内蔵用HDDをドッキングベイに載せて、PCと繋ぐ。
まずは、exFATにフォーマット。
どのぐらいかかるかなぁと思ったけれど、やってみればあっという間。
1TBの広大な空間なのに、こんなものなのか。
すごいな…USB3.0。
あっという間過ぎて、いつ終わったのかもわからなかった。
今日はフォーマットして、明日は、カラコレ用のデータを書き出そうと思っていたのに。
こんなに一瞬なら、今日のうちに書き出してしまおうと、やってみる。
しかし、実は一抹の不安も。
映像業界ではフェイバリットな企画、apple PRORESという規格。
どうも、数年前からWindowsへのコーデック配信を止めているという噂が。
おかげ様で、その規格へのエンコードが出来ないとか出来るとか情報が飛び交っていた。
PRORESという規格はいわゆる、可逆圧縮方式と言われる。
YoutubeやDVD、Blu-rayでも、それこそ、テレビ放送もだけれど。
映像はデータが大きいから圧縮してある。
テレビの放送は圧縮したうえでデジタル配信しているのだ。
映像の圧縮は、1秒間に24コマなら、その1コマ1コマを圧縮していく形式と。
時間軸に沿って、あまり映像の変化のない所をグループ化して圧縮していく形式とがある。
そして、そのどちらも、非可逆圧縮と、可逆圧縮がある。
例えば、音楽でメジャーになったMP3には、人間の耳では聞き取れない周波数帯の音を削除してしまう。
削除してしまえば、当然、データは軽くなるけれど、元に戻ることはない。これが、非可逆。
映像であれば、色情報を少なくしていけば、自然とデータは軽くなるわけで。
当然、データの持ち方として、軽くて、かつ動作も問題ないものが一般家庭用に溢れているわけだ。
対して、可逆圧縮は、「111111」というデータを「1×6」の3文字にしてしまう圧縮だ。乱暴に言えばだけど。
要するに並んでいる情報を数学的に少ない情報に変換していくという事。
「へんかんする」は文字情報で6文字だけど「変換する」なら4文字になってあとから、振り仮名をつければ元に戻る。
つまり、元に戻るから可逆圧縮と呼ばれるわけだ。
当然、可逆圧縮の方が圧倒的にデータは大きくなってしまう。
いらない情報を削除したほうが、どんどん軽くできるのは当たり前だ。
けれど、カラーコレクションは、なるべくその映像が元々持っている色データなどを残してやるべきだ。
色の階調が深ければ深いほど、ノイズを出さずに加工ができるのだから。
だから、プロのフォーマットは、可逆方式になる。
カラーコレクション前にこのデータを作成しておこうと思ったのだ。
それでいろいろ調べていて。
どうやら、Windowsでも、PRORES作成が可能だという噂もあり、それを試そうとしていたのだけれど。
いろいろ調べていたら、どうも、精度に問題がありそうなことがわかってきた。
そして、やはり、その規格を策定した、当のapple社が、やはりサポートしていないのがわかった。
さて、どうしたものだろう。
もちろん、他にも可逆圧縮方式は存在している。
その上、カラーコレクションで一般的な、ダヴィンチは、読み込めるはずだ。
ただ、メインとなったカメラの撮影記録方式を観てみると、YUV422の色情報を持っていた。
RGBに変換してしまったらカラーマップが変わる。
まぁ、要するに色の持ち方を変換しないままのデータを書き出したいと思った。
しばし考えてから。
どうせ、今日はフォーマットで終わると思っていたのだから。
思い切って、非圧縮データを書き出してみることにする。
これは、すごいよ。非圧縮だから。
1秒×24枚×上映時間数の、非圧縮の画像データの繋がりなわけだから。
どんな、データが出来上がるんだろう・・・?と、まずやってみた。
意外にもエンコートはそこまで遅くなかった。
画像のビットマップを延々と書き出すのだから、確かにそうかもしれない。
圧縮を書けない分、書き出しは早いのかもしれない。
ただ。
出来上がったデータを観て、ちょっと笑ってしまった。
800GB。
1TBあったHDDの残り容量が、100GB程度になっている。
ええええ。
重い重いとは思っていたけれど。
MP4で、5GBなのだから、実に180倍ものデータ量だ。
まぁ、逆にMP4の規格であるH.264の圧縮率がものすごいってことなのだけれど。
こんな大容量だったのか。
非圧縮だから、このデータでもちろんカラーコレクションは出来るはずだけれど。
やはり中間コーデックにエンコードした方が作業は軽いんじゃないだろうか?
このHDDを誰かのMACで、エンコードしてもらうか・・・。
それとも、このHDDをそのまま納品しても良いのだろうか?
本当はHDDに、他の映像データやXMLを書き出したデータも一緒に入れようと思っていたし・・・。
書き出した非圧縮データをもう一度読み込んで映像を確認する。
やはり、高精細。
PhotoshopやLightroomで、静止画を加工したわことがあるから、カラーコレクションのしやすさはわかる。
色情報も全てそのまま書き出してあるはずだ。
さて、どうしたものか。
別の非圧縮で行くべきなのか。
MAC持ってる人に、圧縮してもらうべきなのか。
それとも、このまま行くべきなのか。
考えてもわからないから、とりあえず、撮影監督に非圧縮でも良いものかメールだけしておいた。
映像制作について色々勉強を重ねてきたけれど。
今度は、映像コーデックについて、こんなに勉強することになるとは!
どうやら、まだまだたくさんの覚えることがありそうだ。
まぁ、ぜんぜん、へっちゃらだけどさ。