2016年11月28日

クランクアップ

朝一で集合して、街中での撮影をする。
ここといくつかのシーンの撮影で、全ての撮影は終わる。
撮り直しも流石に、現時点で思い当たる場所はない。
7時から12時までの予定。
おいらは、その最後のシーンだった。

最後のセリフを言った時。
なんだかわからないけれど、シビれた。
最後のセリフは、なんというか、本当に最後だなっていうセリフだった。

撮影に臨んだ俳優の何人かでラーメン屋に行く。
おいら以外は、祝杯。
他の俳優と違って一か月遅れでのクランクアップを祝った。
おいらは、酒を控える。

そのままいつもの稽古場に移動して、早めに鍵を開けてもらう。
昼をとった監督もいたから、稽古が始まるまでのわずかな間も編集をした。
2時間と少しだろうか?
それでも、数シーンの編集が済んだ。
それだけでも、違う。
今週は、何日編集に入れるだろうか。
ついに撮影も終わったから、出来るはずだ。
とにかく、頑張るしかないな。
酒を控えたのは、編集があるから。
1コマのずれをなくし、1mmのマウス操作にミスがないようにだ。
確実に編集にかかる効率は高まっていて、指示通りになるのが早い。

稽古が始まって、いくつか芝居もする。
さっき、クランクアップしたのに。
体は、芝居をしたがっているのがわかる。
もっともっと、自分が乗るような奴がやりたくなっている。

稽古が終わり、十数人でクランクアップを祝う。
そこでようやく祝杯。

もうおいらはこの映画の芝居を演じる機会はない。
アフレコも芝居なんだろうけれど。
そういうことじゃないもんね。

舞台でも演じた後は、もうおいらのものではない。
舞台に来てくださったお客様の頭の中のものになる。
映像も同じだ。
演じ終わったら、もうおいらのものではない。
監督の素材であり、物語の一部であり、登場人物であり、観てくださるお客様のモノになる。

ああ。
おいらの手を離れちゃったか。
一抹の寂しさと共に。
まだまだ関われることがあることに感謝を覚える。

この物語を仕上げていく作業が待っているからだ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:01| Comment(0) | 編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする