、チェックしていく。
ヘッドフォンなら聞こえるけれど、一番貧弱なスピーカで確認しようと思った。
どこをアフレコするのか、全て書き出しておくだけで、アフレコがスムーズになる。
優先順位は、ない音声から、修正、ノイズで、演出的なアフレコがあるならそれは最後になる。
基本的には芝居をした時の音声を生かした方が良いというのが大抵の意見だけれど。
意外にも、監督や音楽監督は、そこまで気にしていない様子だった。
スムーズに進めばいいなぁと思うけれど、どこまで行けるかの勝負になる。
一巡終わって、主なシーンを、今度はインターフェース経由のヘッドフォンで確認していく。
やはり、テレビのスピーカと比べて、確実に聞こえなかった部分が聴こえてくる。
そして、ノイズが乗った音は、ヘッドフォンを通してしか聞こえない。
テレビでは普通の声だったのに、ヘッドフォンだと、ザラザラだったり、他の音が乗っていたりする。
両方で確認しておきたかったのはそういう事だ。
明日を越えれば、今度はいつアフレコ出来るかもわからない。
明日は本来なら頭のシーンから順番にアフレコしたいところだけれど。
時間の制約がある俳優もいる。
この俳優のアフレコだけ先に済ませて、そのあとは順番で・・・という流れになっていくだろう。
時間をみて、場合によっては若干滑舌の甘いぐらいの箇所などは、飛ばしてしまうかもしれない。
流れでわかる部分も多いから、あえて修正しない方向もある。
長時間待機してくれる俳優もいるけれど、そこに甘えるようなこともしたくない。
とにかく、映像として成立するだけの音声を優先的にまずRECするしかない。
もししっかりやれるなら。
そのシーンに登場している役者を全員ブースに呼んで。
シーンを丸々観てもらう。
その時、監督にはヘッドフォンで確認してもらう。
その中から、これとこれは、録音とピックアップして、どんどん録音する。
そんなやり方だったら、余すことなく、全ての音声収録が出来るのだけれど。
時間を思えば仕方ないか・・・。
役者に、じゃぁ、このセリフだけ、アフレコお願いと言って、その部分だけ見てもらうのもなんだか申し訳ない気持ちも。
監督は映像を確認してくれているだろうか。忙しいからアフレコ当日にと思っているかもしれない。
なぜなら、役者たちのほとんどが、未だ、編集後の映像はおろか、撮影した映像すら見たことがないのだ。
どんな映像でそれをどんなふうに編集して、それがどんな形になっているのか。
もう、想像の世界にしかないはずだ。
だから、ちゃんとシーンごと見てもらって、前のシーンとのつながりや、後ろのシーンへの受け渡しも知って。
その上でのアフレコが本当は望ましいんじゃないかという思いがある。
準備、休憩を含めれば、6~7時間しかないのだから、さすがにそこまでは厳しいだろうなぁと思う。
まぁ、役者の中には、映画館で観るまで観たくないというメンバーもいるから行って来いだけれど。
まぁ、まずはやってみるまでだ。
ブースのっ作成からになるけれど、それが早く終われば終わるほどRECする時間も増える。
殆どの俳優は待ち時間ばかりになるだろうけれど、それはそれで。
ちょっとだけ見たら、全部、観たくなっちゃうだろうなぁ・・・。
さて。
荷物をまとめて。
耳掃除をしてから眠ろう。
明日は耳の疲労が激しいのはわかりきっている。
それにしても、シナリオ4部を含めた荷物は大きそうだ。
やれるだけやろう。
順調に進むと思うな。
トラブルも含めて。
とにかく、ほんの一歩でも前に進んだ作品を海外に運ぶんだ。