2016年12月16日

映像が映画になる時

モバイルになったスタジオを持って移動する。
今日も編集日。
今週はどうやら、4日連続で編集に入れる。
ここのシーンを越えたら・・・と思っている箇所の直前まで来る。
このシーンを越えたら、一気に、ストーリーが加速していく。

この映画は再三書いているけれど、非常に、情報量が多い。
登場人物が多いし、シーンが多いし、エピソードも満載の作品だ。
舞台を知っているお客様であれば、もちろん、あっという間に作品世界に入っていくと思う。
けれど、この映画は、もっともっとたくさんの人に作品を知ってほしいというコンセプトがある。
だから、舞台を知らないお客様が楽しめるように作らなくてはいけない。

冒頭、何人もの登場人物が登場して、それぞれのエピソードが展開していく。
この頃は、全てを把握するのはとても難しいだろうなぁと想像している。
もちろん、舞台の何倍も情報量がある。
舞台と違って、登場人物の表情を追うことが出来るから、ある程度人数が出ていても、焦点がハッキリしている。
今、そのシーンで何を伝えたいかが、舞台の何倍も明確になっている。
それでも、映像は次から次に切り替わり、どんどん物語は進んでいく。
だから、このシーンを超えたころから、少しずつ、作品世界に入るという想定をしている。
初演のころの舞台もそうだったけれど、物語が動き始めたころには、お客様が作品世界に入っている。
そうなるように、テンポなどで、飽きさせることなく、かつそれぞれの特徴や印象を濃くしていく。
時には同じようなシーンをリフレインして、時にはコメディタッチにして、印象をつけていく。
全てのお客様が作品世界に入った頃に、物語は大きく動いて、クライマックスになだれ込む。

小説を書いたり、絵を描いたり、音楽制作でも、なんらかの作品制作をしている人は知っていると思う。
実は、作り手には作り手の、乗りというか、勢いというものがあるということを。
クライマックスまで進んだ時に、ペンに勢いが乗るような作品ほど、作品にはテンポが生まれる。
絵だってそうだ。
慎重に慎重に下書きから、絵を描いていったのに、フィニッシュ近くになれば勢いがつく。
その勢いは、そのまま作品の勢いになっていくのだ。
ある意味で作品を、作品たらしめるのは、作り手のそんな勢いとか思いなのだと思う。
すごいと思えるような作品には必ずこれがある。
小説家や音楽家が、途中から、神がペンに降りてきたなんて言い方をする。
それは、もう頭が判断するよりも、早いタイミングで、ペンが動き出すような状況だ。

恐らく、監督もおいらも、その時が来るのを既に予感している。
このシーンを越えたら、あそこに入っていく。
あそこが済んだら・・・。
その先に、勢いが出てくるのをすでにシナリオからも、過去の舞台からも知っているのだ。
そして、そのぐらいの後半シーンになれば、もう説明的な部分も必要ない。
なぜなら、すでに作品世界にお客様が入っている想定だし、印象はついた後だからだ。
それまでテンポよく、小気味よくみせていた世界を、大胆に動かせることが出来るということだ。
そして、その物語のダイナミズムこそ、セブンガールズの骨になる。

今、丁寧に、シーンを繋げていっているけれど。
それは、ある意味では助走なのだ。
色々な意味で、体を温めているような状況なのだ。
いつでも、スパートできるように。
いつでも、クライマックスになだれ込めるように。

芝居も、映像も、音楽も、編集も。
全てがクライマックスに向かった時。
その勢いは絶対に作品に出るはずだ。
そして、お客様はその勢いを感じながら、クライマックスに向かうはずだ。

別に勢いが付けば編集が早くなるわけではないけれど。
とは言え、悩むより早く、ここはこうしようと、どんどんアイデアがあふれ出すような状況。
或いは、もう映像が頭の中にどんどん構築されていくような状況。
そういうクライマックスが近づいているなと感じながら編集している。

起承転結でいうところの「承」がいよいよ終わろうとしているのだ。
今日の編集は細かく、丁寧だったけれど。
同時に、ここを越えればというラインを見ながらの編集だと感じたのだ。
翌日も、翌々日も、その翌日も。編集が続く。
恐らく、クライマックス直前まで今週中に到達するだろう。
いよいよ「転」に入りかけているのだ。

そこに入らないと。
もっとずっと細かい編集にも入れない。
編集は、クリエイティブな作業だ。
とってもとっても、クリエイティブだ。
創造創造創造。
事務的な作業なんかじゃない。
真っ白なキャンパスを埋めていくような、世界の創造だ。
いよいよ、そのクリエイティブのピーク直前なのだ。

嵐の前のような。
そわそわした思いを抱えながら。
丁寧に丁寧に、シーンを構築していった。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:55| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする