2017年02月28日

800GB

内蔵用HDDをドッキングベイに載せて、PCと繋ぐ。
まずは、exFATにフォーマット。
どのぐらいかかるかなぁと思ったけれど、やってみればあっという間。
1TBの広大な空間なのに、こんなものなのか。
すごいな…USB3.0。
あっという間過ぎて、いつ終わったのかもわからなかった。

今日はフォーマットして、明日は、カラコレ用のデータを書き出そうと思っていたのに。
こんなに一瞬なら、今日のうちに書き出してしまおうと、やってみる。

しかし、実は一抹の不安も。
映像業界ではフェイバリットな企画、apple PRORESという規格。
どうも、数年前からWindowsへのコーデック配信を止めているという噂が。
おかげ様で、その規格へのエンコードが出来ないとか出来るとか情報が飛び交っていた。
PRORESという規格はいわゆる、可逆圧縮方式と言われる。
YoutubeやDVD、Blu-rayでも、それこそ、テレビ放送もだけれど。
映像はデータが大きいから圧縮してある。
テレビの放送は圧縮したうえでデジタル配信しているのだ。

映像の圧縮は、1秒間に24コマなら、その1コマ1コマを圧縮していく形式と。
時間軸に沿って、あまり映像の変化のない所をグループ化して圧縮していく形式とがある。
そして、そのどちらも、非可逆圧縮と、可逆圧縮がある。
例えば、音楽でメジャーになったMP3には、人間の耳では聞き取れない周波数帯の音を削除してしまう。
削除してしまえば、当然、データは軽くなるけれど、元に戻ることはない。これが、非可逆。
映像であれば、色情報を少なくしていけば、自然とデータは軽くなるわけで。
当然、データの持ち方として、軽くて、かつ動作も問題ないものが一般家庭用に溢れているわけだ。
対して、可逆圧縮は、「111111」というデータを「1×6」の3文字にしてしまう圧縮だ。乱暴に言えばだけど。
要するに並んでいる情報を数学的に少ない情報に変換していくという事。
「へんかんする」は文字情報で6文字だけど「変換する」なら4文字になってあとから、振り仮名をつければ元に戻る。
つまり、元に戻るから可逆圧縮と呼ばれるわけだ。

当然、可逆圧縮の方が圧倒的にデータは大きくなってしまう。
いらない情報を削除したほうが、どんどん軽くできるのは当たり前だ。
けれど、カラーコレクションは、なるべくその映像が元々持っている色データなどを残してやるべきだ。
色の階調が深ければ深いほど、ノイズを出さずに加工ができるのだから。
だから、プロのフォーマットは、可逆方式になる。
カラーコレクション前にこのデータを作成しておこうと思ったのだ。

それでいろいろ調べていて。
どうやら、Windowsでも、PRORES作成が可能だという噂もあり、それを試そうとしていたのだけれど。
いろいろ調べていたら、どうも、精度に問題がありそうなことがわかってきた。
そして、やはり、その規格を策定した、当のapple社が、やはりサポートしていないのがわかった。
さて、どうしたものだろう。

もちろん、他にも可逆圧縮方式は存在している。
その上、カラーコレクションで一般的な、ダヴィンチは、読み込めるはずだ。
ただ、メインとなったカメラの撮影記録方式を観てみると、YUV422の色情報を持っていた。
RGBに変換してしまったらカラーマップが変わる。
まぁ、要するに色の持ち方を変換しないままのデータを書き出したいと思った。

しばし考えてから。
どうせ、今日はフォーマットで終わると思っていたのだから。
思い切って、非圧縮データを書き出してみることにする。
これは、すごいよ。非圧縮だから。
1秒×24枚×上映時間数の、非圧縮の画像データの繋がりなわけだから。
どんな、データが出来上がるんだろう・・・?と、まずやってみた。

意外にもエンコートはそこまで遅くなかった。
画像のビットマップを延々と書き出すのだから、確かにそうかもしれない。
圧縮を書けない分、書き出しは早いのかもしれない。

ただ。
出来上がったデータを観て、ちょっと笑ってしまった。
800GB。
1TBあったHDDの残り容量が、100GB程度になっている。
ええええ。
重い重いとは思っていたけれど。
MP4で、5GBなのだから、実に180倍ものデータ量だ。
まぁ、逆にMP4の規格であるH.264の圧縮率がものすごいってことなのだけれど。
こんな大容量だったのか。

非圧縮だから、このデータでもちろんカラーコレクションは出来るはずだけれど。
やはり中間コーデックにエンコードした方が作業は軽いんじゃないだろうか?
このHDDを誰かのMACで、エンコードしてもらうか・・・。
それとも、このHDDをそのまま納品しても良いのだろうか?
本当はHDDに、他の映像データやXMLを書き出したデータも一緒に入れようと思っていたし・・・。

書き出した非圧縮データをもう一度読み込んで映像を確認する。
やはり、高精細。
PhotoshopやLightroomで、静止画を加工したわことがあるから、カラーコレクションのしやすさはわかる。
色情報も全てそのまま書き出してあるはずだ。

さて、どうしたものか。
別の非圧縮で行くべきなのか。
MAC持ってる人に、圧縮してもらうべきなのか。
それとも、このまま行くべきなのか。

考えてもわからないから、とりあえず、撮影監督に非圧縮でも良いものかメールだけしておいた。

映像制作について色々勉強を重ねてきたけれど。
今度は、映像コーデックについて、こんなに勉強することになるとは!

どうやら、まだまだたくさんの覚えることがありそうだ。
まぁ、ぜんぜん、へっちゃらだけどさ。
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posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:39| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月27日

アフレコも終了

アフレコ二回目。
毎日のように映画についてなにがしかをしていたおいらにはわからなかったけれど。
考えてみれば出演者の多くはこのアフレコが撮影以来の映画についての作業だったんだなぁ。
映像を観るのがこのアフレコが初めてだというのはわかっていたけれど。
始めて映像を観るだけじゃなくて、映画に関わることソノモノが撮影以来だったのだ。
そんなことを思いながら、レコーディングしていく。

数か月ぶりに観たあの景色をどう思っただろう。
あのセットのにおい、あのロケ地の空気。
確かに、おいらたちはあそこに集まって、毎日、撮影を重ねた。
あそこで芝居をして、それが確かに作品として残っている。
おいらにはわからない感覚。
久しぶりに見る映像。

目の前のマイクと、目の前の映像と。
セリフと芝居と。
そのことに夢中になって映像どころか、思い出すこともなかったかもしれない。
いや、そもそも、感傷的になるほどの思い出かどうかもわからない。
覚えていない部分もあるだろうし、それぞれが、きっと別の思いだろう。

アフレコなんかできないケースだってある。
収録された素材の中でなんとかして、なければ、もう仕方ないねとなる場合もあるだろう。
あるいは、もうシーンごとカットすることだってあるはずだ。
ましてや、後から演出変更の部分までアフレコできるなんてことは基本的に絶対にない。
そういう意味では本当に貴重な機会だし、自分たちで製作しているからこそだ。

今日は、別にこのままでもいいけど、一応、録音しようよという箇所もあったのだ。

それを皆は小さなタイムスリップをしながら、挑んだのだろう。
数か月のタイムスリップ。
そして、次に映像を目にする機会があるとすれば、関係者試写になるのだろう。
そこでようやく、作品に出合うことになるんだ。
その時は、もう、タイムスリップとも違う感覚になるんじゃないかなぁ。

アフレコが終わった後、何人かから、これでデラッチの作業も終わるの?なんて聞かれた。
終わらないよと、答えた。
完パケまで、まだ工程は続く。
今日録音した音声だって、おいらじゃないとしても、ここからマッチングさせていく。
録音した音声を合わせた部分には、当然足音なども消えてしまう。
その足音も、少しずつ直していく。
効果音や、テロップの作業が続く。
カラコレ用のデータの書き出し作業にも入らなくてはいけない。
今日映像を観て、すげぇ映画じゃんなんて言っていたけれど。
すげぇ、映画なんだけど。
もっと、映画になっていくんだ。

そしてね。
もっともっと、映画じゃなかったんだよ。
本当にね。
本番行きます。回りました。ヨーイ。スタート。はい、カット。オッケーです。
そんな撮影前撮影後の言葉まですべて入っている映像を切ったり張ったりして。
つじつまが合うように再構築して。
それこそ、まばたきのタイミングに合わせて、カットを繋いで。
ようやく、ここまで来たのだよ。

今頃。
皆は夢の中かな?
久々の映像を観て。
夢にあのロケ地が現れてやしないかな?

