明け方の地震に驚く日。
撮影日だった人もいただろう。
自然にだけは抗うことが出来ない。
そういえば、仕込み期間中に、島根の地震があったことを思い出す。
音声データのダウンロードが何度か失敗の上ようやく終わった。
音声データだけで圧縮されているのにかなりの大きさ。
ZIPファイルを解凍すると、なぜかエラーが頻発する。
どうやら10GBを超える圧縮ファイルは、対応していないと解凍出来ないようだった。
いろいろと調べて、対応するDLLやソフトを入手してなんとか解凍。
無事かどうか、いくつかファイルを調べてみる。
WAVEファイルで、各シーンの音声が流れる。
ああ、MIXされたものなんだなぁと思って、シーケンサーで見てみると全然違った。
一つのWAVEファイルの中に、モノラル8chとかが格納されている。
おいら、今までWAVEファイルにそんな風に入れることが出来るのは知らなかったよ。
一つのファイルの中に既に同期された形で、各マイクの入力音が入っているのだ。
これなら、配置した後に、いじるとしても、タイミングがずれたりもない。
音質もCDを超える24bitがメイン。
全てを展開して編集に当て込んでから、整音前にどこのアフレコが必要か決まるだろう。
とりあえず、今の編集の段階では触らないで良いですと連絡があったから、そのままにしておこう。
まずは、映像編集を進めた方が良いようだ。
ただ音は大きな指針になる。
監督は、音楽畑にいた人というのもあって、音に対しては、非常に厳しいし細かい。
劇団の公演でも、音にかける時間が、通常の劇団よりは多いはずだ。
少なくても、イコライジングにまで口を出す演出家をおいらは、あまり知らない。
高音域を抑えて、中域厚くして、低音域はそのままでいいやー。なんて。
だから、音のデータを合わせた時に、もう一度、編集が変わる気がする。
ああ、ここのセリフがこんな感じなら、ちょっと映像が違うな。
そういうことも出てくるんじゃないかって思っている。
編集作業や、音の形式を知ったここに来て。
最後の撮影日が確定した。
速報で、たぶんこの日程!というのは出ていたけれど。
ロケ地のように、私有地敷地をお借りしてという形ではないから、許可申請などもあった。
いよいよ本当のクランクアップが近づいているということだ。
ある意味では、物語にとって、本当に重要なシーン。
撮影がどれほど重要なのか、何が大事な素材になるうるか知ってからの撮影。
また、少し違う気分で気合が入る。
今週も編集は続くけれど、撮影日には、もう一度、役者になる。
一つだけ心配なのは、降雪だ。
ちょっと信じられないけれど関東で11月なのに降雪の予報が出ている。
明日の夜から、明後日にかけてだから、撮影日にはかぶらないのだけれど・・・。
ただ、撮影現場に、積雪が残っている可能性は否定できない。
雪が背景に映ってしまえば、まったく違う映像になって繋がりようがない。
もちろん、暖かい日が1日か、雨の日があれば、溶けてなくなる。
天候については、もう、ただただ祈るしかないだろうけれど。
そうなれば、撮影日がまた伸びる可能性だってあるのだ。
なんとかなるだろうという思いもありながら。
さて、編集機材も、最終的にそろった。
ヘッドホン端子の分岐と、監督用コントローラだ。
これで、また編集効率が上がるだろう。
ちょっとだけ質の良いヘッドホンが欲しいなぁとは思うけれど。
監督は、イヤホンでいいよなんて言っている。
ベリンガーのスタジオヘッドフォンだったら、それほど高価ではないし、一つ、手に入れておくか・・・。
音質は、実際の音声データや劇伴を乗せて、それから、整音するのだから、そこまで高くなくても良い。
やはり、イヤホンでやって、あまりにやりづらかったら考えればいい気がしている。
これで、編集に挑もう。
なんとなく、今日の編集でどこまで行くかは大事な気がしている。
こだわって作りこみながらも、効率を上げていく。
目指している高みを考えれば一切の妥協は出来ない。
こういう企画は、ほんの一歩でも間違えてしまうと、思い出作りと言われかねない。
そうじゃなくて、この企画は、作品を世に届けるという企画なのだ。
だからこそ、スタッフワークをプロにお願いしているわけだし、ここでいいやなんて出来ない。
だからこの企画は、まだまだ道半ばなのだ。
世界に。
その3文字を忘れてはならない。
それは、全ての関係してくださった方々への責務でもある。
一端、寝よう。
編集が待っている。
また二人だけだ。
地道だけど、楽しくて、真剣で、集中する時間がやってくる。