2017年01月21日

真っ白な煙

昨晩、音楽監督にレポを送信後。
深夜に電話がかかってくる。
色々と映画について話す。
時々、わからない部分もあったけれど、とにかく、熱い気持ちが伝わってきた。
この作品を高みへと、あげたいという思いだ。
明け方まで話して、就寝。
あまり、睡眠もとらずに、一日が始まった。

音楽監督と話した内容の中で出た連絡事項をいくつか。
その中で、MAをお願いするKORNさんともメッセンジャーで少し話す。
アフレコやMAが、いつぐらいになるのか。
どのぐらいの時間がかかるのか。
その前に何が出来て、何が出来ないか。
少しずつ見えてきたように思う。
スケジュールも、そろそろ出てくるはずだ。

帰宅して、もう一度、映像を観るか悩んで、今日はやめておいた。
少し間をおこうと思った。
日曜には、監督に、音楽を貼り付けた状態の映像を渡す予定。
それまでに出来ることは、やってあるはずだ。
土曜の夜に、更に変更されたデータを送ると音楽監督から聞いているから。
だから、今は、じっくりと待った方がいいのだ。

それに、今日一日。
何度も何度も、あのメロディーが頭の中をループしていた。
気付けば、ハミングでメロディーを追っていた。
頭の中が過熱している証拠だ。
こんなに睡眠時間が少ないのに、まったく眠くなることもなかった。
どこか、クールダウンしないといけないと思った。

そう思っていたら、テレビで、千と千尋の神隠しが始まった。
なんとなく、最初からつらつらとみていた。
少し前は、ドラマでも映画でも観れば、編集点や、そのスピードに目が行ったのに。
頭の中がシフトしているだけあって、久石譲さんの音楽の使い方ばかりが気になった。
宮崎駿監督、北野武監督と、巨匠に信頼された、日本人の第一人者だ。
完全にシーンに充てて曲をつけている。
恐らく、トオルさんと同じように音楽用の台本も書いていると思う。
そう考えなくては説明がつかないような、曲の繋がりだった。

そんなことを思いながら、映画を観ていたら。
ふと、朝方の電話で、トオルさんが言っていた言葉が頭に浮かんだ。
映像版はさぁ・・・舞台より、やわいんだよ。だから音を当てると、合わなかったりするところがあるんだよ。
その言葉がじわりじわりと、おいらの中を侵食していった。
舞台の演技は生だから強い。
おいらたちは、長い時間をかけてその強い芝居を映像に合わせていった。
だから、もし、やわいのであれば、稽古の成果でもある。
でも、きっと、それだけではない。
舞台は生だから、目の前に役者が実際にいるという存在感がある。生の声がある。空間がある。
それは、すでにエネルギーで、そのエネルギーこそ舞台なのだと思う。
でも、映画はそうじゃない。
映像で、マイクで、そっと掬い上げている。
アングルで切り取って、見えづらい所を、ズームしていく。
それはもう、稽古でとか、芝居がとかのレベルではなく、根本的な表現手法の違いだ。

今になって。
また、あの映像を確認したくなってきている。
音楽が付いたばかりのあのシーンもみたくなっている。
明日の夜にはアップデートされてしまうかもシーンもある。

明日は朝から月末の舞台の稽古だ。
自分のシーン以外は待ち時間で、監督もそこにいるから、モバイルスタジオを持っていくか悩んでいる。
けれど、持っていかないつもり。
明後日には、持っていくのだから、明日、絶対に必要なわけがない。
もちろん、待ち時間に、出来ることは山ほどある。
細かいノイズを少しずつ削って行ったり、インデックスを作っておいたり。
他にも作業しようと思えばある。
舞台の準備も含めたら。
でもな。
明日の朝の気分で決めよう。

雪はあまり見かけなかったけど、冷たい日だった。
時々、氷雨が降った。「飲ませてくださいもう少し」だ。

おいらのハミングは、真っ白い煙になって、夜空に上っていった。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:35| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする