昨日、BLOGに書いた懸念していたことが起きていた。
頂いた音楽データを貼り付けて、書き出して監督のPCに移動しておいたのだけれど・・・。
やはり、音のバランスが違ったようだ。
そもそものアプリケーションの違いもある。
それと、やはり書き出した2mixの音で製作している音源を、モノラル音が並ぶ中に置くのでは音圧も変わる。
配置して映像再生した時に、ちょっと大きいから音源を置いたトラック12は、ゲージを下げて再生したのだけれど。
音楽監督が書き出したデータを例えレベル操作とは言え、勝手にするのはためらわれた。
でも、結果的には、自分の感覚でレベルを合わせた方が正解だった。
そもそもの、書き出した圧縮音声でとったゲージでは、合うわけがないのだ。
気付いていたのに、変に気を使ったのがあだになってしまった。
同時に、MAをお願いするKORNさんからも連絡が入る。
無事、映像は再生できたけれど、音圧がバラバラすぎるから、そろえた方が良いという。
まぁ、それは、全ての編集が終わってからじゃないとあとでバラバラになってしまう。
だから、あとで、元データも含めて渡しますと伝えつつ。
やはり、時間がかかりそうですねというところに落ち着いた。
ただ書き出したデータだけでは、ちょっと、判断できないところも多いのだろう。
だから、帰宅して可能ならサンプルのパラレルの音源データを送る旨を伝える。
それだけで、恐らく、どんな作業工程になるか見えてくる。
KORNさん曰く、音圧をそろえてから、アフレコが必要な個所をみつけてくださいと言う。
確かに、音圧がバラバラでは、わからないことも多い。
音圧というのは、ただのボリュームではない。
いわゆるスマフォでも、ステレオでも、なんでもいいけれど、ボリュームが付いている。
あれは、要するに、音の大きさに過ぎない。
音圧は、その音の中身の成分の部分まで含んでいる。
倍音が多く含まれた音声は、音に厚みが出てくる。
小さな声でも、後ろの席まで届く声というのは、鍛錬されて、倍音が豊かになっているのだ。
単純に波形で観てもすぐにわかる。
音圧のある声は、波形がとっても濃い。
倍音が豊かな声は、それだけ多くの音域で音が出ているから、音楽の中にあっても、抜けてくる。
それは声帯だけではなくて、骨格や、口内でも、響かせなければ、そういう声にならない。
もちろん、電気的に、音圧を上げることも出来るし、大抵の歌は、音圧を上げてある。
エフェクトで歪んだり、コンプをかけたり、そうやって、声にコシを出していく。
今回の撮影での録音環境を思い出す。
初日はガンマイクが数本と、ピンマイクがいくつか。
二日目以降は、ガンマイクが1本と、ピンマイクが7つだった。
ピンマイクの音声も、役者の声質によって、ゲインを上げてあったりする。
ハスキーな発声の俳優のピンマイクは、高感度にしてあったりするのだ。
当然、声はきれいに録音出来ているけれど、その代わり、服の擦れる音なども、他のマイクより強く入っている。
結果的に、音圧がバラバラになっていく。
ガンマイクでしか拾っていない声と、高感度のピンマイクでは、そもそも聴こえ方も違う。
そういう音声を、整音していくのがMAになる。
2mixになって、音楽も乗った映像データで、すぐに、その判断をするのはさすがKORNさんだ。
帰宅するなり、音楽監督の指示通りに音声データを直していく。
音量は、一番音数が多そうな曲の場面で、セリフや足音が聞こえるところに整理していく。
少しずつ微調整して、-10dbが一番、しっくりくるかなと、トラックごとそこにする。
これで書き出す。
書き出している間に、今度は、音声データのサンプル作り。
premiereには、AAF書き出しの機能が付いている。
これで出せば、Protoolsで読み込めるパラレルデータが書き出せるはずだ。
問題は、これが、元データも含めてのXMLマッピングなのか、改めてwavファイルを書き出すのかどちらかが心配だったけど。
どうやら、wavデータを配置して書き出すとわかった。
そして、書き出しの際のレンダリング時に、ステレオデータをモノラルに分解することも分かった。
現在12trだけれども、ステレオを配置している箇所もあるから、16trぐたいになっているかもしれない。
もっとも、書き出したデータを開くソフトがないからわからないけれど。
書き出し終わったら、送って開けるか確認しよう。
もし、開けないのだとすれば、それはそれで、実際に作業する前にわかっているべきことだから良いのだ。
MA前に、どう書き出して、どんなデータを渡せばいいのか、今から実験できるという事だ。
書き出している最中からわかったけど、おいらが耳障りだからかけておいたノイズリダクションは解除された。
AAFに対応したエフェクト以外は、全て外されてしまう。レンダリングして置き換えておかないといけないという事だ。
書き出した全ての音声データは11ギガを越えていた。
もっとも、wavだから圧縮すれば、半分ぐらいになる。
けれど、2ギガを超えるファイルの圧縮は、解凍時にエラーになることも多いからちょっとだけ心配だ。
どちらで渡した方が良いのか・・・
まぁ、サンプルだし、色々試した方が良いだろう。
そうこうしているうちに、どうやら、再度書き出した映像が出来上がったようだ。
まずは、こいつのアップロード。
アップロードが終わったら、送信して、次は音声データのアップロードだ。
ただ、待っているのでは意味がないから、その間に、月末の舞台の準備作業を並行してやろう。
今日は長くなりそうだ。
週の頭だってのに。
そういえば、今日は午後から本当に寒かったな。
明日もきっと、寒いんだろうなぁ。
音楽監督のトオルさんと。
MAのKORNさんと。
ミュージシャンでもあった監督と。
今日は、「耳の人」とのやり取りで終始した。
耳の人には、見えているものが違う。
この映像を見せて、出てくる言葉が違う。
音声のバランスや、音圧のこと、気になる場所が、まったく違う。
映画を観ているようで、やっぱり、映画を聞いているのだ。
そういえば、舞台音響のゲージとりを思い出す。
この3人で、やいのやいのやっている姿を。
ハイが痛いとか、中域が欲しいとか、ベースが気持ち悪いとか。
耳の人の会話が続く。
もちろん、言われればおいらにもわかるけれど、その前にはわからないものも多い。
そのぐらい微妙な部分の話もしている。
今、思ったけれど、考えてみれば再生環境が違うことに気づいた。
監督は、恐らくPCで再生して、イヤフォンで聴くことになる。イヤフォンのスペックはわからない。
音楽監督は恐らく、密閉型のスタジオヘッドフォンで聴いているはずだ。
KORNさんは、恐らく、スタジオモニタで聴いているだろう。
おいらは、PC内臓スピーカーと、オープンタイプのヘッドフォンで作業していた。
密閉型のイヤフォンとヘッドフォンがあるから、それでも、近いうちに聞かないとなと思った。
さすがにスタジオモニタレベルのスピーカは持っていないから、そこだけはMA待ちだな。
可能なら、近いうちにテレビのスピーカーでも聞いてみたいなぁと思っている。
さて。
作業再開だ。
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