あの日々が。
少しずつ作品に近づいている。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:54| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月26日

アフレコ準備2

明日のアフレコのために、再度、映像のチェックに入る。
KORNさんが整音した結果、小さくて聞こえなかった声が前に出てきて聴こえていたりする。
ああ、じゃあ、ここはアフレコしないでもまぁまぁ成立するんだなぁ…なんていうのもある。
特に、オフマイクだったセリフが、意外にEQで持ち上がっていて驚いている。

出来れば明日のアフレコは、監督の演出的なアフレコをメインにしたいなぁと思っている。
もちろん、まだ、アフレコしなくちゃいけない部分がいくつか残してあるのだけれど・・・。
そもそも音声収録していなかったり、まったく声がなくなっている部分から先週はやったから。
今週は、クオリティアップになるようなセリフを抜き出して、やっていければ。
そう思って、もう一度、頭から観ていった。

観ている時間、ただ再生マシンにしておくのももったいないので、映像も書き出す。
海外映画祭に提出した映像は、カラコレ前で、生々しすぎるので軽くフィルターをかけてある。
フィルムフィルターと軽いコントラストだけだけれど。
だから、今度は映像そのままの生の色のままのデータを書き出した。
来週以降に始まるであろうカラコレ前に、撮影監督に色味を観てもらおうと思ったからだ。
事前にどんな発色か確認できればと思った。
もちろん、忙しい人だから、見る暇なんかないかもしれないけれど、少しでも確認できたら。
そう思った。
カラコレにおいらが同席する予定は今のところないけれど、同席するのかなぁ。
予定が決まって、データをどう持っていくかで大きく変わるだろう。
今見ている映像は、まだ仮の映像だ。
カラーコレクションで、どのぐらい映像が変わるのか、色々観て、何度も驚いている。
これで、この映像を観る人がまた一人増えることになる。

今、実際に、この映像を観ている人ってどれぐらいいるのだろう?
監督とおいらと、音楽監督と、KORNさんと、加藤Pと、古賀P。
それに、シナリオ修正をお願いしたりしたメンバー。
あとは、字幕製作会社の方、海外渉外担当の方、ぐらいなのだろうか?
すでに、この物語の原作である舞台すら知らない人も見ているんだなぁ。
仕事目線で観ているとはいえ、どんな感想を持っただろう。
何も知らない人が、初見でどんな風に感じたか、それが知りたい。

時間をかけてセリフにかけたLRパンは、結局書き出せないとわかった。
他の作業もあるから、KORNさんに、定位は一任する。
おいらなんかよりも、早く、そして空間演出に近いパンナーが出来るのだからその方が良い。
おいらはおいらで、まだまだやることが山ほどあるのだから、そっちに集中しよう。

通しでもう一度観ていたら、こんな時間になっちゃったな。
何度観ても発見がある。
ビデオのない時代、映画は殆どの人が一度しか見る機会がなかった。
その代わり、映画館入場料は、今よりもずっと気軽に入れる値段だったから。
気に入った作品は、何度も足を運ぶなんてこともあったようだ。
娯楽の王様と言われたころの映画の話だ。
今は、ビデオからDVD、Blu-ray、ネット上映と、幅が広がった。
テレビドラマでさえ、パッケージ化されて、二次利用される時代だ。
だから、繰り返し観て、楽しい作品と言うのは、大きな魅力になるとおいらは思う。
この作品は、一度観ると、もう一回観たくなったりする要素もたくさんある。
後半に行けば、前半を思い出し、もう一度確認したくなるような映画だ。
最近のヒット作には欠かせない要素なんじゃないだろうか?

本当はね。
支援してくださった皆様に、誰よりも早く観てほしいなぁなんて思っている。
でも、同時にぐっと我慢もしている。
この作品を映画化したいという思いに同意してくださった皆様のためにも。
日本国内で、完成披露して上映館を探して…という道だってなくはないんだから。
でも、その前に、海外に持っていく。
まだ完成していなくても、持っていく。
そして、海外の映画祭や、マーケットのスケジュールに合わせて、完パケを目指している。
それは、世界に持っていくという目標までを含めて、応援してくださった皆様の思いだと思っているからだ。
そうやって、世界を旅してから、日本に逆上陸する。
その日まで、待っていてほしい。

何度も繰り返し観ているのがなんだか、申し訳ない。
今日も感動しているおいらがいる。

明日のアフレコもしんどいかな?
でも、明日は〆切があるわけじゃない。
少しだけでも、飲んで帰りたいけどな。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 05:07| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする